作品情報
上海市公安局の捜査線上で、暗号が破局を呼び込む。
柏木智光の『上海カタストロフ』は、講談社の文芸単行本として刊行された長編。上海市公安局刑事処に勤める李振玉を軸に、個性的な刑事たちのやり取りと都市の風景を重ねながら、謎解きと社会描写を同時に進める。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 1996-07-01
- ページ数
- 291ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784062083133
- ISBN-10
- 4062083132
- 価格
- 298 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
本格中国警察小説 上海市公安局刑事処に勤務する李振玉が手にした暗号が引き起こす破局(カタストロフ)。 『上海カタストロフ』への期待 個性的な刑事たちの捜査活動や会話を通して、街の光景、さらには当時の社会の全体像までがあざやかに浮かびあがってくる。この作品は、上海にとってのマルティン・ベック・シリーズになれるのではないか。大いなる可能性を持った異色の新人作家に、心からの拍手を贈りたい。私のほうが未熟な弱輩であることを思えば、僭越ではあるのだが。――田中芳樹
本書にて作家としてデビュー。
レビュー
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上海公安警察24時! 公安VS軍部。1980年代の中国をリアルに描く。
1987年度の江戸川乱歩賞最終候補にまで残ったものの、惜しくも落選した作品。 約10年後に、埋もれていたその応募原稿が、主催の講談社より書籍化された。 舞台となるのは、文化大革命後の1980年代初頭。中国上海。 軍部が幅をきかせる中で、あくまでも愚直に捜査を遂行する主人公の刑事。 クーデター計画、密航などの謀略の合間を縫う様にして、軍高官関係者が次々に殺害される事件が発生。 複数の悪意・殺意が交錯する中、歴史の中で翻弄されるひと組の悲しきカップルの姿が胸をうつ。 あの時代の中国だからこそ成立しうる、硬派のハードボイルド。ミステリーというよりは、人間ドラマで読ませてくれる。
関連する文学賞
- 江戸川乱歩賞 第33回(1987年) ・候補