作品情報
野間児童文芸賞で注目された、森絵都の個性がうかがえる作品。
『つきのふね』は、野間児童文芸賞の受賞作として知られる作品である。児童文学、ノンフィクションの領域で読まれ、題名が示す世界や問題意識を通じて、作者の表現の特徴に触れられる。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 1998-06-24
- ページ数
- 228ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.6 x 1.9 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784062092098
- ISBN-10
- 4062092093
- 価格
- 1540 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
自分だけがひとりだと思うなよ! 死ぬことと生きることについて考えてた。どっちがいいか、どっちがらくか、どっちが正解か。今までずっとそういうこと、考えてきた気がする。 あたしはちゃんとした高校生になれるのかな。 ちゃんとした大人になれるのかな。 ちゃんと生きていけるのかな。
1968年、東京都生まれ。第31回講談社児童文学新人賞受賞作『リズム』でデビュー。同作品で第2回椋鳩十児童文学賞受賞。著書に『リズム』の続編『ゴ−ルド・フィッシュ』、『宇宙のみなしご』(第33回野間児童文芸新人賞・第42回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞)、『アーモンド入りチョコレートのワルツ』(第20回路傍の石文学賞)、『流れ星におねがい』『カラフル』がある。
レビュー
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表紙
表紙ちがう…
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面白かったです
でももう少し続きが読みたかったですね。続きはないんですか?精神病ね。私もかかりやすいのでね。ストレスは大敵です。なんだかセンチメンタルな話でしたね。ぽろっと涙したところも少しありました。
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まだ大人と子供の間だったあの頃
森絵都さんの作品を読むのは初めてでした。中学生の話ですがよくできているし、もういい年なんですが昔の感覚をまざまざと思い出し、すごく共感できました。 時代は1998年、ノストラダムスの大予言が流行し1999年には世界が滅亡するとささやかれていた頃。 主な登場人物は仲良しのさくらと梨利、そしてストーカーまがいに梨利に惚れているけれど、実はわりとまともに彼女たちを心配している勝田の3人の中学生。そして万引きでつかまったさくらを逃がしてくれたスーパーの店員、智さん。 心も体も子供と大人の間で、純粋で繊細すぎるからこそ生じる思春期の不安定さがうまく描かれています。イケメンだけど飄々とした智さんは「”彼ら”にたのまれて世界が滅亡する前に全人類を収容する宇宙船を設計している」という現実離れした不思議な男性です。 学校と家庭、そのどちらにも居たたまれない時、逃げ込めるもうひとつの居場所、さくらにとってはそれが智さんのアパートであったわけです。 私事で恐縮ですが、私もさくらとまったく同じような経験がありました。ロック喫茶でバイトしていたミュージシャン志望のよくわからない男性のアパートに逃げ込んでいました。ふわふわした雰囲気の痩せっぽちの妖精みたいな人で、昔は洋館だったらしいボロいアパートに住んでいました。 コーヒーを飲みながらぼそぼそと話をしたり、時々ギターを弾いてくれたり、「こんなふうに音楽をやって食べていけたらいいのにね」と笑っていたとても静かな人でした。そのうちに引っ越してどこかへ行ってしまったようでしたが、ほんとにいたのかなと思うくらい現実感がなかったです。でも悩み事が多かった当時の私の安らぎの場になってくれていたのは確かでした。 さくらと梨利の間には誤解があったことが後になってわかってきます。智さんのつらい過去が彼の精神のバランスを壊してしまったことも。 怒涛の出来事を経験し、なんとか智さんを救い、みんなは少しだけ大人になったのかもしれません。今読んでも当時の甘酸っぱい気持ちがよみがえってきましたが、10代で読んでいたらきっとどうしょうもなく感動していたと思います。特に若い人におすすめします。
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読みやすさ
短い小説なので、とても読みやすかった。
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読みやすい
さらっと読むことができます。 ありがちな友情が題材ですが、そこがまた シンプルで胸にしみる作品でした。 最後の手紙文字にほっこりします。
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最後の最後に書かれた文章が全て。
「1999年7の月、人類は滅亡する」という、ノストラダムスの大予言を翌年に控えた時代、主人公達は中学生でした。罪の意識もなく簡単に犯罪に手を染め、反省することもなく、頼りない大人達を尻目に舐めた態度の生意気なクソガキ達。読み始めはそのクソガキっぷりにイライラし、読むのを止めようかと思いましたが。 心を病んだ青年、ストーキングが趣味(?)のおせっかいな同級生男子との関わりから、少しずつ変わっていく思春期ならではの心境にとても引き付けられました。 物語の最後の最後、これでこの本は終了、という所にぶっこまれた短い文章に泣きました。最後にあれを持ってくるのは反則です…。読んで良かった!
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大人と子ども、現実と空想、仲違いと和解
長い時間かけて読みました。読みづらいからじゃなく、自分の心身共の健康状態が良くない時期だったので、時間がかかりました。あらすじについては、他の方がお書きになられてるように、ノストラダムス前夜を意識した内容ですが、不思議なくらい自分は、そんな「世紀末感」は感じなかったです。というのも、「地球滅亡」のようなトンデモ話は、1999に限らず、いつの時代にもあるからでした。 登場人物は大人びた中学生が多いというのか、普通の中学生らしい子たちじゃなく、年上の男性との付き合いから犯罪に手を染めたり、そこについていけなくなって離れてやさぐれたり、そんな女子が気になり過ぎて介入していく男子だったり、いわゆる素直で異性とのやり取りに緊張するようなタイプの子は出てきません。この辺から、少し『リリイシュシュのすべて』を思い出したりしました。 登場人物の中で一番魅力的だったのは智さんという若い男性で、精神を病んでいく設定ですが、狂っているというより現実逃避なのか、何かを信じすぎて現実との境目がわからなくなっていっただけに見えました。彼は優しくて、誰のことも否定しないで受け入れます。中学生達に対しても拒否せず、あまりに自然に関係を深めます。もともとはとても優秀なエリートコースを歩む予定だったそうですが、諸事情から外れました。彼自身は欲も見栄もなく、ただ繊細で優しい人に見えますが、実は本人自身が自分の現実が受け入れられないことも病んだ原因かもしれません。 作品の終盤に向けて大きな事件があり盛り上がりますが、この作品の魅力は、壮大な宇宙の話をテーマにしても身近な人間関係や心理を丁寧に描き、仲違いした2人が和解するまでの道、心を病んだ人の回復など、潮の満ち引きのような自然な流れで対比を描いたことにあるのではないでしょうか。
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生きていく
一か月以上鬱の状態が続いているこの頃、頭の中で度々この物語が思い起こされ、読みたい読みたい、 と再び本を開きました。 本書は児童書です。図書館でも児童書のコーナーにありますし、カバーもいかにも子供仕様です。 その見た目から手に取る事すらしない方も多いと思いますが、大人にも十分に対応する本だと思います。 主に中学生3人と24歳の青年が出てきますが、中学生の心情の側に立って読み進めるのと、青年を中心に 読むのとでは、感じる物が随分と変わる内容ではないでしょうか。 私が本書に求めたものは、心に病を患う24歳の青年を軸として読むこの物語です。 人より壊れやすい心に生まれついた人間、と称される青年の心情、不安、傷故の彼の状態は、この世界では 決して他人事では無いと思う人は少なくないはずです。 青年を救うものは___。そして私自身を救うものは一体何なのだろう_____。 とても優しい本です。心が疲れた時に、穏やかな気持ちにさせてくれる、読む薬の様な存在です。
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- 野間児童文芸賞 第36回(1998年) ・受賞