日本の文学賞

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邪魔

大藪春彦賞

邪魔

奥田英朗

小さな放火事件をきっかけに、平穏な郊外の生活が崩れていく犯罪小説。家族、職場、地域社会に潜む孤独と欲望が連鎖し、普通の人々を後戻りできない場所へ追い込む。

犯罪家族郊外孤独暴走

作品情報

ささやかな幸福を守ろうとする人々が、犯罪の渦へ押し流されていく。

奥田英朗の犯罪長編。都下の町を舞台に、放火事件から始まる混乱を群像劇として描き、個人の自由と孤独を浮かび上がらせる。

レビュー要約

  • 日常が少しずつ壊れていく緊張感と、人物の弱さを突き放さず描く筆致が評価されている。長さを感じさせない推進力も支持されている。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2001-04-01
ページ数
454ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062097963
ISBN-10
4062097966
価格
48 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第4回(2002年) 大藪春彦賞受賞

レビュー

  • 映画を観ているような面白さ

    はらはらドキドキしながら最後まで読み進めた。すごく良かった一冊です。

  • 内容は好きだ

    ストーリーの展開があまりにも、予想に沿いすぎてかえって面白くなってくる。 人はみんなろくでなしだという、作者の意図が共感できた。

  • 新品?

    新品なのに書き込みあり

  • ヒューマニズム

    スーパーのパート、刑事、チンピラ。それぞれの社会のヒエラルキーで葛藤する様は、誰もが共感し、応援したくなるのではないだろうか。物語を作るお手本のような作品。 チンピラにはもっと酷い目にあって欲しかったのだが、それは作者の優しさかな。

  • 面白いっちゃ面白いが

    全般に、「疲れる」感じでもあった 全員もれなくひたすら断崖絶壁にひた走っている感じ 走ってる最中にハイになってしまうと、ある意味充実感は、…あるんだろうなあ かな?

  • デビュー3作目でこれを書ける作者の凄さ

    2001年 大藪春彦賞 受賞作 /2015年 テレ東ドラマ化 長い導入の後、ヒリヒリするような展開が待っている。親父狩りをしている不良少年 渡辺裕輔、ごく普通のパート主婦 及川恭子、同僚の刑事の素行調査をしている 九野薫、警察組織と暴力団、それらが小さな 放火事件で少しずつ繋がっていく。 警察小説 と言ってもいい。そういった 小説を読むたびに 警察という組織は暴力団とよく似ている、と思ってしまう。(あくまでも小説上の話だけれど) 権力を盾にした揺るぎのない 縦社会。 上からの命令は絶対だ。そんな中で神経をすり減らしていく九野刑事は、7年前突然失ってしまった最愛の妻の大きなトラウマを抱えていて、PTSDの症状も出ている。この九野刑事を中心にストーリーは動いていく。 私が興味深く思ったのは、男性の作家でありながら主婦の心情や、スーパーでパートとして働く主婦たちの内輪の様子も生き生きと描けていることだ。 警察組織や暴力団という男社会 を描きながら、市井の主婦が変貌していく様がストーリーに深みを与えている。 デビューから 3作目でこれをかける奥田英朗 という作家はただものではない。それを裏付ける 一冊である。

  • 「最悪」と並ぶ、作者の代表作

    徹夜度 ★★★★★ 話題性 ★★★☆☆ 着想 ★★★★☆ 作品の重さ ★☆☆☆ テンポ ★★★★★ 読みやすさ ★★★★★ 謎解き ★★★★☆ 感動 ★☆☆☆☆ 読後感 すごい おすすめ度 ★★★★★ 「最悪」と並ぶ、作者の代表作。 2002年度版 このミスで模倣犯に続く2位。 文春 2001 傑作ミステリーベスト10で6位。 本作品には三人の主要人物が登場する。 妻を交通事故でなくしたトラウマから立ち直れないでいる警部補 九野 家族4人で平凡に暮らす主婦 恭子 将来に目標もなく、ワルにもなりきれない高校生 祐輔 一見関係ない彼らの人生が、小都市で起こった放火事件をきっかけに、交錯していくという、クライムノベル。 些細な事件を、一級のサスペンスに仕上げ、一気に読ませる筆力はすばらしいの一語に尽きる。 是非おすすめの一冊である。 余談であるが、この作品以降、作者の作品がミステリーファンにとっては物足りないものとなっている。もう一度、この作品で得た驚きを味わいたい。

  • 人間の心の脆さを綴った作品

    物語の主題は刑事もの。 ある会社で起こった放火の犯人の捜索として 物語は流れています。 追っているのは、 数年前に妊娠中の奥さんを事故で亡くし、 それ以来不眠症に陥り、 精神的にも不安定になっている九野薫。 奥さんを事故で亡くすまでは、 警視庁でも有望視されていた刑事。 でもその彼の危うさは一見日々の捜査には現れない。 が、その彼が唯一心安らげられる義母関係性の中に、 実はしっかりと描かれている。 そして、その主題の火事の第一発見者で自身も火傷を おったものの、容疑者として追い詰められていく 火災が起こった会社の従業員及川。 そしてその妻の恭子。 ある時期の若者が陥りやすい、無力感の中で、 学校や家からはみ出してしまい、 その仲間の中でしか生きられないがために、 事件に巻き込まれていく裕輔。 勘違いの恋愛に自身を崩壊していく、 九野の同僚(?)刑事花村。 放火事件捜査を通して、それぞれの心の脆さを、 これでもかと描いていく。 正直読んでいて苦しくなっていくけれど読むことを 辞められないそんな一冊です。 LAST九野の結末には少しストレスが残るけれど、 それまで家族であることを守ることに必死となり、 放火まで起こしてしまいながら、 最後家族をキッパリ捨てて、 港町に一人自由に生きる道を選んだ恭子に、 本当に不思議だけれど、自分も肩の力がふと抜けた気がしました。

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