日本の文学賞

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恋愛の解体と北区の滅亡

三島由紀夫賞

恋愛の解体と北区の滅亡

前田司郎

宇宙人占領下の東京を背景に、平穏で危うい日常と恋愛のずれを描く長篇小説です。

東京恋愛宇宙人日常の不穏

作品情報

恋愛の解体と北区の滅亡は、受賞作として読まれるにふさわしい特色を持つ作品です。

宇宙人占領下の東京を背景に、平穏で危うい日常と恋愛のずれを描く長篇小説です。

レビュー要約

  • 作品の素材と文体の個性が評価され、読後に残る余韻や構成への関心を集めている。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2006-06-30
ページ数
191ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062134200
ISBN-10
4062134209
価格
621 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

注目の前田司郎の東京小説第2弾! 僕らの青春の行き場のない言葉が小説化された。言葉は嘘で身体も嘘。僕らは何か限界に近いことを考え続けるだけで何もしない。何もしないことが共感を呼ぶ。

レビュー

  • なんか好き

    まず,装丁が秀逸. さわやかな雰囲気の女性と背景に,若干の卑猥さをもった謎の物体. 中身を読めば,きっとこれがファナモなんだと思う. 爽やかさと同居する汚くない汚物.対比と,その表現が好き. しかもタイトルの「恋愛の解体と~」ではなく,ファナモの画を装丁にしているところもいい. 内容は,非日常的な日常.でも,現代の日本でも,戦争をする国になるかもとテレビで騒いでいても, 日常を繰り返す自分たちと同じかもしれない. でもやっぱり,だからと言って読み終わってから行動するわけでもなく,日常にもどってしまう. SFだけど,実は現実に近いと気づかされる話.

  • 世にも奇妙な物語のファナモ

    この作品は世にも奇妙な物語のファナモの原作です 番組よりもディープです 今風の若者のステレオタイプをベースにしていて、普通の人とっては真面目に読むのがつらいかも GHQの占領政策のような見えない権力に踊らされる庶民の飛散さを風刺している気がする

  • さして特別ではない所にある非日常

    非日常は日常の中にあって、ナンセンスはセンスの中にある。そんなことを思わせる話です。おどろおどろしいわけではなく、とてもライトな書きっぷり。とても好きです。今時なら、昼間の街中をVRゴーグルをかけて歩くようなものなのでしょうね。北区の方は気の毒だけど 笑。

  • あっという間に世界に引き込まれる

    前作が気になって立て続けに前田司郎。 一つ分かったのが、 この人はすごいわき道にそれるのが多い。 何かを説明してるなかで、またその中の言葉につっこみが入る。 話の中に宇宙人が出てくるんだけど、ほんとにおまけでしかない。 あ、そういえば宇宙人いるんだったみたいな。 ごく平凡な20代後半の男の1日の話。 登場人物も多くない。 後半最後はずっとSM。 この男の葛藤というか、心の中の動きがおもしろい。 タクシーの中で読んでたんだけど、思わずニヤッとしてたかもしれない。

  • 「日常と非日常」の描出が不十分

    期待して読んだがいまひとつ。絶望した男が売春婦に救われるモチーフは現代小説の王道であり、SMなど村上春樹のように一風変わった性的趣向を凝らしたところで目新しさは感じられない。 宇宙人によって北区が滅ぼされようとしているという〈非日常〉設定も、男女間の〈日常〉的会話を引き立てることはなく、「非日常の中の日常」「日常の中の非日常」の演出としては宙ぶらりんな印象である。

  • 安心した

    前作「愛でもない〜」からの期待を裏切らなかった。宇宙人云々だからSFということでは全くないのでその辺で読者を選ぶことはない。作者らしいといっていいのだろうか、力がぬけていてかつ滑らかな世界観は維持されていて、最初から最後まで読者を引っぱってくれる。今回は主人公の思考、特に愛や憎しみや、サディズムとかマゾヒズムについての考察に力点がおかれているようにもみえるが決してそれが作品を重苦しくしているわけではない。また宇宙人の使い方が面白い。

  • 新世代の新感覚文学。

    劇団「五反田団」の作・演出家である前田司郎の三島由紀夫賞最終候補作。 宇宙人の襲来を舞台にしながら、そんなこととはまったく関係なしに日常を綴る主人公のお話。 ここまで設定を無視していいものなのか、と思うくらいに徹底的に舞台を無視した内容がとても心地いい。 そうだよなぁ、確かに宇宙人が襲来してきたって、そんなこととは関係なく毎日を過ごすよなぁ、と納得させられるのも心憎い。 前半の自己省察の部分はややかったるいかなぁと思ったが、後半SMの話になってからは勢いもあって面白かった。 なんか新しいものを読んだって感じです。

  • 大げさなタイトルは笑える。

    演劇集団「五反田団」主催、前田司郎の小説。 宇宙人が侵略しつつある世界という異常なシチュエーションにありながら、 ほとんどそれと関係なく特別な行動も起こさず 脳内独り言によって進んでいく日常との対比。 その両者がまったく批判的にではなく、 ただ横置きされているという前衛さが不気味。

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