タイドプール
父の再婚に揺れる少女の心を、潮だまりに生きる小さな生き物の世界と重ねて描く児童文学。家族や友人との距離を見つめる成長物語である。
作品情報
小さく厳しい潮だまりに、少女の揺れる心が映し出される。
講談社から刊行された児童文学作品。家族の変化に戸惑う少女の内面を、タイドプールという閉じた小宇宙に託して描く。
レビュー要約
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少女の不安を自然の小さな世界に重ねる構成が印象的で、児童文学として読みやすい語り口が評価されている。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2007-03-29
- ページ数
- 237ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784062138543
- ISBN-10
- 4062138549
- 価格
- 1180 JPY
- カテゴリ
- 本/絵本・児童書/読み物/童話・文学
第47回講談社児童文学新人賞佳作受賞! タイドプール、それは小さくてきびしい世界。 そんな場所で私たちは身を寄せあって生きている。 父親の再婚をきっかけに、家族や友だちのことで悩む少女の姿を、タイドプールの生き物たちの世界と重ねて描く秀作。
レビュー
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読みやすい作品
小学生である主人公の心のうちを、わかりやすい言葉で書かれた作品。家族のこと、友達のこと、実際にも起こりうる展開の中、主人公が精神的な成長を遂げいく。同じくらいの年の子供を持つ親として、面白く読みました。
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想像力を伸ばせば、関係性は良くなることもある
「ドアを開けたら、お母さんがとどいていた」 そんな言葉が始まりとなる『タイドプール』(長江優子 講談社)は、新しく母親となる女性マコさんと、えり子の物語。 いきなり小学五年生の娘を持つことになったマコさんは、二人の関係が巧く行くようにとルールを決めることを提案します。けれど、それだけではあんまり情がないから、マコさんは、えり子のことを好きなのは、ずっと変わらないと付け加えます。 新しい関係に緊張しつつも精一杯がんばろうというマコさんの姿が伺えます。で、それへのえり子の反応は、「なんともいえない、こっぱずかしさ」です。別にえり子は、マコさんを嫌っているわけではなくて、マコさんのノリに引いてしまっているのですが、熱くなる大人と冷めている子どもという関係がよく出ています。熱くなる大人に感動して一緒に熱くなる子どもだとか、熱い子どもを見て、ピュアな心が蘇る大人だとかの、大人と子どもの熱循環とでも言いましょうか、そうした関係性が機能していない時代がここによく現れています。 そんなものですから、この先二人の思惑や感情はズレていきます。朝起きたら歯ブラシの位置が違うし、タオルの色も違う。良き母親としてえり子を育てようとするから、携帯電話では本当のコミュニケーションはできないと、持たせない。忘れ物はないかとカバンを覗いてしまう。「私の生活がじわじわとこわされていく」ところから、ついにえり子は、自分の心にまでマコさんが入ってこようとしていると思うようになります。 けれど、えり子は、マコさんが朝は「ままはは」で夜は「マコさん」なのに気づきます。そうした無理がマコさんの行動をおかしくしているのです。 学校でも、鼓笛隊のパート決めで、指揮者を任されてしまったえり子は、それをきっかけにして親友のはずのちひろ(彼女は指揮者になりたかった)との関係がぎくしゃくするのですが、ちひろの気持ちを理解していくことで、修復していきます。 最初に書きましたように、「熱さ」に引いてしまっても、相手の気持ちを理解し、それに想像力を伸ばせば、関係性は良くなることもあるのを、この作品は巧く示しています。