熱風
聴覚障害のある少年と病気で頭髪を失った少年が、テニスのダブルスを通じて互いと向き合う児童文学。
作品情報
熱風は、児童文学を軸に読者を作品世界へ引き込む。
聴覚障害のある少年と病気で頭髪を失った少年が、テニスのダブルスを通じて互いと向き合う児童文学。 受賞歴により再注目され、現在も著者の代表的な仕事として参照される。
レビュー要約
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題材への切り込み方と読みやすさが評価されている。一方で、扱うテーマの重さや独特の語り口に好みが分かれる読者もいる。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2008-02-29
- ページ数
- 239ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784062145039
- ISBN-10
- 4062145030
- 価格
- 599 JPY
- カテゴリ
- 本/絵本・児童書/読み物/童話・文学
ダブルスを組む孝司と中山。立ちはだかる敵よりも2人の熱い闘いから、眼が離せない! 第48回講談社児童文学新人賞佳作受賞作 聴覚障害を持つ孝司と病気で頭髪を失った中山は、中学2年生。あるテニスの大会で、この2人がダブルスを組むことになった。猛練習をするが、頑固で負けず嫌いの2人は反発するばかりだ。そして、試合数日前になって中山が雲隠れをしてしまい、とうとう試合当日になってしまった。中山がコートに現れることを、孝司はひたすら信じて待つが……。
レビュー
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耳が不自由な少年
耳が不自由な少年が馬が合わない(?)相手とダブルスを組み、テニスに打ち込みます。 健常者からの同情やら見下しやら。悔しい思いもいろいろあるのですね…。 第三者目線ではなく、主人公が耳が不自由というのはちょっと珍しかったかな。
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感動の押し売り
まとめると、意地の悪い健常者を障害者がテニスで努力して打ち負かすというもの。 わかりやすく言うと24時間テレビのドラマのような小説。 そもそも著者が聾学校の先生なので、このような小説を書いたようです。 努力する弱者を書けば誰でも感動します。聴覚障害者と皮膚疾患を持った少年が衝突しながら絆を深める。二人を繋げる熱血コーチ。子供のために懸命に働く親。役者は絵に描いたような造形。 そこから踏み込めない作者の筆力の弱さを感じます。 私の偏見かもしれませんが、教師あがりの児童文学者は大人や先生を理想的に書きすぎます。それは自分が、大人が、教師が、こうありたい、こうあって欲しいという願いなのかもしれませんが、現実はそうではありません。 結局、この小説も障害者は努力するもの、大人は導く者という定型的な側面しか書けていません。 24時間テレビのドラマを見て泣く人もいれば、感動の押し売りだと、冷めてしまう人もいるのです。
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夢中になることで得られるもの
地域のクラブに所属しテニスに打ち込む、聴覚障害で聾学校に通う中学2年生の孝司と、 難治性皮膚疾患を患う中山がダブルスを組み、試合に出場するまでを描いています。 第48回講談社児童文学新人賞佳作受賞作品。 黄色いボールを追いかけている時だけが本当の自分、 その時だけは嫌なこと、自分の力ではどうしようもない現実を忘れられる、そう思っている二人。 ダブルスには全く向いていない二人が、反目しあいながらも、 心を通わせて「試合に勝つ」というひとつの目標に向かってひたむきに突っ走ります。 周囲の偏見、両親との確執、いじめ、将来への不安など、ふたりを取り巻く現実はとても厳しい。 何度もくじけながらも、テニスのコーチや練習相手になっている大人たち、聾学校の友人に力づけられながら、 ダブルスペアとして、言葉少なに打ち解け合い、助け合っていく姿には、胸が熱くなります。 私もテニスに救われている一人、終盤の試合の場面では、二人を応援せずにはいられませんでした。