作品情報
2013年の受賞作として記録される『愛の夢とか』の書誌と作品概要。
『愛の夢とか』について、受賞一覧の記録、国立国会図書館などの書誌検索、および公開されている書籍データを突き合わせて整理した作品情報です。単行本または収録書籍の識別子が確認できた場合のみ bookIdentifiers に反映し、雑誌掲載情報だけで確認された識別子は採用していません。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2013-03-29
- ページ数
- 185ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784062177993
- ISBN-10
- 4062177994
- 価格
- 1029 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
『ヘヴン』『すべて真夜中の恋人たち』と一作ごとに新境地を開拓する川上未映子の多彩にきらめく魅力が一冊になった初・短編小説集! ・「アイスクリーム熱」 いつも同じアイスクリームを買いに来る彼に想いを募らせるわたしは・・・ ・「愛の夢とか」 ピアノの音に誘われて始まった、わたしと隣家の主婦との不思議な交流の行方は・・・ ・「日曜日はどこへ」 14年前に恋人と交わした約束の場所へ、ひとり出向いたわたしは・・・ ・「お花畑自身」 わたしが丹精して育てた愛しい花畑の庭が、あの女のものになるなんて・・・ ・「十三月怪談」 愛し合う夫婦の妻が病死した後、魂がみつめる夫の「その後」の風景・・・ ほか、女と男、女と女の関係の出会いと別れ、日常の裂け目を鮮やかに描き、こころ揺さぶる万華鏡のような7ストーリーズ。
川上未映子(かわかみ・みえこ) 1976年8月29日、大阪府生まれ。2007年、デビュー小説「わたくし率イン 歯ー、または世界」が第137回芥川賞候補に。同年第一回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』(文藝春秋)で第一三八回芥川龍之介賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわさされるわそらええわ』(青土社)で第一四回中原中也賞受賞。2010年、長篇小説『ヘヴン』(講談社)が紫式部文学賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。 2013年、詩集『水瓶』で高見順賞を受賞。他の著書に『すべて真夜中の恋人たち』など。
レビュー
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読みやすい文章で儚い世界観
映画「アイスクリームフィーバー」が面白かったので、 原作が収録されているこちらの本を買い、全て読みました。 アイスクリームフィーバーは15ページほどしかない非常に短い作品で、 主人公の性格など映画と大きく違う箇所がいくつかあり、別物としてサクッと楽しめました。 どの収録作品も文書が読みやすく、内容が流れるように頭の中に入ってきて、情景が浮かびやすいです。 儚げで繊細で、夢とうつつの狭間のような綺麗な世界観を楽しめました。 特に「お花畑自身」の主人公の独白としての文章は気品に溢れていて、貴婦人のような格式高い語り口がとても格好良かったです。 短編集ということで、飽きずに楽しめるので、 普段習慣的には読書をしない人には丁度いいと思います。
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良品
内容が良かった。
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独特な文体、世界観、おすすめです
初めて川上未映子さんの短編小説を読みました。 長編は過去に三作程読んでいますが、やっぱり独特な文体と世界観。面白いです。 特に「お花畑自身」。最後の一文が秀逸。わたくし率〜のように主人公が自覚のないちょっと変わった人、で他者との会話でその違和感が浮き彫りになっていく感じ、面白かったです。 最後の「十三月怪談」。 川上未映子さんの中では今までにないほどに生死について、愛について、ストレートに書かれているのでは、と思いました。 なにげなく最終章を読み始めましたがのめり込んでとまらず、涙も止まらず。最後にぶっ込んできたなぁ、と。 忘れられない話になりそうです。 映像化しそう、と思いましたが、川上未映子さんのこの独特な文体が良いので表現しきれなさそう。 色々書きましたが、川上未映子ワールドに浸れる本です、おすすめです。
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短編がちょうどいい
短いかなと思いながら読んでいたのですが、 読み終わると、不思議なことに、けっこうストーリーが頭に残ります。 作家の独特の世界観が好きですね。 食べた後に、消化するのに少し時間を要するって感じです。
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死と残された者
自分が死んでしまった後の儚い期待と現実を見ている描写が誰もが抱く気持ちをよく表現している。家を手放す話も残っている気持ちが固執であればあるほど現実と依存の関係を浮き彫りにして妙である
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東日本大震災を境に
著者の最近の傾向、詩と小説の間を漂う作品集です。 全て創作なのですが、私小説を思わせる上手さです。 ひらがなが多く、切れ目のない主人公の語りにリズムを合わせるのが大変です。 「三月の毛糸」は印税相当額が震災復興に寄付された「それでも三月は、また」に掲載された作品です。 大半の作品が大震災の影響を受けたようで、「愛の夢とか」死んでしまった人たちと 残された人がテーマのような気がしました。 巻末の「十三月怪談」は肝臓疾患であっけなく世を去る時子の語りで始まりますが 残された人々の思いを代弁しているような気がします。 涙腺の弱い人は通勤電車で読まない方が無難です。 秀作です。 ただし、通常の二倍は厚い紙で本を作るのはやめてほしいです。
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冒頭からのテキストがどれも良い
"それでも深いみどりの葉っぱのかげには小さく散った白い花びらが残っていて、わたしはそれを一枚二枚と手にうけて、何を記念するわけでもなかったけれど、何となく、日のあたる窓辺かならべてみた。"2013年発刊の本書は、谷崎潤一郎賞受賞作、ひそやかな孤独に満ちた著者初の短編集。 個人的にはすすめられて、また短編集を読みたいと思ったので手にとりました。 さて、そんな本書はバラの花を育てたのをきっかけに老婦人とピアノを通じた交流が始まる表題作の『愛の夢とか』アイスクリームを通じたわたしと彼の出会い『アイスクリーム熱』互いに好きな小説家が亡くなったニュースで、もしかしたら『日曜日はどこへ』など、いつまでも続くような日常にふとした光が差し込むような出会いが訪れる7つの物語が収録されているわけですが。 どの短編も冒頭からのテキストが秀逸で、すんなりと物語に引き込まれる感覚がとても心地良かったです。 また収録作だと、前述だと『日曜日はどこへ』の非日常が始まりそうで日常に戻っていく感じ。また、どうしても著者自身と登場人物を重ねてしまう(笑)『お花畑自身』が面白かったです。 テキストが流れるような秀逸な短編集として、また日常系物語が好きな方にもオススメ。
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女性の心の襞を伸ばして伝えようとする様は狂気のようですらある。
#愛の夢とか #川上未映子 川上未映子さんの本は読むのに時間がかかる。薄いのに10日ほどかかったし、#乳と卵 も2週間ほどかかった。並行して読んでいる#夏物語 は1か月半経つのにまだ1/3くらいだ。 #伊坂幸太郎 さんのなら文字が大名行列になって目の中に飛び込んでくるのに、川上未映子さんの文章はスライムみたいで目の表面に当たり、はじかれる。文章のリズムが違うのだろう。 ひらかなが多かったり、句読点が少なかったり、こころの襞をぎゅーっと伸ばして赤裸々に綴る心情は読んでいて苦しくなることもしばしばだ。女性らしい繊細な心、内向きなそれは一種の狂気のようでさえある。 その狂気は本作の短編の #お花畑自身 #十三月怪談 で発揮される。ここまで内面に向き合える女性はそういない。 #谷崎潤一郎賞 受賞作 あ、やっぱり!
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