日本の文学賞

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かさねちゃんにきいてみな

日本児童文学者協会新人賞

かさねちゃんにきいてみな

有沢佳映

『かさねちゃんにきいてみな』は有沢佳映による作品で、受賞として記録されている。受賞情報と書誌情報を照合し、作品単位の紹介として読めるよう、題名から伝わる主題と受賞作としての位置づけを中心に整理した。

受賞作現代文学書誌確認

作品情報

有沢佳映『かさねちゃんにきいてみな』の受賞作情報と書誌状況を整理した作品紹介。

Amazon JP、NDL OPAC、出版社公式ページを確認対象として、NDL OPACで『かさねちゃんにきいてみな』の図書書誌を確認した。日本の紙書籍の原則に従い、ISBN-10とASINは相互補完した。 作品紹介は、受賞回に記録されたタイトルと著者情報を基礎に、入手可能な書誌情報と照合してまとめた。

レビュー要約

  • 受賞作としての記録を起点に読まれる作品で、題名と著者の組み合わせから作品単位の関心が確認できる。読者反応の数値化よりも、書誌の確定性と受賞文脈を重視して整理した。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2013-05-22
ページ数
298ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 2 x 19.5 cm
ISBN-13
9784062183253
ISBN-10
4062183250
価格
186 JPY
カテゴリ
本/絵本・児童書/読み物

かさねちゃんがすごいのは、オレたちに、リュウセイにさえ、一度も、うんざりって顔をしないとこだ。ちがうな、ほんとにすごいのは、どうもほんとに、かさねちゃんはぜんぜん、リュウセイにも、この班のメンバーにも、うんざりしてないってこと。 オレなんかしょっちゅう、いろんなことにうんざりして絶望すんのに。 かさねちゃんが絶望を知らないはずはない。だってオレより一才長生きしてるんだから。 ──本文より。 オレ、こと5年のユッキーは来年、登校班の班長になることが確定して絶望している。現在の班長は、「ちゃんとして」の魔法の言葉で皆が一瞬で大人しくなる、6年でカリスマ班長のかさねちゃんだ。 そのかさねちゃんを先頭に、1年で暴れん坊女子のミツ、2年で人見知りののんすけ、2年と3年で忍者マニアの兄弟・太郎と次郎に、4年のギャル系マユカと問題児リュウセイ、そして最後に5年で副班長のオレ、ユッキーが列をつくって登校する、間宮小・南雲町二班8人の子どもたちの毎朝の歩みを描く。 年齢も、家庭環境も、性格もてんでばらばらな小学生たち8人が、毎朝いっしょに騒がしく登校する様子がユーモラスで繊細な文章で生き生きと書かれています。 小学生って、たった数ヶ月でこんな風に自分とは全然違う他人たちとの関わりあいの中でそれぞれ着実に成長していくのだ、と納得させられる圧倒的なリアリティがあり、優しくありたい、賢い大人になりたい、と前向きな気持ちになれる爽やかな感動作です。

有沢佳映…・1974年生まれ、昭和女子大学短期大学部卒業。群馬県在住。『アナザー修学旅行』で第50回講談社児童文学新人賞を受賞。

レビュー

  • 小学生のイマ、イマドキの小学生の姿が立ち上がる

    「『子どもの貧困』の問題を考えるときのヒントのようなものがこの本には描かれている」(児童文学作家・加藤純子さん)――そんな書評にひかれて読んだが、本当に素晴らしい作品。 しっかりした6年生女子・かさねちゃんが班長をつとめる登校班の登校時の様子が日記形式でつづられる。ほぼ全編にわたって舞台は通学路。語り手は、かさねちゃんに憧れる5年男子ユッキー。 交わされる会話が面白い。「カッコイイ言葉しりとり」「コワイ言葉しりとり」のバカバカしさ。毎朝すれ違うポメラニアンは、やたらと吠え、いつも飼い主に引っ張られて二足歩行で視界から消える。通学路のお地蔵さんに、毎日願をかけるのがユッキーの日課だが、ほとんどは溜息まじりのボヤキだ。何ともコミカルでたくみな描写に、ゲラゲラ笑いながら読み進めてしまう。 班員はみな個性的。母親からネグレクトされているっぽい4年男子、衝動的行動が理解されず他の班から追放されてしまった1年女子などもいる。その子たちが通学中によそ様に迷惑をかけたり、他の登校班とトラブルになったりしたときの、かさねちゃんの采配が見事。 子どもたちの親や地域のおとなたちの様子も描かれる。寄り添ってくれるおとなもいれば、困っている子・親に対してまゆをひそめヒソヒソ噂するだけのおとなもいる。そういうなかで、いつしか子ども同士が、結束や相互への愛着を育んでいく。 子どもは友だちの中で育っていくし、すごい力を持っているのだと改めて感じさせられた。 いろんな困難にぶつかっている子どもたちのそばに、理解し、向き合ってくれる誰かが必ずいますようにと願う。

  • これぞ小学生小説!

    小学生の時、私は登校班が無かったんですが、懐かしい方も多いかな? このお話は、その登校班での約1カ月半の出来事がつづられています。 言い換えれば、それしかない!! 班員は8名ですべて個性的。そしていまどきの親子関係のパターンをまあまあ抑えた設定で、登校班で通う小学生を持つ親としては、あるある!なんて思いながら読み進み、最後はホロっとしてしまいました。

  • かさねちゃんのかっこよさにシビれる!

    舞台作品の原作ということで興味を持ち、借りて読んだ後、たまらず自分でも購入。舞台もすばらしかったのですが、やはり原作がすばらしい。5年男子ユッキーが語り手で、この年頃の男の子の感情の表現がとてもリアルです。子どもが主人公でも、大人の視点で説明的な描写のものは結構多いと思いますが、この作品はほんとに子どもの感じているままに表現されている気がします。5年生の目から見た、憧れ、正義、不条理・・・。ネグレクトの子に対する心情も、単にかわいそう、でもなく説明がましくもなく、状況に対する違和感や怒り、言いようのない感情が子どもの説明できない思いとしてそのまま伝わってきて、大人としては苦しくなります。かさねちゃんのかっこよさには、子どもが読んだら素直にシビレるんじゃないかと思うし、大人の私でも、かさねちゃんにあこがれるし、子どもたちの毎日の騒々しさ、ばかばかしさはとにかく愉快で、「そうそう、こんな感じだった!と」懐かしさがこみ上げてくるし、ユッキーの悩む姿には、「うん、うん、でも大人になったらわかることもあるよ・・・」と、胸が苦しく、せつなくなって、とにかくもう、嗚呼、子どもたちみんなが幸せな世の中でありますように!!と願わずにはいられなくなります。名作です!

  • キャラクターが魅力的すぎる

    以前に図書館で借りて読んで以来、時たまふと思い出しては「あれ面白かったなー」と反芻。そして買ってしまいました。美化されてるんじゃないかと思ってだけど、久しぶりに読んだこの本は、やはり最初に読んだ時と変わらず魅力的でした。 でもこの魅力は大人にとってであって、現在進行形の 児童にとってはどうなんだろう?

  • 小学生におすすめ

    地元の劇団が、小学校で公演したお話の原作ということで購入しました。 近所の子供達が一緒に登校する “登校班” のお話。 班長さん、副班長さんの経験がある高学年のお子さんなら、うなずける箇所も多く共感できるのでは? おすすめです。

  • 小学生の登校班

    小学生の登校班のお話。 けっこう問題児のいる登校班なのだけど、かさねちゃんの名班長っぷりがすごい。 みんなのやりとりもおもしろい。 登校班の話ってそんなにないので珍しいね。

  • リアル小学生小説

    帯に書かれたこのキャッチコピーはがぴったりです。 かさねちゃんの圧倒的な存在感をたっぷり楽しみながら読みました。 文句なし☆五つ!

  • 小学生をリアルに体感

    この本は、登場人物の描写がリアル過ぎて とっても面白かったです。 小学生の視点ってこうだったかも・・・って 自分も小学生になった気分になれました。 こういうやつ、いるいる!!!!! って感じに感情移入できました。 そして、エグい内容に触れつつも 読みながら何度も思わず吹き出してしまうような、 楽しい本だったのですが、 最後はちょっと泣き笑いな感じになりつつ ほんわかあったかい気持ちになれました。

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