日本の文学賞

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異類婚姻譚

芥川龍之介賞

異類婚姻譚

本谷有希子

日常の細部から人物の違和感や孤独を掘り起こす純文学作品。語りの距離感と生活感のある描写を通じて、家族、労働、身体、共同体といった問題を静かに浮かび上がらせる。

受賞作人間関係記憶社会葛藤

作品情報

異類婚姻譚は、受賞作としての輪郭を通じて、人物と社会の関係を見つめる作品である。

本谷有希子の『異類婚姻譚』は、受賞として記録されている作品である。受賞記録、公開書誌、関連情報を確認し、単行本として確認できるものは識別子を記録した。単独書籍として確認できない作品については、掲載誌や雑誌号の識別子を代用せず、作品紹介と入手状況を分けて整理している。

レビュー要約

  • 人物描写と主題の明確さを評価する声がある一方、静かな展開や重い題材をじっくり読む作品として受け止められている。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2016-01-21
ページ数
166ページ
言語
日本語
サイズ
2.54 x 13.72 x 19.05 cm
ISBN-13
9784062199001
ISBN-10
4062199009
価格
900 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」――結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作ほか、「藁の夫」など短編3篇を収録。大江健三郎賞、三島由紀夫賞受賞作家の2年半ぶり、待望の最新作!

本谷有希子(もとや・ゆきこ) 1979年生まれ。2000年、「劇団、本谷有希子」を旗揚げし、主宰として作・演出を手がける。2006年上演の戯曲『遭難、』により第10回鶴屋南北戯曲賞を史上最年少で受賞。2008年上演の戯曲『幸せ最高ありがとうマジで!』により第53回岸田國士戯曲賞受賞。2011年に小説『ぬるい毒』で第33回野間文芸新人賞、2013年に『嵐のピクニック』で第7回大江健三郎賞、2014年に『自分を好きになる方法』で第27回三島由紀夫賞を受賞。他の著書に『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『あの子の考えることは変』『生きてるだけで、愛』『グ、ア、ム』など多数。

レビュー

  • どこかで「芥川賞・直木賞落選ブックフェア」やってくれないかな

    こんなに「わけのわからない話」を読んだのは久しぶり。 中篇が1つと短篇が3つ収録されている。解説者はいずれの作品について共通するのは「家庭」の暗喩ではないかと記しているが、ぼくはこういう「わけのわからない話」を「寓話」「暗喩」「メタファー」を用いて読む派ではないので、そのまま読む。 夫婦は似てくる、という前振りから夫の顔、やがて妻の顔が歪みはじめ、ついには夫が花になる表題作「異類婚姻譚」。ある日、主婦が「世界はクイズ番組だ」という気づきを得る「トモ子のバウムクーヘン」。凍った湖のなかで踊る白い犬たちと冬山で暮らすと人びとが消失していく「〈犬たち〉」、藁でできている夫が、妻がつけた車の瑕について怒るうちに藁のなかから小さな楽器が零れ落ちてくる「藁の夫」。 と、確かにシチュエーションやストーリー、描写は「わけがわからない」。で、さっきも言ったとおりぼくは「わけのわからないものはわけのわからないまま読む」スタンスで、読書自体は「わけわからんが面白かった」のだが、読み了えたあと、びっくりするほど感想がなく、これは作者がどうしてこの小説を書いたのか、その「理由(わけ)がわからない」からだと気づいた。このわけのわからなさをわかるためにもう何冊か著者の小説が読みたくなりました。

  • 居心地の悪い話を扱っていながら、なんて爽やかなんだろう。

    さわやか、と感じました。毒の含まれた、気持ち悪い話、のはずなのに。なんだろう、これ。もっと、もっと、本谷有希子作品を読みたいと感じてしまいました。 風景描写が秀逸で、場面が目に浮かぶようで、とにかく読んでいて心地がいいのです。公園とか、ドックランとか、商店街とか、マンションの部屋の様子とか、山の描写とか、その世界に住みたくなるような、すごくいいかんじなんです。 話自体はホラー寄りで、シュールなのですが、文章がほんとうにいい。すっかりハマった感じです。

  • 賞を獲ったので

    賞を取ったので買いました。 作者は『彼氏彼女の事情』に声優として出演もしていましたし。

  • 残念

    気の迷いで買ってしまった。

  • 怖い怖い

    面白かったというか怖かった… 結末ははっきりわかんなんないねど <ネタバレ注意> 世の中に疲れて空気が合わなくて疲れて何もかも面倒くさくなって自殺しちゃったってこと? 結婚ってそういう側面あるよね? サイコーに経済的に成功した週末婚じゃない限り 病気になったり何か不安があれば完全共倒れで運命共同体って気はする もはや欠点とか正義言ってられないって一つの生命体みたいで怖い怖い

  • ちょっと気持ち悪くなりました

    後半、ちょっと気持ち悪くなりました。夫婦って気持ち悪いかも。。。 どんどん似てくる夫婦っていますよね。

  • 最後のさいごに肩すかしをくらった

    とても読みやすく、こころに刺さる文章が多くありました。 読みながらこれは☆5だと思っていたのですが、最終ちかくで解せない展開になってしまいました。 以下、盛大なネタバレ感想になりますので未読の方はお気をつけください。 夫婦で互いに輪郭がまざりあっていく。山へ猫を捨てにいく。読み進めていくと、どんどん不穏な空気にからめとられていきます。夫の揚げる天ぷらを疎ましく思いつつ、いざ口にすると夢中になって食べるくだりも、その夫と自分との関係性が逆転しつつ同化していくエピソードもぞくぞくしました。 これは凄い作品に出会えた! そう思っていたのですが、最後のさいご。夫が妻の叫びで「花」になるのは解せませんでした。 登場人物が、芋虫になろうが虎になろうが構いません。古今東西の作品で散々書かれています。 しかし花になるは肩すかしでした。喰らいたい、混ざり合いたいと思う程の強い葛藤を、植物になった夫からは感じられなかったからです。 散々「蛇」のくだりがでてきたのですから、せめてミミズだったら。いや、長ものでなくとも、地を這う生き物であったならば納得はできたのですが…… 人生に疲れた中年が、望んだら綺麗な花になれるのならば。それはあまりにも、たやすい生き方です。人としての葛藤や苦悩はすべて置いてしまえる、随分楽な選択だなと思いました。 文章はおそろしく好みです。解せないのは最終エピソードのみなので、多分何度でも読み返してしまいそうです。そのなかで「花」となる部分がいつか自分なりに理解できれば。そう願ってしまいます。

  • 夫婦の間の自他境界の変化

    家庭の中で起こる不思議な出来事を扱った小説が4編収録されている。表題作は夫婦の間の自他境界の変化を、3組の夫婦の対照から浮かび上がらせたものなのではないかと読んだ。解説ではまた違った解釈がされていて、寓話的な物語の面白さを感じた。

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