作品情報
大江の謎を、日本文学の足場から読み直す。
講談社刊の評論書。長年大江を追ってきた尾崎真理子が、作品に潜む日本文学の系譜を読み解く。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2022-10-20
- ページ数
- 320ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14 x 2.7 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784065284445
- ISBN-10
- 4065284449
- 価格
- 2750 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
謎だらけのポストモダン小説の先駆『同時代ゲーム』はなぜ書かれたのか。自伝的要素の強い『懐かしい年への手紙』に登場するギー兄さん、『燃えあがる緑の木』の新しいギー兄さんは、なぜ「ギー」なのか。大江健三郎の全小説を精読し、柳田国男の影響を確信した著者は、大江と柳田の深い関係を探っていく。しかし、大江の謎は柳田のみならず、『万延元年のフットボール』と島崎藤村『夜明け前』との類似点へと行き着き、いつしか不思議な親和性を持つ文学者のつながりは平田篤胤へと辿りつく。これまで海外文学の影響下において読み解かれてきた大江健三郎文学に、深く根を下ろした日本文学の伝統とは一体何か。大江研究の第一人者が読み解く、知的好奇心に満ちた快著!
1959年宮崎県生まれ。1990年初頭から読売新聞記者として、大江健三郎氏へのインタビューや評論執筆を続ける。『大江健三郎 作家自身を語る』(2007年)の聞き手、構成を務めた。著書に『現代日本の小説』、『ひみつの王国 評伝石井桃子』(芸術選奨文部科学大臣賞、新田次郎文学賞)、『詩人なんて呼ばれて』(谷川俊太郎氏との共著)、『大江健三郎全小説全解説』など。2016年度日本記者クラブ賞受賞。
レビュー
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深すぎる読み
大江の本を殆ど読んで来たが、柳田国男、島崎藤村、平田篤胤の影響と魂の共振、リスペクトが蔵されているとは思いもしなかった。尾崎さん自身の幅広い読書と大江への傾倒、精読があってこそ生まれた本。深すぎる読み込み。そして大江の深く広すぎる読書、師と見定めた人たちへの尊敬と受け継ぐ意志。すばらしくスリリングな本。
関連する文学賞
- 読売文学賞 第74回(2022年) ・受賞