作品情報
滅びゆく世界に残された、彼女の歪んだ正義と私の希望。
小惑星衝突で壊滅へ向かう世界で、教習中の少女が遺体を発見し、元刑事とともに最後の謎を追う。第68回江戸川乱歩賞受賞作。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2022-08-24
- ページ数
- 368ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14.2 x 2.7 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784065289204
- ISBN-10
- 4065289203
- 価格
- 1466 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
2022年ミステリランキング席巻中 「王様のブランチ」「ひるおび」「日曜日の初耳学」で紹介されて続々重版! 第68回江戸川乱歩賞受賞作。 史上最年少、選考委員満場一致。 「大新人時代」の超本命! 本格ミステリーの骨法もよく心得ている――綾辻行人 特A、もしくはA+、もしくはAA――月村了衛 二人の女性のバディ感が最高に楽しい――柴田よしき 極限状況で生きてゆくひとが、愛しくなる――新井素子 非日常を日常に落とし込む、その手捌きは実に秀逸である――京極夏彦 ―滅びゆく世界に残された、彼女の歪んだ正義と私の希望 正義の消えた街で、悪意の暴走が始まったー 小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始める――。
1998年福岡県生まれ。九州大学文学部卒。2022年第68回江戸川乱歩賞を本作で受賞しデビュー。
レビュー
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さすが「江戸川乱歩賞」という内容
尖りすぎた設定ゆえに胡散臭く感じてしまう人がいるかもしれませんが、あらすじを読んで少しでも興味が湧いたのであれば、文章も読みやすいのでサクッと読めるのでお勧めです。
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ラストシーンで味わえる感慨はこの物語りを読み通した人のみが享受できる
小惑星の衝突予測が発表され、滅びを目前にした人々はパニックに陥る。 そんな中、淡々と日常を送る主人公。 彼女が女性の遺体を発見したことから始まるミステリー。 面白かったです。 ただ、頭に特大の重しが乗っかっていて、それは最後まで続きます。 大団円なエンディングを読みたい方には向いていないかも。 自分はミステリーをそれほど読んでいるわけでもないので、これから書く感想は、そう言う人が書いたものだと思って読んで頂くと有り難いです。 登場人物のキャラクターがそれぞれ際立っていました。すごくわかりやすかったです。 それゆえになのかも知れませんが、自分の場合は主人公に感情移入できるまで時間がかかりました。主人公の性格に少し癖を感じたのです。主人公のあの複雑な感情は、極限状態に置かれているからこそなのかも知れませんけど。 物語りが進むにつれ、主人公の仲間が増えてゆきます。最初のうち、この主人公は人と打ち解けにくい性格なのかなと思っていたのですが、そうではないのだなと思うようになりました。ただ、壁がある。主人公の心の中に。他人との間で。実はこれが伏線なのです。多分ですけど。 主人公の最初の仲間は教習所の先生でした。この先生がいわゆる探偵役で、主人公はその助手と言った役回りです。この先生、強いですね。強すぎます。でも、これも伏線。多分。 極限状態に置かれた人々の様が、主人公の行動範囲が拡大するにつれ、つまびらかにされていきます。警察官、犯罪者、取り残された人々。正義感で残った人もいれば、他人を利用して生きようとする人もいる。穏やかな人々もいれば、そうでは無い人も。 犯人が誰かはもちろんこの感想では書きません。でも、分かる人にはわかる。ある意味わかりやすい。 この物語りで一番感動したのは終盤近くの110番に従事する人々についての記述です。あのくだりで、作者氏は警察機構を信頼しているのだなと思いました。この予想、当たっているのかはわかりませんが。 そしてラスト、あのシーンで味わえる感慨は、この物語りを読み通した人のみが享受できるものだと思います。それを知りたいと思ったあなた、是非、この物語りをお読みください。
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微かに著者の思想が混じっている
人物描写に深みが無いと言うレビューもあるが、著者の年齢を考えると良くかけてる方だと思う ただ、所々に作者の思想の「香り」がするので、好き嫌いがあるかも(臭くてたまらんと言うほどではないが) まあ、作品と思想発表の場を分けれないのも若さ故でしょう それなりに楽しめました
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好き
メランコリアの様な終末世界で起こった殺人事件の犯人捜しをするというのが面白い。 登場人物は少ないが、その分キャラクタの掘り下げは各人じっくり行われており、最後には感情移入したしまった。ドライな世界観と語り口ながら爽やかな結末を迎えたのはひとえに著者のおかげ。読んでいてストレスの無い文体だし、確かに注目新人と騒がれるのも納得。
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今風サスペンスドラマ
新人らしい初々しいサスペンスというのが読後の感想。文章は癖がなくラノベ感覚で読める。ちょいネタバレっぽくなるが、主人公の主体描写で進行しているのに、あえて描写していない部分があり、そういった部分を読み返えさなきゃって思う感じも、ちゃんとしたサスペンスなんだなと思いました。 地元福岡市圏内の地域描写が多く、ご当地めぐりサスペンスドラマっぽい部分があり、福岡ロケ地で映画化して欲しいなと思いました(グロいけど)
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設定はもちろん登場人物が魅力的だった
あと2ヶ月で人類が滅ぶのになんで殺人?と思ったがその動機も面白いものだった。 主人公の推理、バディを組んでる先生の推理、読み進めていくうちに嫌な予感が頭をよぎりどうなってしまうんだろうと気になって読む手が止まらなかった。 魅力的な登場人物が多くて、特に光は暗い話を明るくしてくれる まさに「光」という感じがして読んでて飽きなかった。 会社のトイレで光が退場するところを読んでしばらく動けなくなってしまうくらい光は魅力的なキャラクターだった。 光が話してて特に好きな言葉が、 俺たちが奈々子を悲しませないためにはどうしたらいい と言っていたこと。光なりの優しさが出ておりとてもよかった。 犯人に関しても序盤でしっかり登場する頼りになりそうな人というのが「やられた」感が合ってよかった。 私があまり推理小説を読まないのもあってか時系列がわからなくなりそうだったので これからは軽くメモをしながら読みたい
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奇をてらうことのない筆致に好感
小惑星が地球に衝突することが確実となった世界。しかも衝突予測地点は日本。 失われた未来を悲観して自ら命を絶つ者も数多く、警察をはじめとする公的機関も崩壊に等しい街で、何故か一人の生徒に対する自動車教習が行われている。 担当する教官もまた一人だけ。教習を終えても運転免許を取得できる可能性はない。 そんな「此の世の果て」で発生した複数の殺人事件に二人は関わりをもつことになる。否、運命的に関わっていくというべきか。 物語の舞台や登場人物についての設定に目新しさは感じなかったが、奇をてらうことのない筆致に好感を抱き、最後まで読み通した。 「…刑罰というのは法と社会のために与えられるものなんですよね。社会は死んじゃいましたから、もうどうしようもありません。…」 この台詞の主の心情は幾分掘り下げて欲しかったという思いもあるが、これは書き手から読み手に委ねられた大切な「余白」なのかもしれない。 第68回江戸川乱歩賞に輝く佳作は、満場一致の評価に相応しい読み応えの作品だった。
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罪と罰
いわゆる日本版ラスアスと言ったところだろうか。若い先生なのに罪と罰の問題に取り組んでる様子がうかがえる。いや、若さゆえに人間の本質(の一部)に迫ろうという姿勢が真剣であり若々しくもある。ミステリーと言う形態をとっているが我々がどの様に生きていくかの模索の書でもある。是非、若い人には手にとってほしい。
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- 江戸川乱歩賞 第68回(2022年) ・受賞