作品情報
知能を持つゴリラのローズが、人間に夫を奪われた怒りから裁判を起こす異色のミステリー。
知能を持つゴリラのローズが、人間に夫を奪われた怒りから裁判を起こす異色のミステリー。。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2023-03-15
- ページ数
- 336ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.5 x 2.3 x 18.8 cm
- ISBN-13
- 9784065310090
- ISBN-10
- 4065310091
- 価格
- 1880 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
カメルーンで生まれたニシローランドゴリラ、名前はローズ。メス、というよりも女性といった方がいいだろう。ローズは人間に匹敵する知能を持ち、言葉を理解する。手話を使って人間と「会話」もできる。カメルーンで、オスゴリラと恋もし、破れる。厳しい自然の掟に巻き込まれ、大切な人も失う。運命に導かれ、ローズはアメリカの動物園で暮らすようになった。政治的なかけひきがいろいろあったようだが、ローズは意に介さない。動物園で出会ったゴリラと愛を育み、夫婦の関係にもなる。順風満帆のはずだった――。 その夫が、檻に侵入した4歳の人間の子どもを助けるためにという理由で、銃で殺されてしまう。なぜ? どうして麻酔銃を使わなかったの? 人間の命を救うために、ゴリラは殺してもいいの? だめだ、どうしても許せない! ローズは、夫のために、自分のために、正義のために、人間に対して、裁判で闘いを挑む! アメリカで激しい議論をまきおこした「ハランベ事件」をモチーフとして生み出された感動巨編。第64回メフィスト賞満場一致の受賞作。
須藤古都離(すどう・ことり) 1987年、神奈川県生まれ。青山学院大学卒業。2022年「ゴリラ裁判の日」で第64回メフィスト賞受賞。
レビュー
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読み終えると、世界が少し変わる
とてもお勧めの一冊。 奇抜な設定の奥に、私たちが見落としてきた問題を静かに突きつけてくる物語だった。 難しい理屈を並べず、物語そのものが考えるきっかけをくれる。 読後は、コミュニケーションの見え方が少し変わる一冊。
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法と人間の〈ずれ〉を抉る寓話的法廷劇
本作『ゴリラ裁判の日』は、寓意と現実が重層的に交錯する法廷小説である。著者は滑稽な設定を契機として、法制度と倫理感覚との亀裂、さらには群衆心理の脆弱さを冷徹に描出する。語り口は軽快でありながら、ブラックユーモアの裏に潜む不条理を的確に示すことで、読者に反芻を促す構成となっている。法哲学、社会倫理、現代日本文学の交差点に興味を持つ読者にとって、本書は議論の契機を豊富に提供する佳作である。
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「人権」
ゴリラ視点で見ると、人間がいかに文明・文化という「檻」に囚われた生き物であるかがよく分かる。なお、小説中の裁判では人権について争われるが、「人権」とカッコつきで書いたほうがいいかも。「人権」は確固とした概念ではなく、いまだに曖昧としたものなのだ。
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面白い
ラジオで紹介されて、奇抜な題名に惹かれて読みました。 題名がしっくりくる内容で、面白かったです。
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良いと思います。
良いと思います。
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ゴリラのような人間、人間のようなゴリラ。。。
もしも、ゴリラが言葉を話せたら。。。 もしかして、世の中が変わるかもしれません。 人類だけが人間ではないと定義すれば、真の多様性が広がるような気がしました。
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二つの魅力
この本の魅力は主に二つあると思います。一つは、ゴリラの生態を「ゴリラ目線」で描写できているところです。私はホモサピエンスなので、綿密に言えばゴリラ目線が如何なるものかを合理的に説明できませんが、不思議と「これこそがゴリラ目線だ」と思わせる何かがあります。そこが魅力です。二つ目は、この本の大罪はゴリラですが、恐らく先述した「思わせる何か」が、裁判の結末とそこで戦うゴリラの姿によって、ホモサピエンスの中にも同種同根の課題があることを想像させてしまう魅力です。
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読みやすい
読みやすかったけど、過度に期待しない方がいいですよ。
関連する文学賞
- メフィスト賞 第64回(2023年) ・受賞