作品情報
針と糸で、家族の輪郭と自分の輪郭を縫い直す。
集英社文庫版として流通する長編。男らしさや女らしさの枠に収まらない感覚を、家族の会話と手仕事の場面で描く。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2023-05-19
- ページ数
- 264ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.5 x 1.2 x 15.2 cm
- ISBN-13
- 9784087445213
- ISBN-10
- 4087445216
- 価格
- 693 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
いま一番届けたい 世の中の〈普通〉を踏み越えていく、新たな家族小説が誕生! 「そしたら僕、僕がドレスつくったるわ」“かわいい”が苦手な姉のため、刺繍好きの弟は、ウェディングドレスを手作りしようと決心し――。 手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている高校一年生の清澄。一方、結婚を控えた姉の水青は、かわいいものや華やかな場が苦手だ。そんな彼女のために、清澄はウェディングドレスを手作りすると宣言するが、母・さつ子からは反対されて――。「男なのに」「女らしく」「母親/父親だから」。そんな言葉に立ち止まったことのあるすべての人へ贈る、清々しい家族小説。第9回河合隼雄物語賞受賞作。
レビュー
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良い作品
国語入試問題の題材に使われることが多いので、最後までしっかり 読みたくて購入。 高校生の主人公、姉、父親など、いろいろな視点から書かれているので、 複合的な視点を持つ重要性を実感できるうえ、悩み多き高校生の生き方も 大学生までの読者には共感できて有益だと思います。 最後が良い終わり方なので、読了後も爽やかな気持ちになれます。
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失敗する自由をめぐる物語
清澄は刺繍が好きな高校生。 刺繍が好きな自分に彼自身が戸惑うことあるけれど、基本的には好きな手芸にまっすぐに取り組んでいる。 母は離婚経験があるからか、手芸が好きなことで清澄が学校で浮かないか、 アパレルの道は険しいので息子がその方法に進んでしまわないか、 息子の人生が失敗しないか、気が気でない。 姉の水青は清澄とは正反対の堅実で慎重な性格。 失敗するのを過度に恐れている場面も散見される。 祖母は大らかな性格で、心配する母に「失敗する自由」を説く。 1話ずつの連作で、家族のそれぞれの立場から、失敗する自由をめぐった物語が展開されている。 私には子どもがおり、子どもが失敗しないようについつい先回りしてしまうことは多々ある。 子どもに大きな失敗をする自由があるとは思っていないが、 子どもに小さな失敗をたくさん経験させることが 大きな失敗を防ぐことにつながると思う時はある。 でもやっぱり先回りしてしまう時もある。 失敗する自由について考えさせてくれる良書だ。
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凄く良い
大好きなら小説で、大切な人への、クリスマスプレゼントにました(*^^*)
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折り重なる光景の美しさ
家族一人一人のエピソードは最初は我儘もキツさも感じたりして好きになれないキャラクターも居たのが、 折り重なって一つの家族、関係性や思いやりが見えてくるのがとても美しく思えた。 その象徴となる物は最後には本当に感動的だった。 ぜひお勧めします
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今様に 生きる家族
ちなみに 刺繍を布に施すことは、《刺繍糸を挿す》っていいませんか?すみません水を差すようなことを 云って。主婦でないとそこまで細かく伝わらないだろう的な場面の描写も 嫌味なく解されて 読みやすかったです。5年後の この家族の様を 又、書いてください。
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心に響く素敵な台詞が、あちこちにあります。初めて読んだ寺地はるな作品。胸揺さぶられる一冊になりました。
寺地はるなさんの本を読んだのは、これが初めて。胸が熱くなりました。家族の六人──刺繍するのが大好きな高校生の〈キヨ〉こと松岡清澄(まつおか きよすみ)、姉の水青(みお)、母親のさつ子、祖母の文枝(ふみえ)、母と離婚した父親の全(ぜん)、父の面倒を見ている黒田さん──それぞれのキャラクターが巧みに描き出されていたところ、彼らをつなぐ絆にしみじみと共感させられたところ、とても良かったです。 素敵な台詞も、いっぱいあったなあ。いくつか抜き出してみます。 《ひとりでぽつんと弁当を食べるのは、わびしい。でもさびしさをごまかすために、自分の好きなことを好きではないふりをするのは、好きではないことを好きなふりをするのは、もっともっとさびしい。》p.40 《ちゃんと好きなものがある。それがあの子の芯になる。どうにでも生きていける。》p.111 《でも好きは好きで、仕事に関係なく持っときたいなと思うねん、これからも。好きなことと仕事が結びついてないことは人生の失敗でもなんでもないよな、きっとな》p.228 《僕が刺繍をするのは、ただ、楽しいからや》p.232 《自分と違うやりかたを選ぶ人を否定するような生きかたを、僕はしない。したくない。》p.234 本書を手にとったのは、よく行く県立図書館に置いてあったパンフレット『埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2020』の第3位に、本書が選ばれていたから。それと、定期購読している月刊誌『本の雑誌』にて、書評家の北上次郎氏がしばしば取り上げて熱く語っているのが記憶にあったから。 読んでみて、とっても良かったです。心を揺さぶられました。 寺地はるなの本、あれこれ読んでみたい思ってます。
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子どもから大人まで
筆者の伝えたいメッセージがわかりやすい。ただ、大人から見ると、メッセージ性が強すぎる印象もある。 性別や年代、時代背景を含め、登場人物の思い出話がリアルで、共感の嵐だった。 子どもの朝読書用に買ったのだが、先に読んだ自分が何度も泣いてしまった。大人も心を揺さぶられるのだから、中高生も、何かの気づきがあるはずだ。
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読後感がさわやか
相手を大事に思う行動が、どんどんつながっていき、水を縫い上げるところに引き込まれます。自分はそんなにキラキラしていないと思っている人たちが、人生に真摯に向き合っていて、読んだあとに清々しい気持ちになります。
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