作品情報
故郷のファミレスで、25歳の再出発が始まる。
第23回小説すばる新人賞受賞作。地方の店で働く若者の停滞と再生を描く。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2013-05-17
- ページ数
- 320ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.7 x 1.4 x 15.2 cm
- ISBN-13
- 9784087450699
- ISBN-10
- 4087450694
- 価格
- 76 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
勤め先で左遷され、6年ぶりに故郷に戻った25歳の善幸。職場、家族、友達、恋人……様々なしがらみが彼に降りかかる。現代の若者をリアルに描いた第23回小説すばる新人賞受賞作。(解説/北上次郎)
レビュー
-
「どうかみんな幸せになってくれ」
・午前零時のサンドリヨン(相沢沙呼著) ・理由あって冬に出る(似鳥鶏著) といった、クラスメイトの女の子の一挙一動にドキドキする・・・“青春”学園ミステリーものを 立て続けに読んだ後、ちょっとジャンルの違うものを・・ということで、本作を手にしました。 こちらは一転、あっさりと「セックスをする」・・・、う~~ん・・・・・。 でも、これもまた、若者の一面。いやいや、いい歳こいた年代においても・・・か。 自分なんぞも、長く片田舎の地方都市で、ちょっと業種は違うものの、24時間営業の コンビニで、長く店員をしておりました。小さな店で働く閉塞感・・・、息苦しいくらい思い 出されてきます。 本作では、昼間のシフト(勤務)に入る主婦パートの方々は一切登場せず、ばっさり 描写が切り捨てられておりますが、それもまた「独身者」「既婚者」の“見えざる壁”を 思い出させられる材料です。 解説で北上次郎氏が、 「・・・どうかみんな幸せになってくれ、といつも願ってしまうのだが、・・・・」 と書かれておりますが、まったく同感。 ついつい、「どうかみんな幸せになってくれ」と願いつつ、読んでしまいした。 そういう意味では、「不幸役」というか「悪役」というか、二人の登場人物が ストーリーから退出していくのが、大きな不満。 これをもって、☆減しようかな~と思ったのですが、作者・畑野氏のさらなる 活躍を楽しみにさせて頂きます!という期待をこめて、☆五つとさせて頂きます。
-
今どきの若者の平均的水準?
この作者の最新作「若葉荘のくらし」を読む前にデビュー作をと思って手にしたが、年代差なのか好き嫌いの問題なのか、いささかざらつくものだけが残ってしまった。 こういう感想も作者の勘定の内に入っているのかも知れない。
-
コロリン
素敵な表紙に惹かれました。子どものリクエストで、喜んでました。
-
余りに悲しい
タイトルだけに惹かれて買いました。終盤の盛り上がりのために、出だしから半分以上をこれだけ気分悪く読ませるのには、とても耐えられない。
-
ファミレスと人情話
小説すばる新人賞受賞作、ということはミステリーとかファンタジーとかいった特定のジャンルではない、エンターテイメント小説、ということになる。そういった意味では良作か。個人的には、途中まで非常に楽しく読めた。以下、ネタバレ有で。 主人公の佐藤幸善(ユキ)は、そこそこ名の知られているらしき東京の四大卒で、チェーンのファミリーレストランに就職するが、あるトラブルに見舞われ、左遷といった形で自分の地元の店舗に配属になる。その6年半帰っていなかった故郷(山梨か?)で、親友や親、職場の人達も含めて色々な人達と交流していく。 ユキの特徴は、女癖が悪いところと、ややだらしないところだ。もちろん、「だけど良い奴」という部分が出てくる。また、やや家族関係が複雑、というところもある。 そんな彼の成長譚、および人情話とも読むことができる。職場のバイトの大学生どうしの恋愛沙汰、友人カップルの結婚に反対する彼女の側の父親、と行き違いがあっても、上手いほうに進んでいく。ユキはそこで仲を取り持つような役割を果たすのだ。 ただ、そういった職場や友人関係の部分は面白いが、家族や恋愛の話はちょっと疑問だ。そんな簡単に父親と和解できるものでもないだろうし、まだ現役で働いている祖父が、そんなぶらぶらしている入り婿を優しく迎えるものだろうか。20代半ばの孫がいる、戦前生まれの男がそんなに甘いわけない。 また、逆ナンしてきた彼女も、ちょっと人物造型が安易か。料理を作ってくれるくらいで、そんな簡単に「いい奥さんになるのは間違いないし」と考える主人公は観察眼がなさすぎるが、惚れてるから仕方ないとも言える。ただ、過去の恋人に会うくらいの寂しがり屋で「淫乱」なのだから、もっと情緒不安定なところがあるのが普通だろう。でもこれくらいでいいのかな。あと、噂話ばっかりの狭い田舎町も、そんなに優しくない。 なので人情話だと考えればいいかもしれない。勧善懲悪で、バイトのオタク男が成敗されるのもそういうことだ。実際には、何の落ち度もない「普通の人」が噂話をするから、地方は住みづらいのだ。 ただ、ファミレスのパートは楽しめました。店長が良い味出してます。 追記:とはいえ、ここ最近読んだ小説の中では、一番記憶に残りました。読んで数週間経っても、何となく内容を思い出せますし。主人公の人柄は、やっぱり好きですね。 この作家の本はまた読むと思います。期待も込めて星五で。
-
期待しすぎました。
複雑な人間関係を描いた作品という事ですが、感情の表面部分を引っ掻くような感じで、 心理をえぐる表現は見当たらずただ「好きだ」「嫌いだ」「セックスした」など陳腐な表現 と展開ばかりで、自分の経験と憶測(男性に対する偏見)をまっすぐ羅列しただけと感じま した。 また登場する男性が全て女性的で男性が読むには感情移入が難しく、さらに友人として 登場するシンゴが、芸人の楽しんごとキャラが被っていて違和感を覚えました。もっと複雑 な人間模様を描きたければ、より男性的な人物を設定にいれてもよかったと思いますし、何 よりもまず男性を深く知る、調べる、感じる事が必要だと思います。 「夢見る乙女の妄想物語」って感じです。
-
中流社会に生きる若者達の日常
最後まで楽しく読めた小説。若者がかかえる問題を登場人物毎に設定している。世間並の生活を希望する主人公ユキちゃん、弁護士を目指すアキエちゃん、ストーカー被害者粧子さん、愛する人のために生きるシンゴ、オタクですねかじりの星野君、フリーセックスを勘違いしている綾ちゃん、マイホーム主義の店長、スポーツで挫折して目標を失った宮本君、家業を継ぐ吉田さん、片親のミカちゃん。現代日本の若者を見事に描いている。
-
う~ん。。。
この作者の別の作品が面白かったのでこちらを買ってみましたが・・・ あまり人にはすすめたくないし、共感できなかったし、感動もなく・・・ まあまあってところでしょうか。。。
関連する文学賞
- 小説すばる新人賞 第23回(2010年) ・受賞