作品情報
島の伝説が、姉弟の運命を裂く。
第21回小説すばる新人賞・泉鏡花文学賞受賞作。閉ざされた島で生きる姉弟の宿命を描く。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2012-01-20
- ページ数
- 264ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.8 x 1.1 x 15.2 cm
- ISBN-13
- 9784087467864
- ISBN-10
- 4087467864
- 価格
- 715 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
遊女屋が軒を連ねる、閉ざされた小さな島。美貌の姉弟は引き裂かれ、姉は女郎、弟は裏華町の男娼を経て、薬売りとして生きている。互いを求める二人の運命が、島の「雷魚伝説」と交錯し…。第21回小説すばる新人賞・泉鏡花文学賞受賞作!(解説/宇野亜喜良)
レビュー
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背景、心理、登場人物も魅力的
Amazon商品紹介から以下。 生ぬるい水に囲まれ、遊女屋が軒を連ねる孤島。 美しき捨て子の姉弟・白亜とスケキヨは、互いのみを頼りに生きてきた。 離れ離れの姉弟をはじめ、人々の情念と島の伝説が織り成す、新感覚幻想小説。 第21回小説すばる新人賞受賞作。 (Kindle版より) かつて一大遊郭が栄えた、閉ざされた島。 独自の文化が息づく島で、美貌の姉弟・白亜とスケキヨは互いのみを拠りどころに生きてきた。 しかし、年頃になったふたりは離れ離れに売られてしまう。 月日が流れ、島随一の遊女となった白亜は、スケキヨの気配を感じながらも再会を果たせずにいた。 強く惹きあうがゆえに拒絶を恐れて近づけない姉弟。 互いを求めるふたりの運命が島の雷魚伝説と交錯し…。 * 読みやすい、一気に読んでしまった。 背景、心理、登場人物も魅力的で、すばる新人賞受賞というものも頷ける。 遊郭かぁ、ともっと自分には、どろどろとしてるのかなと思ったが、そうでもなかった様に感じたのは、品性があるのかな。 とかく面白かった。 スケキヨ、金田一イメージが邪魔になってた(笑)。
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世界観が好き
一般的には好き嫌いはあると思うが、混沌としてどろりとしたようなこの世界観はかなり好み。 ただ花街の様子が既存の映画を彷彿とさせてしまうような記述がかなりあり、 もう少しオリジナリティがあったらもっと良かったように思う。 一読の価値はあると思う。
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幻想小説とはいえ内容は意外に現実的、今まで読んできた残酷童話とは違う
千早茜さん29歳時の作品です。小説すばる新人賞、泉鏡花文学賞を受賞しています。デビュー作とは思えない圧巻の小説です。 先に読んでいたのが「おとぎのかけら」「あやかし草子」「人形たちの白昼夢」など夢幻的な残酷童話系ばかりだったので、え、こういう作品も書くんだとちょっとびっくりしました。 舞台は三重県の渡鹿野島を思わせますが、大河の河口の海に近い中州の島だというから違うし、時代も明治から昭和初期くらいまでどのあたりでも当てはまりそうです。遊郭が中心の遊蕩の場所なので雰囲気は吉原ものの小説や映画に似ています。やくざ者が出てくるところは「陽暉楼」など宮尾登美子の小説や映画「極道の妻たち」を思い出しました。架空の場所、架空の時代でジャンル的には幻想小説になるのでしょうが、内容はわりと写実的、現実的だと感じそれが意外でした。 白亜が無感覚、無感動になったのは不幸な生い立ちから心を守るためだったのでしょう。教育を受けられなかったことが無知に輪をかけた気がします。それでもその美しさを愛でる男たちは多く、島一番の遊女となります。それに比べて弟のスケキヨは野心家でなんとかしてそんな境遇から抜け出そうとしますがなかなか果たせません。 妓楼の主や同輩の遊女とその禿、本土から逃げてきた船頭など脇役も魅力的。個人的には剃刀男こと蓮沼が強烈な印象を残しました。 ラストは意外な予定調和で、もっと波乱を予想していたので拍子抜けしました。悪くはないのですが、特に”首絞め”はこの作品で別に要らなかったのではと思ってしまいました。 それでも非常にパワフルで魅力的な作品です。何よりも文章に隙がなくうまい。他のものももっと読んでいきたいです。
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ちょっと強いお酒みたいでした。
生きてきた時間と読書歴がほぼ同じなんですが、初めて本読んで酔いました。 え、この先どうなるの大丈夫大丈夫? やっぱ痛いのやめてくれ、の連続ののち、 頂上まで昇りつめて、 さぁ、もう大丈夫だよ生きてていいヒトは生きてるよ、の、ラスト、泣いて涙で酩酊感。 本とじて本当にめまいがしたのですよ。 良い酔いでした。 こういうふうに生きるしかないあきらめの日々を、 飴玉飲み込んじゃったみたいな違和感で飲みくださされる感覚で読み進め、 至った白亜とスケキヨのたどり着いたここ。 本当に好きなヒトの心は、知りたい、愛してるよ、でも、 それゆえもしかしたらがあったら怖いよ逃げてたいよ、でもさ。 会いたい。 そんなつっかえをずっと胸にすえたまま体ひさぐ日々がどれだけつらかったろう? 白亜もスケキヨも。 しんどいけど良いお話でした。 千早先生の本はこれが初めてでして、これから、 期待をこめて他の作品も読みたいかまえです。 ありがとうございました。
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品質が…。
人に贈る為に今回注文したのですが、表紙が傷だらけです…。 よくある圧力をかけて擦ったような傷ですが、確実に15以上あります。 数年前の本なので仕方が無いのかなぁとも思いますが、これはちょっとガッカリです。 もし本屋にこれが置いてあったら私は買いません。 好きな本なだけにガッカリです。
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傷ありです
注文から1日で届いたので配送にはとても満足ですが写真の光ってるところ(上)に注目していただくと分かると思いますが細かい傷が所々ありました。 傷が気になる方は書店で購入されたほうがいいかもしれないと思いレビューしました。 (内容については関係ない評価です)
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悲しくも美しい物語
前半は瑞々しい不思議な世界観をイメージ出来るだけの描写や言葉を必要以上に必要としない白亜とスケキヨの関係に美しさと悲しさを感じながら読みました。 後半にかけてページをめくる手が止まらなくなるくらいの展開にハラハラしましたが、白亜の情緒不安定さにうんざりもしました。育ってきた環境や縛られた運命のため仕方がありませんが。それでも幸せになれて読後はほっとしました。 しかし、千早さんの本は毎回終わりがふわっとしてしまうのでそこは残念です。首絞めるのはちょっと…メンヘラ感が強くなりすぎて幻想的な世界観が崩れるなぁと思いました。
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太古からの響き・・
作者の持つ想像力によって紡ぎ出された物語にこっぴどく打ちのめされてしまいました。この物語の活字と活字との隙間には、まるで古事記のなかに描かれた神々の世界を彷彿とさせてくれます。現代人が忘れ去ってしまった、太古の感覚、五感の全てを呼び覚ましてくれる物語です。
関連する文学賞
- 小説すばる新人賞 第21回(2008年) ・受賞