作品情報
断片の会話が、若者の不穏な孤独を浮かび上がらせる。
第32回すばる文学賞受賞作。2009年に集英社から単行本刊行。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2009-02-05
- ページ数
- 128ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784087712759
- ISBN-10
- 4087712753
- 価格
- 1210 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
母を刺し殺し、見知らぬ街をさまよう「僕」。所持金も底をつき、ホームレスのテント小屋で暮らし始めるが…。網膜に映る都市の光景を鮮やかに切り取り、緊迫した小説世界を構築するデビュー作。第32回すばる文学賞受賞作。
レビュー
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ストーリーの展開はシンプルであるが自身が見るものや体感することに対する機微や微細な部分を文章による多彩な表現力で読み手にリアルに感じさせる表現力は文才の無い凡人には無理と思わせる内容でした。
知人にも読ませ自身との感じ方の違いを論じてみたいと思った。
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淡々としている
文学的には決して優れているとは思えないけれど、個人的には好きな作品でした。 退廃的、虚無感、浮遊感、などのワードに惹かれる人には薦めたいです。
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独特ですが・・・
むかし読んだカミュを思い出しました。 不条理とか、理由のない殺人のような・・・
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自滅へのカウントダウン
第32回すばる文学賞受賞作であるこの本の印象は、不快な作品。 母親殺しをした長男が自分を捨て逃亡するのかと思っていたらホームレスにもなれず、自首するつもりが頭がおかしくなっていた話なのだが、ラストに行くまでに主人公の視線はひねくれていながら、逃亡の時だけ強い意志がある。その矛盾が拭えないから読後不快になる。 勝手な言い分と、勝手な構成に、読者として文学に触れたというより、ノイズの多いラジオを聞いたようにしか思えない。
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模倣ではない類似
簡単に言うと、村上龍「限りなく透明に近いブルー」に似ている。 以上、としてもいいが、30年の隔たりがあっても、若い男(25歳以下は若いと考えていいだろう)の考えること、感じることは似たようなものなのだろうな、と、その共通性に感心した。 風景は見えて、他人の会話が聞こえてはいても、イマイチその感覚は現実感を持たない。現実としての重みはない。何かそういった虚無感・刹那的な感覚は、若い男が共通して抱くものなのだろう。 ラスト手前の劇的な場面は村上龍にはないものだが、ラストがあまりに似過ぎている。似たような資質を持つ作家であるなら個人的には歓迎だが、村上龍が「コインロッカーベイビーズ」を生み出すまで感じた苦しみを、彼もまた乗り越えていかなくてはいけないのかもしれない。次作への期待も込めて4で。
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感情の排除された世界
母親を殺して、容貌を変え街を歩きまわり、資金が底をつき、ホームレスと生活する事になる青年の話。 感情が排除された文章で、ただ淡々と主人公の視線で物語が進んでいく。 母親を殺した動機は書かれていないし、猫殺しの犯人も書かれていない。 私が猫好きだからか、猫の描写は気持ち良かった。他の描写は感情が含まれていないので味付けのない料理のようにも感じた。 優れた点は、芸大生のスケッチのような、視覚的情報を描写する力にあるように思った。
関連する文学賞
- すばる文学賞 第32回(2008年) ・受賞