日本の文学賞

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零歳の詩人

すばる文学賞

零歳の詩人

楠見朋彦

旧ユーゴスラビアの都市で地下生活を送るアキラを中心に、詩人や兵士、市民の言葉が交差する。報告、告白、手記、詩、批評が絶えず形を変えながら重なり、戦争と暴力の只中で日本語の可能性を押し広げる第23回すばる文学賞受賞作。

旧ユーゴスラビア戦争地下生活多声的語り詩的実験

作品情報

戦時下の地下で、語りの形式そのものを揺さぶる第23回受賞作。

第23回すばる文学賞受賞作。2000年に集英社から刊行された単行本で、旧ユーゴスラビアの戦時下を背景に、アキラを軸とした多声的なテクストが重なり合う。

書籍情報

出版社
集英社
発売日
2000-01-05
ページ数
160ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784087744484
ISBN-10
4087744485
価格
1480 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

旧ユーゴ内戦下、日本人青年と現地の少年達、老詩人が視た戦慄の世界。欲望、憎悪、恐怖。人間の暴力、戦争の本質に圧倒的想像力と日本語で、物語の定型を踏み越えて挑む第23回すばる文学賞受賞作。

レビュー

  • 淡々と描写される戦争のむごさ

    旧ユーゴ内戦下に日本人でありながらネット友人がきっかけで巻き込まれてしまった主人公。語り手が複数存在する為、若干読みにくかった部分はあるが、様々な人々の口を通じて語られる戦争の実態についての描写は残酷でインパクトあり。戦争、そして人間の本質が暴露される。ショッキングなラストシーンについても淡々と描写、しかし、読後感は重い。

  • 解体される日本語

    芥川賞の候補になっていたこと、ボスニア・ヘルツェコヴィナを舞台にしていること、序盤の日本語が崩壊寸前で美しく留まっていたこと、から読みました。 言葉が情報ではなく、情景を伝えるものであるということを感じさせられる一作でした。あるのは説明ゼロで描写だけで、何がなんだか分からないと言ってしまえば、そうです。でも、人間が知覚できるリアルってそんな感じだと思います。不条理で理不尽な状況に非常によく合う奇跡の文体だと思いました。 非常に興味深く、印象的な作品でした。

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