日本の文学賞

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となり町戦争

三島由紀夫賞

となり町戦争

三崎亜記

ある日、隣接する町との戦争が始まったと知らされる。銃声も流血も見えないまま、町の広報紙には戦死者数だけが増えていき、主人公は町役場から敵地偵察を命じられる。日常の制度の中に戦争が入り込む不気味さを描く。

見えない戦争行政日常の不条理社会寓話

作品情報

戦争は見えないまま、役場の手続きとして日常へ忍び込む。

第17回小説すばる新人賞受賞作として集英社から単行本化された。のちに文庫化され、文庫版には書き下ろしサイドストーリーも収録されたが、ここでは三島由紀夫賞候補時点の単行本 ISBN を記録した。

レビュー要約

  • 戦争を公共事業のように扱う発想の異様さが強い印象を残す。静かな語り口のため派手な展開を求める読者には物足りない場合もあるが、現代社会への寓話性が評価されている。

書籍情報

出版社
集英社
発売日
2005-01-05
ページ数
200ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784087747409
ISBN-10
4087747409
価格
1100 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

天才現わる!? 見えない戦争を描いた衝撃作。 ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。だが変わらぬ日常に、僕は戦時下の実感が持てないまま。それでも“見えない"戦争は着実に進んでいた。「清澄な悪夢」「傑作」と選考会騒然の衝撃作! 第17回小説すばる新人賞受賞作。

レビュー

  • ありがとうございました

    私的にはとても好みの本でした。 何度も読み返しをしています。 同じ作者さんの本をほかに読んでいないので 探してみようと思いました。

  • 反戦だろうとは思うけど・・・。

    淡々とした一人称が、日常と非日常を意識させる。 おそらく“反戦”なのだろうが、結局それは、うまく伝わってこない。 「主任」の存在が、際立ってしまって、彼への作者の評価というか、 思い入れがわかりにくかった。 けしてハッピーエンドとはいえないが、切なさは残る。 途中までは、ちょっと観念的で、イマイチだったけど、結末への向い方はなかなか秀逸でした。 他の作品も読んでみよう。

  • 面白くない

    薄っぺらい となり町と戦争が起きることになった 主人公以外は戦争を受け入れている 突然業務上性処理をしてくれる女性と住むことになった 関わりがあった人が事後死んでいた事が発覚する 一緒に過ごしていた女は自分の意思とは別に結婚することになる(いやまて、主人公とも業務上結婚ゴッコやセックスしてるやん、何同情してるの?) 中学生のときにも読んだがここまでつまらないとは感じてなかったと思う 処女作であるようだし、設定は良かったが、ただ淡々と書かれているだけで、重要でもないものの描写が細かく、さも重要なことであるように書かれている こんなに読むのが苦痛な本はなかった

  • 自分も関わっているのに…

    姿が見えない戦争。 でも、死傷者は出ている。 こんな状況信じられなくて当たり前。でも主人公はその中でもできることを。と右往左往します。 描写も的確でイメージしやすかったです。 読了後に映画でも観ました。こちらもよかったですね。

  • ありそうな現代SF

    映画を観てから読んだので、江口洋介と原田知世が出ている感じがした。

  • マトリョーシカな物語

    見えないところで現実に存在する戦争・・そんな書評が手にしたきっかけでした。 読み進めるに、淡々としたややもすれば退屈な文章。 しかし中盤以降の"展開"が過ぎたところで気づされました。 書評をそのまま受け入れて、ストーリーをわかりやすい テレビの向こうの戦争に投影してしまっていることに。 社会問題、不祥事、ミスを他人事としかとらえられない 社会、会社、職場。 本当に身近なところでも部分最適をはかり、その先の現実を見失っている。 日本の将来を憂うことで自己満足している自分。退屈なのは自分の生き方なのか・・・。 社会人として、これからの在り方を考えさせられました。

  • リアルじゃない戦争、それこそが戦争のリアル

    これはもうタイトルの勝利というやつだろう。《となり町》と《戦争》という異質なものを組み合わせた題名に、まず引き込まれる。一種の公共事業として、役所がとなり町との戦争を淡々と遂行する、という着想が卓抜である。一見すると奇妙な設定だが、実際問題として戦争は多くの事務処理によって支えられているし、景気刺激策としての側面を持っていることも事実だ。となり町との現実離れした戦争は、確実に戦争の真実の一端を切り取っている。 ただ《日常の地続きとしての戦争》、そしてそれがゆえに《見えない戦争》という考え方じたいは、そう目新しいものではない。主人公・北原修路の戦争観は作中でくどくどと語られる割には凡庸だ。その平凡な語りは戦争終結後、《喪失》を経て或る種の達観を得たかに見えるようになってからも変わらない。他の登場人物も類型的で、物語を進めるための道具にすぎない。 しかし、もしかすると作者が言いたいことは、「変わらぬ日常のその先にこそ、戦争は、そして人の死は、静かにその姿を現すのだから」(231頁)といった、ありきたりな言葉の中にはないのかもしれない。作中では「ここではないどこか」とか「世界を隔てた」といった手垢のついた表現にはあえて「」を付している。主人公が借り物の言葉で自らの心境を語っていることが強調されているのだ。 戦争の渦中にあっても紋切り型の表現しか頭に浮かんでこない、陳腐な感慨しか抱くことのできない、そこに主人公の救いの無さがある。どこまでも戦争を実感できない現代の日本人への絶望のメタファーであろうか。

  • 意味わかんなかった

    私の理解力のなさが原因かもしれないが、意味がイマイチわからなかった。 「自分たちの知らないところで戦争が行われており、知らぬ間にそれに参加している」 ということですが、それを強調しようとするあまり、 戦争が行われているのかどうかも本当にわからなかった。 いつ何か大きなことが起こるのだろうと思い読み進めていたが、 一向に起こらなかった。そして終戦。 クライマックスのようなものがなく、さーっと流れて行ったような感じ。 主人公が気づかぬうちに戦争が始まり、終わってしまったように、 読者が気づかぬうちに物語が始まり、終わってしまった。 有名な作家の方たちが絶賛しているそうですが、 これをつまらないと思った私はやはり凡人なんでしょうか?

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