作品情報
下町ロケットは、池井戸潤の受賞作として刊行形態でも確認できる作品です。
下町ロケットは、小学館から刊行が確認できる池井戸潤の作品。受賞歴と書誌情報を合わせて読むことで、同時代の文学賞が評価した題材や語り口を追える。
書籍情報
- 出版社
- 小学館
- 発売日
- 2010-11-24
- ページ数
- 416ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.8 x 2.8 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784093862929
- ISBN-10
- 4093862923
- 価格
- 1344 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
下町ロケット 主人公・佃航平は宇宙工学研究の道をあきらめ、東京都大田区にある実家の佃製作所を継いでいたが、突然の取引停止、さらに特許侵害の疑いで訴えられるなど、大企業に翻弄され、会社は倒産の危機に瀕していた。 一方、政府から大型ロケットの製造開発を委託されていた帝国重工では、百億円を投じて新型水素エンジンを開発。しかし、世界最先端の技術だと自負していたバルブシステムは、すでに佃製作所により特許が出願されていた。宇宙開発グループ部長の財前道生は佃製作所の経営が窮地に陥っていることを知り、特許を20億円で譲ってほしいと申し出る。資金繰りが苦しい佃製作所だったが、企業としての根幹にかかわるとこの申し出を断り、逆にエンジンそのものを供給させてくれないかと申し出る。 帝国重工では下町の中小企業の強気な姿勢に困惑し憤りを隠せないでいたが、結局、佃製作所の企業調査を行いその結果で供給を受けるかどうか判断するということになった。一方、佃製作所内部も特に若手社員を中心に、特許を譲渡してその分を還元してほしいという声が上がっていた。 そうした中、企業調査がスタート。厳しい目を向け、見下した態度をとる帝国重工社員に対し、佃製作所の若手社員は日本のものづくりを担ってきた町工場の意地を見せる。
レビュー
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勇気が貰える本
とても勇気が貰える本です。予測が出来る結末ではありますが感動しました。
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ものづくりの燃料=職人としての誇り
まず、タイトルが良いです。 そして、 昔懐かしいSF小説を思い出すような、 ジャケ買いしそうな素敵なフォントと表紙も好印象です。 内容は?と言うと、 良い意味で期待を裏切ってくれました。 勝手にSFだろうと決め付けて読み始めたら、 終わってみれば、本当に濃厚な人間ドラマという感じ。 その引力にグイグイと引き込まれ、 とても読みごたえがありました。 考えても見れば、 「宇宙開発」という壮大なモチーフを前に、 決して飲まれることなく、大判風呂敷も広げずに、 「部品」に焦点を絞った事で、 結果、濃い物語になっている気がします。 途中に入る家族とのやり取りも、 頭の中を整理するブレイキングタイムという感じで、 効果的な演出だと思いました。 もちろん、現実はもっと複雑で、 本当の世界は、もっと厳しいだろうなぁと、 頭では分かってはいるのです。 しかし、 主人公や周囲の人間のやりとり、 特にセリフや行動の中に現れる、 勇敢な生き様は、ロケットのように感情が湧き上がって、 その展開に不思議と説得力が出て来るのです。 良く、現実は小説よりも奇なりと言いますが、 この小説は、歯がゆい今の現実に、 少なからずの「ヒント」をくれるような気もします。 主にクリエイター、 または何らかの大きな失敗を経験した人は、 本当に熱くなる読み物だと思います。 なので、ある意味で残念なのは、 これがフィクションであるという事でしょうか? それでも尚、情熱大陸、プロジェクトXなど、 ドキュメンタリータッチの世界観が好きな方には、 相反するかもしれませんが、 特にオススメしたい1冊だと思いました。
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楽しい
とても楽しい作品、文学的かと聞かれれば???
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技術オリンピックへ、今の日本では中小企業から世界大会に行けるのか
楽しかったです。中途半端な、大企業の技術者の中小企業への蔑視、それに引き換え、上司財前の素直に技術そのものを見る目、技術屋としてこころしなければいけない大事なポイントだと思います。 中小企業内でも発注側と、受注側の間でも同じようなことが起きています。 また、1/1000㎜以下のところで、加工音や触感、光を使った反射陰影による判定、これらがものをいうということも忘れられてはいけません。技術維持は、日本にとっても大事なことです。
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中小企業の意地!
日本の中小企業の技術は高水準な一方、高齢化や営業力のなさ財務面で消えていってしまう企業さんが多いです。 この作品ではそのような背景を描き、かつ熱い心で乗り越える佃社長の姿が描かれています。大企業や研究者、営業と製造検査部門それぞれの背景を汲んで進んでいく描写はさすがでうんうんと頷きながら読み進め最後は目頭が熱くなりました。
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共感するところがとても多かった
私の父は社長でした。工場用の設備の販売業で、私も父について色々な工場を回り、色々な中小企業を見ました。経営が傾き、銀行に融資の依頼で頭を下げに行った時、私は父の隣にいました。銀行の態度はつれないものでした。やがて会社は潰れ、私はビジネスの世界が心底嫌になり、今は福祉の仕事をしています。私は本を読んで泣くことなんて滅多にありませんが、本書では何度も涙が流れました。さすがにあまりにもファンタジーだと感じるところもあるけれども、中小なりの矜持や困難など、共感するところも多く、とても素敵な物語でした。
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池井戸潤は面白い
池井戸潤。ストーリーの展開が面白く、一気に読み込んでいく感じがいい。
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まさにこの気持ちはロケット打ち上げに匹敵する
男なら誰しも、一度は夢見るロケットの打ち上げ。 その夢を支えるのは、決して華々しいメインエンジンや燃料タンクではなく、一見地味なバルブシステムという名の「職人技」だった。 佃航平を筆頭に、町工場である佃製作所が最先端のバルブシステムを生み出し、その技術を巡る攻防が物語を加速させる。特許訴訟という法廷の戦い、大企業との理不尽な取引、社内での確執――どれもが、ロケット打ち上げという最終章へと向かうための「試練」だったことを、読後に改めて噛みしめる。 本書には、技術者の誇りと情熱、企業戦争のリアル、そして男たちの野心と葛藤がぎっしりと詰まっている。夢を追いかける男たちは、決して純粋なヒーローではない。家族とのすれ違いに悩み、部下と衝突し、時に己の選択を疑う。だが、彼らは決して諦めない。「ものづくり」という信念が、彼らの背中を押し続けるからだ。 物語の熱量は、まるで打ち上げ寸前のロケットのように、ページをめくるたびに加速していく。気がつけば、読者も佃製作所の一員になったかのように、彼らの苦悩や歓喜に一喜一憂していた。 そして最後、ロケットが空へと舞い上がる瞬間――佃製作所の努力が結実する瞬間――胸の奥に込み上げる感動は、単なる物語の読後感ではなく、夢を追うすべての人間へのエールそのものだった。 これは、単なる企業小説ではない。 これは、「夢」と「誇り」を持つすべての技術者に捧げる、一篇の叙事詩である。
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