北緯43度の雪 もうひとつの中国とオリンピック
札幌オリンピックに台湾から派遣されたスキー選手たちを追い、スポーツと国際政治が交差する歴史を描くノンフィクションです。雪を知らなかった選手たちの挑戦から、台湾が背負った政治的な苦難を照らします。
作品情報
北緯43度の雪は、受賞時の評価点を手がかりに作品世界へ入っていける一冊です。
札幌オリンピックに台湾から派遣されたスキー選手たちを追い、スポーツと国際政治が交差する歴史を描くノンフィクションです。雪を知らなかった選手たちの挑戦から、台湾が背負った政治的な苦難を照らします。 小学館から単行本として刊行された。
レビュー要約
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刊行情報と紹介文からは、受賞時に評価された題材の明確さと読み進めやすい構成がうかがえる。人物や状況の輪郭を追いやすい点が読みどころになっている。
書籍情報
- 出版社
- 小学館
- 発売日
- 2012-01-16
- ページ数
- 242ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784093897402
- ISBN-10
- 4093897409
- 価格
- 2490 JPY
- カテゴリ
- 本/スポーツ・アウトドア/スポーツ
北緯43度の雪 1971年、大陸中国と「ふたつの中国問題」を巡り国連から脱退した台湾。総統・蒋介石は翌年の札幌オリンピックに8人のスキー選手を送る。この大会に「中華民国」の名を刻めば、中国に傾いている国際社会を再び引き戻せる。そう考えた蒋介石が急遽つくらせた、いわば形勢逆転の「最終兵器」だった。しかし、集められたメンバーの大半が雪さえ見たことのない未経験者。国家は彼らに告げる。「お前らに勝利を求めていない。とにかく滑った記録を残せ!」。そして、彼らは国家の使命を背負い、札幌の最大傾斜40度の急斜面に挑んでいく。札幌後――。政治に翻弄される人生はその後も続くことになる。オリンピックでの国家名称を巡り米国で裁判を起こす者。また中国に移り住み、北京オリンピックの聖火リレーを見ながら複雑な心境を吐露する者……。台湾という国が宿命のように背負い続けてきた苦難と激しい政治的抗争の爪痕。それはオリンピックの歴史にも刻まれていた。 札幌オリンピックから40年。初めて明らかにされる「南国スキーヤー」たちの、可笑しくも切なく、誇らしい、奮闘の記録。本作は第18回小学館ノンフィクション大賞を受賞した。 【編集担当からのおすすめ情報】 第18回小学館ノンフィクション大賞受賞作品
レビュー
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懐かしい 葉さん 黄さん。
この本に書かれた彼らとは リアルの接触が有りました。今度 スキーをする事になりましたと 聞いたときの驚きは 今も覚えています。初めて羽田空港に降り立ち よみうりランドでの合宿の為に行くのに お付き合いしたことも 良い思い出です。
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「冬季」ならではの視点を!
南国からの冬季オリンピック参加と聞いて、 クール・ランニング を思い出すかどうかは別として、「何故、参加しようと思ったのか」「どうやって練習したのか」「結果はどうだったのか」と興味は尽きない。 この本はそうした興味にこたえている。蒋介石がスケートではなくスキーを選択した理由は推論にしても首肯できるし、日本人名伯楽の存在やワルツのように滑った理由等は興味深い。隣国が札幌オリンピックに参加したということに親近感も感じる。 一方で、政治とスポーツの問題についての記述はイマイチ。著者には自覚があるようだが台湾の政治問題に詳しくなく、本件の取材を機に勉強しているふしがある。台湾の政治問題やオリンピック問題についての記述は、少し丁寧すぎる位に周知のことが書いてある部分があり焦点がぼけている。裁判の話なんかはとても興味深いのだが、その他のオリンピック問題は当然に冬季オリンピックに限られた話ではないのだから、「札幌」を題材とするのであれば、もう少し「冬季」ならではの視点でこの問題を掘り下げていただきたかった。