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黄昏世界の絶対逃走 (ガガガ文庫 も 1-1)

小学館ライトノベル大賞 ガガガ文庫部門

黄昏世界の絶対逃走 (ガガガ文庫 も 1-1)

東部陽村

人の弱い心を侵し死へ導く黄昏に覆われた世界で、青空を取り戻す少女と彼女を奪取する任務を負った青年が旅をするライトノベル。終末的な設定と逃走劇を組み合わせたロードストーリーである。

終末世界逃走劇少女と青年浄化

作品情報

茜色に閉ざされた世界で、青空を生む少女をめぐる逃走が始まる。

第4回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。刊行時は本岡冬成名義で、ガガガ文庫から刊行された。

レビュー要約

  • 終末的な空気と旅の連続が印象に残る作品として読まれている。重い世界設定の中でも、二人の関係性と行き先の不確かさが推進力になっている。

書籍情報

出版社
小学館
発売日
2010-05-18
ページ数
294ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784094512052
ISBN-10
4094512055
価格
301 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

『――黄昏予報の時間です。本日午後の黄昏濃度は約80パーセント、非常に濃くなる見通しです。発作的な自殺には注意しましょう』 全天を覆う茜色の空。《黄昏》はヒトの弱い心に入り込み、支配し、死に至らしめる病の元凶。 世界は生きる気力を失った人々で溢れていた。その《黄昏》を浄化し、青い空を生み出す少女《黄昏の君》(メアリ)。 フリーエージェントのカラスは、その奪取を請け負い、二人で短い旅を続けることになる。 《黄昏》に冒された人々との出会いと別れを繰り返しながら……。第4回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作!

レビュー

  • おすすめ

    面白いです。 退廃的な世界の情景が作品の雰囲気にとても合っています。 又、一人一人の登場人物に人間味があり、登場人物の一挙一動(特に主人公)に心が動かされます。

  • イラストに惹かれて買いました(笑)

    この著者の作品は初めてだったのですが、テンポがよくてとても読みやすかったです。 黄昏の蔓延している世界は、世界の果て、終わりを予感させるような哀愁溢れる美しいものになっていて 個人的にはツボでした。 カラスとメアリのどこか狂っている退廃的な考え方も世界観にマッチしていて良かったです。 ただ、カラスの陶酔感に共感出来ないと全く楽しくないと思うので、人を選ぶかもしれません。

  • 絶望しない理由を探して

    正直に告白します。 ゆーげんさんの絵が好きなので、表紙を見て買いました。 その時点で、内容にはそこまで期待していませんでした。 しかし。 見事に期待を裏切ってくれました。 ・退廃的、なのにそこに美しさを感じる世界観。 (それを過不足なく描いている文章力) ・登場人物たちの掛け合いの上手さ。 ・場を盛りあげつつも、主人公とヒロインをぼやかさず、 しっかりと彼らを際立たせることのできるサブキャラクターたち(特にエーコ)。 そして、何よりも。 ・魅せてくれる主人公。魅せてくれるヒロイン。 ・緊張感のあるラスト。 それゆえに、この作品は私にとって王道でした。 (最近のライトノベルではシリーズものが多いためか、 なかなか緊張感のあるラスト、に巡り会えないのです) 例えば、テレビシリーズのルパン。カウボーイ・ビバップ。紅の豚。 ここらへんに惹かれる人には、間違いなくお勧めです。 この作者の方が新作を出してくれるのならば、今度こそ本岡冬成さんの名前で 買おうと思います。

  • 短く…

    誰かがおっしゃっていましたが、ロードムービーといった感じの雰囲気を感じました。 実写映画などいいのかもしれませんね。 世界観などが美しく、退廃的で読後感が素敵です。 最後は、ご想像にお任せしますといった感じで、謎は解けたのかなんなのか。 そういう終わり方はよくありますが、私はちょっともどかしく感じてしまうタイプです(笑) 続きがでていて、カラスとメアリのその後が見れる!と思っていたのですが、世界観は一緒で別の話みたいです、残念。 雰囲気がいいので、5に近い4という感じの評価です。

  • 「黄昏」のダブルミーニング

    「衰退」と「夕暮れ」、2つの意味を持つ黄昏というこの言葉を使うことで、 くどくどと世界観を説明することなく、読者は共通の印象をすっと持つことができます。 正直これはすごいアイディア。 特別に映像的な文章ということはないですが、強烈なこの言葉の印象で読んでいて絵が浮かびます。 そして逃走劇というスタイルといい、いつまでも続くマジックアワーといい、中間の雨のシーンといい、 ロードムービーの王道のような本でした。珍しく、映画化しても綺麗だろうなーと思った本。 黄昏のなかにあっても病気にかからない人もいれば、黄昏などなくても人は死ぬ。 目に見えるうつ病のようなものとして描かれる「黄昏」ですが、大きく誇張された世界ではないといえます。 強烈なインパクトや感動はありませんが、安定した読み心地の良作と思います。

  • 主人公つえータイプのらのべです。

    著者の作品初購入。 タイトルから連続できた世界観が面白そうだったので手に取ってみました。 黄昏と逃走、四方八方どこからみても、気怠く暗澹な話になることは手堅いでしょう。 主人公のカラスは合法、非合法問わず依頼を承るなんでも屋。一口になんでも屋と申しましても 舞い込んでくるのは誘拐、潜入、殺人といった物騒な依頼ばかり。ほぼエージェントと称しても遜色ないでしょう。 次にカラスが依頼されたるはお得意様からの人物誘拐。政府によってガッチリ警備されたトワイライト号から1人の少女を攫ってこい、極力存命状態でというもの。 通常報酬の十倍という破格の報酬に目がくらんだカラスは依頼を成功させるべくトワイライト号へと乗り込むが…。 主人公のカラスとヒロインの少女。彼らの背後を行ったり来たりする三人称視点で物語は展開します。カラスは口を開けば軽口ばかりの皮肉屋で 一方ヒロインは箱入り娘をも凌ぐ世間知らずぷりを誇り、それは自分の名前すら不確かなくらい。本編中で改造人間云々の紹介がありますが 属性までは特化しておらず右腕でロケットパンチを放てたりもしません。 そんな二人のロードムービー、または逃避行が本作の主軸です。 文章は捻れや主述失踪もなく整っている。内容の当て外れとも掛け合わさりページを進む手が止まらなくなることは有りませんでしたが、丁寧な文でした。 その丁寧さが固さとして表れたのかも知れません。 ライトノベルに有りがちな燃え萌え要素やお色気要素などは描写されていません。 じゃあ何が綴られているのか、気になることでしょう。本作品に書かれていることそれは著者の死生観的な? 分かっていたら、もっと高評価をつけていますよ。察して! 期待していた内容よりも厭世観や陰鬱にまみれてなく、肩透かし感は否めません。 黄昏、逃走と題名にこそ偽りはありませんけれど、本書のストロングポイントが何なのかいよいよ分からず仕舞いでした。 不条理ややるせなさを欲している人にはオススメ出来ませんが、反対に 前向きなお話が好きな方は楽しめるかもしれません。

  • ロードムービーは徹頭徹尾ドライであるべきだ

    いわゆる「ロードムービー」的などこにも行けない二人の当ての無い旅路を描いた作品 個人的にこの手の作品は嫌いじゃないんだけど、読み終わった後で釈然としない感じが残った ロードムービーに何を求めるのか個人によって差があるのは仕方ないがそれでも自分が求めるものとは違った まず旅の途中ですれ違う人間に魅力が足りない。主人公・カラスの昔馴染みのエーコはメアリの存在を知った上での 嫉妬と絶望がウェット過ぎる。ロードムービーと言うのはドライさが命であって、情念が表面に出てしまい過ぎると クサ過ぎていけない。あくまで「行きずり」のお互いの事情に必要以上に踏み込まないのがキモなのだと思う 逆に列車内で出会った若過ぎる駆け落ちカップルに関しては書き込みが足りない。最低限の事情を聞きだした上で 「行きずりだからどうしようもない」と突き放さないと印象に残らない 色々とクサしてしまったけど、人類を「鬱」へと追い込む戦争の負の遺産「黄昏」は面白いアイデアだと思ったし その解決方法としての「黄昏の君」という存在や、それを政治の道具として利用しようとする勢力の存在も悪くない しかし、これらがロードムービーと食い合わせが悪過ぎるのが致命的だった。クライアントを裏切った殺し屋と 世界観の中心となる「用済みとなった黄昏の君」の逃避行が純粋に「どこにも行けない事を知った上での旅」で終われば 良かったと思うが、主人公は自分の逃避行の無意味さを語ったのにヒロインがそれをひっくり返して生きる事への執着を 見せてしまった事でドライさが失われロードムービーのドライさが無くなってしまった 行く当ての無い人間が行きずりの出会いを繰り返し、最後に「どこにも行けない」という現実を突き付けられるロードムービーとして描いて欲しかった 個人の趣味全開のレビューになって申し訳ないが、自分としては「もったいない」という思いが残った

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