シュレディンガーの猫探し (ガガガ文庫 こ 4-1)
受賞時題名『令和生まれの魔導書架〜全天時間消失トリック〜』を『シュレディンガーの猫探し』に改題して刊行されたガガガ文庫作品。探偵嫌いの少年と、謎を解くのではなく神秘として残そうとする「迷宮落としの魔女」が出会い、ミステリーとファンタジーの境界で知恵比べを始める。
作品情報
謎を解く探偵に抗い、魔女は謎を神秘のまま迷宮へ落とす。
第14回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作。刊行時には『シュレディンガーの猫探し』へ改題され、シリーズ化された。妹にまつわる不思議な現象をきっかけに、主人公は探偵事務所ラビリンスで焔螺と出会う。真実を求める探偵と、神秘を守る魔女の対立が物語を動かす。
レビュー要約
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ミステリーの約束事を逆手に取り、謎を解く快感ではなく謎を残す美学を前面に出す点が特徴。語り口や世界観の癖は強いが、その神秘性を魅力として読む反応が目立つ。
書籍情報
- 出版社
- 小学館
- 発売日
- 2020-06-18
- ページ数
- 311ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784094518573
- ISBN-10
- 4094518576
- 価格
- 350 JPY
- カテゴリ
- 本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル
探偵嫌いの僕と迷宮落としの魔女 妹にまつわる不思議な現象、「やよいトリップ」。未来視とも思えるその力が原因で巻き込まれたとある事件をきっかけに、訪れた洋館。 洋館の表札には『探偵事務所 ラビリンス』。 そして、古めいた書架に囲まれるように彼女はいたーー。 魔女のような帽子に黒い服。書架に囲まれた空間そのものが一つの芸術作品のように美しい佇まい。 「解かれない謎は神秘と呼ばれる。謎は謎のままーーシュレディンガーの密室さ」 彼女ーー焔螺は、世界を神秘で埋め尽くしたいのだと言った。 「私は決して『探偵』なんかじゃない。神秘を解き明かすなんて無粋な真似はしないよ」 探偵じゃないなら、いったい何なんだ。 問えばふたたび、用意していたように即答だった。 「魔女さ」 まったく、時代錯誤も甚だしいと嘆かずにはいられない。 神秘的で、ミステリアスな一人の魔女に、この日ーー僕は出会った。 第14回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞受賞。 ゲスト審査員・若木民喜氏絶賛の新感覚「迷宮落とし」謎解き(?)開幕! 【編集担当からのおすすめ情報】 第14回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞受賞作。ゲスト審査員・若木民喜氏(『神のみぞ知るセカイ』『キング・オブ・アイドル』)も「わくわく感が素晴らしい。登場キャラと事件が魅力的で、子供のように楽しみました!」と絶賛した痛快エンターテインメント!
レビュー
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こういう感じ私は好きです
読んでいてちょっとモヤモヤする感じになりました。 多分ですが問題の最終的な解決をうやむや(迷宮入り)にさせて、フワッとした形で終わらせてしまう所がそう感じてしまう原因なのかなと・・・ でもそれが「シュレディンガーの猫」という思考実験を表しているんだと思います。 キャラも設定も好きなのでこれから先に期待して星4つです。
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ミステリーとしてどこかで見たようなトリックや設定の作品。
まず文章が読みにくいです。ライトノベルらしいインパクトのあるキャラを作ろうとしていますが、ガワだけ真似て魂込めずというやつで、薄っぺらく、魅力が薄いです。 西尾維新、円居挽、城平京、清流院流水あたりの縮小タイプとしか感じませんでした。 また大した事件でもないことを大袈裟に「事件だ」「謎だ」と持ち上げるので、ついていけないというか、頭大丈夫なのと聞きたくなる主人公達てどうなの?てかんじです。 一番最初の謎なんて、主人公が意図的に情報小出しの操作で、一種の叙述トリックではあるのですが、ようは嘘というか探偵や読者を意図的に騙す信用できない語り手で、読みにくい文章も相まって苛立ちしか感じませんでした。 主人公が信用できないというのは、この主人公がそうとう無知で社交性がなく、視野が狭い点でも問題です。 作中で、AでなければBしかない、みたいにして推理のワクと結論を狭めているのですが、それは常識的な範囲でも別の解釈あるだろと突っ込みいれたくなりました。 「最近見たものだから暗唱できるくらい覚えているのだろう」とかいったりもしていて、人間には短期記憶と長期記憶あって、むしろ暗唱できるほど記憶している場合は昔に時間かけて覚えた場合のほうが多いような・・・とかですね。 自分の都合のいいようにリアルの法則も作者さんが平気でねじ曲げてくるので、ミステリーとしては駄作です。 二番目の事件も、私はわりとよくある二つの離れたエリアで同時発生するトリックということで、本物と区別つかない偽物を本物とするトリックかと思っていましたが、より大がかりで特殊な現象がそこにはあったと後になってあかされるトリックでした。 そういうのってわりと観光名所として紹介されるから、登場した人物たちがまったく知らないような形ですすむのもおかしいと思いました。 もしかして、ぼっち気味で精神的に問題抱えていそうな主人公たちに説明されていなかっただけで事件でもなんでもなかったんじゃという疑いが。 特にこの島のモデルになったと思われる島が、沖縄の有名な観光地で、1日ベースでおきるものだけに、 トリックとしても一応頭の片隅の予測のひとつとしてありましたし、あまりのリアルと違いすぎる大嘘に違和感が凄かったです。 だいたいフランスの世界的有名観光地もこの現象おきるとこです。 これで騙せるのは、旅行の余裕がない学生か、大人でもよほどインドアな人間でしょう。 さらに「この現象は一年に一回しかおきない現象だ」て。あれは地形によりどの頻度でおきるかは土地により変わるから、そんな嘘つかれても。 法則が実は異なる異世界なのかな、この物語は? キャラの弱さとしては、謎が好きだから謎を残すために迷宮入りさせるという魔女も、ものすごい信念とか生きざまが見えない愉快犯レベルでしかないために魅力がありません。 アンチミステリとしてなら、知恵の神として人と化け物の世界を区切る役目をもつおひいさまとか、行動にそのあり方が絡まっているようなキャラほどではないです。 「36の同時密室だ」とか喜ぶものの、1200の密室殺人とかやった「コズミック」とかに比べると(あれも解決まで読んだときは本を壁に投げつけたくなったけど、ミステリーの思い込みをぶち壊す「コロンブスの卵」作品だっただけに)ショボい。 魔法とミステリーの組み合わせとありますが、その魔法もショボいので、科学で説明ができなくもないので、あまり融合できていません。これだと異世界でミステリー要素いれたものか、Fateのスピンオフミステリーのほうが面白く、出来がいいですね。 とりあえず、本来投稿作品を二分割した前半で、後半の二巻まで読んで欲しいとあとがきにあったので、そこまで読んで評価しようと思います(二巻発売まで読んで一巻読んだ上での感想を変える必要ないと判断して書いています) この作品はネットで西尾維新的という声もありますが、主人公の本質が違います。 まずこの作品の主人公は、時に他人に攻撃的で嘘をついたりなどもしているのに、なぜか周囲に優しくされ、甘えて助けられたりもします。このへんはまあリアルな学生というか子供らしいので、共感する人はいるかもしれません。 まわりに攻撃的で甘えても、自分を理解して甘えさせて助けてくれる人が現れるという「甘え」を期待するところとか。 逆に西尾作品だと、「助けて欲しかった」ということを言った相手に「甘えるな」と発言したり、「自分を救うのは自分だけ」というように、実は人に厳しいというか、甘えを許さない自助努力を要求する。 またこの作品の主人公が高二病的なのにたいし、西尾維新作品は高二を通り越して中二的です。 ジャンプで連載したり、影響を受けたと西尾維新さんが語るなど、まっすぐで熱い言動で状況を打破するのが多いです。 この作品の主人公が冷笑的でありながら後ろ向きなのと真逆です。どちらかというと「めだかボックス」でマイナスとよばれた面子に近いメンタルです。 もっともそうやって頑張れる人間が「アブノーマル(通常でない)」名称が与えられるなど、西尾作品でもそうやって前向きに行動できる人間を「ふつう」とは思ってないでしょうが。 だから、ある意味主人公像としては、この作品の主人公の方がふつうの人間に近く、ある種の共感を覚える人がいるのではないかと思う。
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キャラ良し設定良し。肝心のミステリがいまいち
謎を解くのではなく、誰にも解けなくする「迷宮落とし」が目的という変わった趣旨の日常ミステリ。 キャラは全員独特で、かつ違和感もそれほどない。ヒロイン絡みの設定も興味深い。 一方で、ミステリ面に関してはいまいち面白くないというのが感想。 元々のトリックが平凡なのはともかく、それを迷宮入り(落とし)させる過程に意外性も納得感も薄い。 各エピソードは謎を解こうとする探偵との対決の形式を取るのだが、戦略や駆け引きの要素も少ない。 正直、設定倒れの感は否めない。キャラ同士の掛け合いが目当てなら買ってもいいかもしれない。
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ごった煮もうまく混ざらず
※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります 解かれない謎を愛し,そのために誤った推理で真相と真実を操る魔女の存在など, 設定自体は面白そうに映りましたが,肝心の謎と彼女が組み立てる『仮説』が弱く, 形にはなっているものの,どこかもどかしく,解決による気持ちの良さもありません. また,未来視というSFじみた要素や語り部の少年の家族,もちろん魔女や魔法と, ミステリーとは縁が薄そうなあれこれが,ミステリーを含めて潰し合いをしており, ごった煮は悪くないのですが,うまく混ざらず,どれもが中途半端になっているよう. 見せ場の終盤も,事態や置かれた状況の割には,今ひとつ緊張感や疾走感に欠け, キャラクタも揃ってはいますが,役割も含め,こちらもいささか魅力には乏しく…. 投稿作から大きく改稿,分冊となった(『あとがき』より)影響もありそうですが, 物語の芯を掴めずに終わってしまい,何か一つでも,強く残るものがほしかったです. ただ,挿絵については,各話の最後に見開きで一枚というのが印象的で良かったです.
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他作品のアレンジ
真相は真相として推理しつつ、都合の良い偽りの真相へ導くために仮設をたて推理(対決)する。 これ、円居挽のルヴォワールシリーズのキモそのまんまです。 こちらはミステリもシナリオも推理も弱い。 選考委員にある程度ミステリを読む人かルヴォワールシリーズを知っている人がいたら、最終選考には残らなかったのでは? キャラクターは悪くないので、小学生~中学生あたりなら楽しめるかもしれない。 若木民喜の評価とイラストレーターに釣られて購入したが、正直失敗だった。 今後もミステリを書いて売れたいなら、かなり勉強が必要そう。
関連する文学賞
- 小学館ライトノベル大賞 ガガガ文庫部門 第14回(2019年) ・審査員特別賞