日本の文学賞

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黒い雨

野間文芸賞

黒い雨

井伏鱒二

『黒い雨』は井伏鱒二の受賞作で、人物の内面と時代の空気を結びつけながら、人間の選択や記憶の重さを描く作品である。

原爆記憶戦争

作品情報

『黒い雨』は、個人の経験を通して時代の陰影を読ませる作品である。

井伏鱒二の『黒い雨』は、受賞当時の文学的関心をよく示す作品である。人物の心理、生活の手触り、社会の変化が重なり、静かな緊張を保ちながら読者を物語の奥へ導く。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
1970-06-25
ページ数
416ページ
言語
日本語
サイズ
14.8 x 10.5 x 2 cm
ISBN-13
9784101034065
ISBN-10
4101034060
価格
880 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

一寸さきは地獄だぞ。焼け死ぬぞ。 一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨の中を人々はさまよい歩く……。罪なき広島市民が負った原爆の悲劇。その実相を精緻に描く名作。 一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨のなかを人々はさまよい歩く。原爆の広島――罪なき市民が負わねばならなかった未曾有の惨事を直視し、“黒い雨"にうたれただけで原爆病に蝕まれてゆく姪との忍苦と不安の日常を、無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を人間性の問題として鮮やかに描く。被爆という世紀の体験を、日常の暮らしの中に文学として定着させた記念碑的名作。

レビュー

  • 原爆を知る上で必読

    酸鼻極まる描写。現代のような自己規制の無い生々しい描写で、核兵器のもたらす破壊の甚大さ、後々まで人体に与える影響の深刻さが伝わってくる。筆者の淡々と事実関係を客観的に記す筆致から、かえって静かな怒りが感じられる。

  • The book is a bit small, not for granny

    Excellent quality, but the book is a bit small, not for grandma. 品質は素晴らしいですが、少し小さいので、おばあちゃんには向きません。

  • 黒い雨感想

    日記形式で少々、私的には読みづらいと感じましたが、被爆後の広島市内の惨状がリアルに理解できました。頑張って最後まで読んだ甲斐がありました。

  • 原爆被害の様子がよくわかる

    原爆をおとされた国の人間として必須の読み物ではないかと思いました。最近の黒い雨訴訟で話題になり再注目されました。今更ながら未読であった事が恥ずかしく、急いで読みました。 生死をさまよう中での詳細な記憶や記録から人間の底力を感じました。

  • 日本国内でも差別が…

    まだ、日テレの「24時間テレビ」が良心派であった頃、ドラマとして 放送された。 主人公の姪は、核の被爆地にはいなかったが、黒い雨を浴びて被爆し 長生きが出来ないとして、次々と縁談が断られる。 ほぼ100%婚約者となると思われた男も、親族から猛反対を受け 土下座をして、こちら側に破談としてもらった 最後は、主人公が寝たきりの姪を看病しながら、原爆投下の当時の 地獄絵図を回想する場面で終わる 原作小説には、地上波のTVドラマとしては放送できない、被爆者の 事細やかな痛々しい怪我の病状が描写される 最後は8月15日の終戦の日で終わる 一般的には、玉音放送の「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」の 部分で、国民は敗戦を知ったと伝えられるが、中には「これからが 本当の米軍との戦争だ!」と、竹やりを構える者が出るなど、玉音放送の 取り方は十人十色で、全ての国民が敗戦を認識するには、しばし 時間が掛かったと見られる 現在、これを書いている2025年3月の今、世界で2つの大きな戦争が 揺らいでいる… 今年になって、米国でトランプ大統領が返り咲いてから、より「きな臭く」 なってきている 欧州各国が、核装備を強化していく動きまで… 「第3次世界大戦」が、いよいよ現実味を帯びてきている… 世界戦争になれば、確実に「世界核戦争」になる… 「日本被団協」がノーベル平和賞を受賞したが、なぜか受けた日本国内で 「世界から核兵器を無くせ」という主だった動きは見られない。 実際に「第3次世界大戦」が起き「世界核戦争」と体験しないと、その恐怖や 愚かさを理解できない国民ならば、あまりに悲劇だ…

  • 歴史があって今の平和がある

    原爆による黒い雨の影響を受けた家族の物語。 わけもわからぬうちに放射線を浴び人生が狂ってしまった悔しさが、日記帳の文章からヒシヒシと伝わる。平和な恵まれた時代に生きる私たちは、この本を通じて歴史を胸に刻むと共に、自分たちが持つ悩みの小ささに気づくことができる。

  • 原爆の悲惨さよりも知識の無いことの悲惨さを感じた。

    原爆は、爆発事態の威力も大きいが、その後の効果の威力も大きい。放射性物質を含むほこりが舞い戻る黒い雨。目立った外傷が無い被ばく。すでに食料が乏しく、交通状況も悪い中で、どうしたらいいのか、何が進行しているのかわからない。戦闘の前線ではないので、状況は悪くなる一方で、どんどん追い詰められ感は増大していく。 抗生物質は無く、鎮痛剤でさえわずかしかない。... 最初の日の一回の診察で使い切っています...街には普通に死骸が沢山あって、生きている人は痛みを耐えながら、食事を探したり、家族、遺骨を探しにさ迷う。 そんな不安な状況がつづられていきます。親、祖父母の世代でさえこんなに不便な時代だったと思うと驚き。

  • 井伏鱒二が広島原爆を記録として残しているのを知らなかった。

    戦後77年を経過した今でも「黒い雨裁判」が行われており、その原型となっているのが本書である。 原爆投下で巨大なキノコ雲が発生し、雷が鳴り放射能の雨が降ったことが想像できる。 黒い雨が降ったことが克明に描かれており、被災者の悲惨な状況が良く分かる。 英語版も出ており、英語圏の人たちにも読んでもらいたい本である。 井伏鱒二が書いていることに意義がある。

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