日本の文学賞

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熱帯樹 (新潮文庫 み 3-36)

岸田演劇賞

熱帯樹 (新潮文庫 み 3-36)

三島由紀夫

『白蟻の巣』は、三島由紀夫が1955年に青年座へ書き下ろした長編戯曲。ブラジルの珈琲農園を舞台に、農園主夫妻と運転手夫妻の関係が愛憎と疑念のなかで絡み合い、人間の内側を食い荒らす欲望を白蟻の巣のイメージに重ねる。

戯曲愛憎劇夫婦関係ブラジル移民社会欲望と破滅

作品情報

ブラジルの農園に築かれた愛憎の巣が、人間関係の内側を静かに食い破っていく。

『白蟻の巣』は、三島由紀夫が1955年に青年座のために書き下ろした三幕の長編戯曲で、同年の岸田演劇賞を受賞した。1956年に新潮社から刊行された単行本には「白蟻の巣」「船の挨拶」「三原色」が収められている。現在は新潮文庫『熱帯樹』に「薔薇と海賊」「白蟻の巣」など代表的戯曲とともに収録され、作品を読むことができる。ブラジルの珈琲農園という遠い舞台を用いながら、夫婦、欲望、疑念、支配の関係を濃密に描いた三島初期の重要戯曲である。

レビュー要約

  • 上演紹介では、複雑な四角関係を描く愛憎ドラマとして親しみやすさを示しつつ、その奥で人間の深淵をえぐる戯曲として評価されている。流麗な文体と刺激的な展開が、舞台上で強い緊張を生む点も注目されている。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
1986-02-01
ページ数
305ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784101050362
ISBN-10
4101050368
価格
781 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

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レビュー

  • 読み切れてないけど大事にしたい。

    まだ全て読み切れてませんが、 購入して満足しています。大事にします。 読むと郁子さんが蘇るみたいです。

  • 三島初の恋愛劇

    本書には三島戯曲の3編が収録されているのだが、中でも「薔薇と海賊」は著者の恋愛劇第一号である。全編を通じ、異常(三島による定義ではなく、世間でいうところの「異常」)な愛が横行している。 笑いどころも多く、カテゴリーは喜劇なのだが、三島はあえて副題に「悲劇三幕」をえらんだ。彼がことこだわったのはラヴシーンであり、その感情は真率で自意識も羞恥も懐疑もなく、そしてとてつもなく甘く描かれているのだが、この喜劇の中でラヴシーンだけは厳粛に取り扱われている。そのギャップがまたこの喜劇さらに興味深いものにしている。 三島由紀夫のユーモア、愛へのアプローチ、そしてドラマチックな展開に絶対満足!

  • 三島らしいレトリックも

    人からもらったまま長らく放置していた本書だが、2019年の世田谷パブリックシアター公演『熱帯樹』がNHKで放映されたのを見て、やっと読んでみようという気になった。 兄と妹の近親相姦みたいな話だが、発想の原点にはフランスで実際に起こった事件があるらしい。「肉欲にまで高まった兄妹愛というものに、私は昔から、もっとも甘美なものを感じつづけて来た」と三島は書いている。まあ、そういう意見もあるだろう。多様性は尊重しよう。 『薔薇と海賊』と『白蟻の巣』という戯曲も併録されている。『薔薇と海賊』には性欲を嫌悪する女と性欲を持たない男が登場する。「私たちには孤独なんてありはしない!」という俗な女に、主人公の女性が「そうでしょうよ、裸でいるときはね。でも着物を着るとすぐ孤独が来ます。二人乗りの自転車はあっても、二人で着られる着物はありませんから」というのは、冗談めいていながらけっこう深い。 『白蟻の巣』からも気になったセリフをひとつ。「世の中って、真面目にしたことは大てい失敗するし、不真面目にしたことはうまく行く。そうじゃない?」と主人公の妙子。三島らしいレトリックである。

  • 近親相姦&マザーコンプレックス

    三島のイメージを代表する概念として、近親相姦とマザーコンプレックスとが挙げられるのではあるまいか。『熱帯樹』は、まさしくその二つを混合した戯曲で、三島ファンのわたくしにとっては、非常に興味深い一冊であった。

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