日本の文学賞

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火宅の人(上) (新潮文庫)

日本文学大賞

火宅の人(上) (新潮文庫)

檀一雄

檀一雄の遺作となった自伝的長編小説。家庭、放浪、恋愛、創作への衝動が激しく絡み合い、作家自身の生の矛盾を燃え上がるような筆致で描く。

私小説放浪家族戦後文学

作品情報

放浪と家庭、欲望と創作が、火宅の比喩の中で燃え続ける。

『火宅の人』は、長期連載を経て刊行された檀一雄晩年の代表作。作家の生活そのものに深く根ざしながら、無頼派以後の戦後文学が抱えた自由と破滅の感覚を大きな物語へ押し広げている。

レビュー要約

  • 作家の奔放な生の記録として読む声と、周囲を巻き込む痛ましさに目を向ける声が併存する。濃密な私小説性が、読者に強い疲労と引力を同時に残す。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
1981-07-28
ページ数
480ページ
言語
日本語
サイズ
14.8 x 10.5 x 2 cm
ISBN-13
9784101064031
ISBN-10
4101064032
価格
935 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

一郎は窃盗をやらかす。次郎は全身麻痺で寝たきり。弥太はまだヨチヨチ歩き。フミ子は鶏の餌を喰ってひよ子のように泣きわめく。サト子は生れたばかり。妻は主人の放蕩・濫費・狂躁を見かねて家出騒ぎ……。よしたとえ、わが身は火宅にあろうとも、人々の賑わいのなか、天然の旅情に従って己れをどえらく解放してみたい――。壮絶な逸脱を通して謳い上げる、豪放な魂の記録。

レビュー

  • 古書店にない商品が見つかりました。

    たいへん満足しています。

  • なるほどなぁと思いました

    檀一雄氏のメチャクチャな人生の記録 “正しくない”という事なのでしょうね 正しくないけど、面白い? 倫理的ではないかもしれませんが、誰も不幸にはしていない? 沢木耕太郎氏の檀で妻の視点を見たので、夫と愛人の視点を見ようと思いました なるほどなぁと思いました 面白い人生経験となる作品読了だと思いました

  • 私小説? 小説の体をした日記? エッセイ?

    映画やドラマになっている有名な作品なので読んでみました。 タイトルが『法華経』からとられているのも気になりましたので、 読み初めは文学的な香りがして少しく期待させるのですが、 読み進めていくうちに何か違うのかな・・と感じはじめ、 私小説? 小説の体をした日記? エッセイ? おそらく作者自身の生活をそのまま書いているのでしょうけれど、 面白くありませんし、文章が優れているとも思えません。 なぜ評価がこうも高いのか不思議です。 作中に太宰の名前がやたらと出てきますが、 太宰治の作品を読み返した方が良いくらいです。 あと内容が仏教的とか、特に法華経に何か関連しているとか、 そういう事はありませんでした。

  • 昭和のお父さんの憧れか

    全男性の憧れじゃないでしょうか。

  • ありがとうこざいました。

    ありがとうこざいました。

  • 哀しいまでに孤独な人

    無頼派作家檀一雄の代表作。哀しいまでに孤独な男(=作者自身)を描いた小説である。私小説の極地と言うより、事実をそのまま綴ったもの。 一見、家族を捨て、愛人と自由奔放な生活を送る粋人と見えて、実は何処にも行き場所がない寂寞感に溢れた男の姿が伝わって来る。それでいて、家族との絆が切れない不思議な関係も伝わって来て微妙な思いに捉われる。作者が唯一できる小説書きの仕事も、書くネタがなく、事実をありのままに書くしかない(=本作)という無能の人が、その無能ぶりを晒すしか他に生きるすべがないと言う自嘲と諦念。それでも、作者には何か未来に希望を見い出す生来の無意識な明るさが備わっているように感じられる。 作者が自己卑下の中、自分の居場所を見い出せないでいる男の寂寥感を綴った作品。

  • こんなに素晴らしい作家だったとは。。。

    一気に読みました! 沢山の作品を世に出されているのに、Amazonで購入できなくて非常に残念。 著者が生きていた時代より、今の時代のほうが合っているんじゃないかな。

  • ただただ放埓

    作家の本谷有希子さんが、「人生に影響を与えた本は何ですか?」という問いに対して本作を挙げており興味を持った。 本谷さん曰く「人はどういうふうに生きてもいいのかもしれないと思わせてくれた本でした」とのこと。 私小説という形だが、ほぼ作者自身の人生。 裏表紙の「わが身は火宅にあろうとも、人々の賑わいのなか、天然の旅情に従って己れをどえらく解放しみたい」というのが端的に作者の思想を表しているように思われる。 家族を放置し女と酒と旅に溺れるのだが、普通はここまで貫けない。 気質、体力(+財力)に驚愕した。 世間体や社会常識に囚われない姿勢は参考にしたいが、最後に孤独の喜びを知るところに人間の宿命を感じる。

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