作品情報
白馬岳の頂へ巨石を運ぶ男の背に、人間の意地と山の過酷さがのしかかる。
「強力伝」は、1955年に朋文堂から刊行された新田次郎の山岳小説で、直木賞受賞作として知られる。物語は、白馬岳山頂まで巨石を背負い上げる山男を描き、山という厳しい環境の中で、人間の意地、名誉、友情、破滅の気配を浮かび上がらせる。現在は新潮文庫『強力伝・孤島』に「八甲田山」「凍傷」「孤島」などとともに収録され、ISBN 9784101122021 で入手できる。
レビュー要約
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山を知る作家の実感が生きた短編集の中心作として紹介され、過酷な自然を背景に人間の本質を掘り下げる力が評価されている。無謀な計画に挑む男の姿が、単なる冒険談を越えて強い余韻を残す。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 1965-07-30
- ページ数
- 320ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-13
- 9784101122021
- ISBN-10
- 4101122024
- 価格
- 737 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
山岳小説に新境地を拓いた、著者の初期短編集 50貫(約187キロ)もの巨石を背負って白馬岳山頂に挑む山男を描いた処女作「強力(ごうりき)伝」(直木賞受賞)。富士山頂観測所の建設に生涯を捧げた一技師の物語「凍傷」。太平洋上の離島で孤独に耐えながら気象観測に励む人びとを描く「孤島」。明治35年1月、青森歩兵第五連隊の210名の兵が遭難した悲劇的雪中行軍を描く「八甲田山」。ほかに「おとし穴」「山犬物語」など全6編。 “山"を知り“雪"を“風"を知っている著者の傑作短編集。 目次 強力伝 八甲田山 凍傷 おとし穴 山犬物語 孤島 解説 小松伸六 本書収録「八甲田山」より 八甲田山に月が懸っていた。 月の光りは疎林の影を長く雪の上に引いて、沢から吹き上げてくる風が、時々飛雪のベールを作って、視界をさえ切っても、隊伍を崩すまいと、必死に歩いてくる兵隊達の顔が、どうやら判別できるほどの明るさだった。 今成大尉は部隊に小休止を命じて、地図を開いてマッチをすった。歩いて来た道から判断して、地点は馬立場であることは疑いなかった。 本書「解説」より 「強力伝」は前述したように昭和三十年第三十四回の直木賞をうけた。当時の選評では、「文章はゴツイが、作品の印象は鮮明」(永井龍男)、「文学青年やつれのない作品、謙虚だが素直に書けている」(井伏鱒二)、「特殊な世界の物語だが、授賞対象の意識を忘れて感心した」(川口松太郎)といった批評がみえる。たしかに新田氏の文章は、具象的、直截的でムダがなく、文学青年じみた汚れがみえず、人間が生きているのである。 ――小松伸六(文芸評論家) 新田次郎 (1912-1980) 1912(明治45)年、長野県上諏訪生れ。無線電信講習所(現在の電気通信大学)を卒業後、中央気象台に就職し、富士山測候所勤務等を経験する。1956(昭和31)年『強力伝』で直木賞を受賞。『縦走路』『孤高の人』『八甲田山死の彷徨』など山岳小説の分野を拓く。次いで歴史小説にも力を注ぎ、1974年『武田信玄』等で吉川英治文学賞を受ける。1980年、心筋梗塞で急逝。没後、その遺志により新田次郎文学賞が設けられた。実際の出来事を下敷きに、我欲・偏執等人間の本質を深く掘り下げたドラマチックな作風で時代を超えて読み継がれている。
レビュー
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傑作揃いです
大体新田次郎さんの本は傑作が多いかと思いますが、この短編集、迫力があります。まず「強力伝」ですがさすがは直木賞受賞といった感じ、それまで個人的に抱いていた大衆ホルモン食堂的面白さとは一味違っています。読み進めていくとどれも今まで読んだことがある作品と違いやたらと文体が凝っていてむしろ"新田次郎さんらしからぬ"とすら感想を覚えました。結論としてすごい短編集だなと感じました。次も初期作品を読んでみる予定です。
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作者の会心の一作!
面白かったです。 主人公の壮絶なドラマにはショックを受けましたが、その文章の筆力と鋭さはリアルで説得力がありました。 作者の人生を賭けた大勝負の一作ですね!
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OKです
少々重くて何を書いてるのか解りにくい部分はあったが読み応えはある。
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良い
新潮文庫の新田次郎の文庫本を、全て揃えるきっかけに成った本。 引っ越しで、文庫本を処分してしまったので、購入。 新田次郎の小説は、引き込まれる。
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偉人の一人
日本人が知っておいてほしいこと。
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イヤー凄い表現力😆
イヤー楽しく読了しました それにしても凄い表現力にたまげ(方言)ました、私達がレビューなどおこがましい😰やはり凄い方なんですね
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良い時代だったか?
表題と同じ。表現が今読むと新鮮。小説の題材になり対象が新鮮。良い時代だったか、不便な時代だったか、経験したい気もする。
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過酷な自然との闘い
過酷な自然との闘いが、さまざまな形で描かれている短編集です。 安西祐一郎の『問題解決の心理学』に、強力伝が引用されていて興味をもち購入。 強力伝も楽しめましたが、個人的に好きな作品は『凍傷』。 佐藤の富士山頂永年観測所への執念には凄まじいものがあります。