日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
青べか物語 (新潮文庫)

野間文芸賞

青べか物語 (新潮文庫)

山本周五郎

山本周五郎の『青べか物語』は、根戸川下流の漁師町に住み着いた語り手の目を通して、町の人びとの暮らしを描く自伝的な長編である。貧しさや猥雑さを含んだ生活が、温かさと哀しみを帯びて立ち上がる。

漁師町庶民生活自伝性人情浦安

作品情報

小さな青べか舟が、漁師町の人情と哀歓を運んでくる。

文藝春秋新社の単行本を初出とし、新潮文庫などで長く読まれている代表作。新潮文庫新装版のISBNが確認できる。

レビュー要約

  • 町の人びとを裁かずに見つめる語りと、滑稽さの裏にある寂しさが多くの読者に残る。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2018-12-22
ページ数
388ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 1.3 x 15.1 cm
ISBN-13
9784101134840
ISBN-10
4101134847
価格
781 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

騙し、騙されるのに、なぜか幸せだったりする―。 若き日の周五郎が見た「人間の生」。うらぶれた漁師町で暮す人々を切々と描く現代小説。 根戸川の下流にある浦粕という漁師町を訪れた私は、沖の百万坪と呼ばれる風景が気に入り、このうらぶれた町に住み着く。言葉巧みにボロ舟「青べか」を買わされ、やがて“蒸気河岸の先生”と呼ばれ、親しまれる。貧しく素朴だが、常識外れの狡猾さと愉快さを併せ持つ人々。その豊かな日々を、巧妙な筆致で描く自伝的小説の傑作。 沢木耕太郎「山本周五郎と私 青春の救済 山本周五郎」、服部康喜「解説 若き周五郎、人生の海に漕ぎ出す」を収録。注釈付文字拡大新装版。 目次 はじめに 「青べか」を買った話 蜜柑の木 水汲みばか 青べか馴らし 砂と柘榴 人はなんによって生くるか 繁あね 土堤の春 土堤の夏 土堤の秋 土堤の冬 白い人たち ごったくや 対話(砂について) もくしょう 経済原理 朝日屋騒動 貝盗人 狐火 芦の中の一夜 浦粕の宗五郎 おらあ抵抗しなかった 長と猛獣映画 SASE BAKA 家鴨(あひる) あいびき 毒をのむと苦しい 残酷な挿話 けけち 留さんと女 おわりに 三十年後 山本周五郎と私 沢木耕太郎 解説 服部康喜 山本周五郎 (1903-1967) 山梨県に生まれる。本名は清水三十六(さとむ)。小学校卒業後、銀座の質屋で奉公、後に筆名としてその名を借りることになる店主・山本周五郎の庇護のもと、同人誌などに小説を書き始める。1926年、「文藝春秋」に『須磨寺附近』を発表、文壇デビューを果たした。その後15年近く不遇の時代が続くが、やがて時代小説の分野で認められはじめる。『日本婦道記』(1942-1946)で直木賞に推されるがこれを辞退、生涯で一個の賞も受けることはなかった。『樅ノ木は残った』(1958)、『赤ひげ診療譚』(1958)、『おさん』(1961)など次々と名作を発表し、人間に対する深い愛と洞察力で多くの読者の支持を得た。中でも『青べか物語』(1960)は著者畢生の名作として名高い。

レビュー

  • 良かった

    おもしろいほんです

  • 東京の場末とはいえこんな世界が最近まであった

    若き日の山本周五郎が綴った古い東京の町はずれの浦安の郷愁を湛えた本として、こんな時代があったのかと感じさせる本である。日本は最近までこれほど貧しくても、人間味あふれた人たちが生きていたのかと思わせる。そ家に比べるとカネの亡者になり果ててしまい、首相から大臣を始め国会議員までが、「今だけ、カネだけ、自分だけ」になってしまったも腐敗した自民党が君臨する現在の日本が、如何に人間味を喪失してしまったかを実感させてくれるという間が、江戸っ子が懐いた読後感である。

  • 山本先生、誤解されています。

    そんなスケベな人達ばかりじゃありませんよ!文章は上手だけど浦粕の人達を下に見ている書き筋にがっかりしました。山本先生、うちらエロい人達じゃありません。真面目な人達もいます。

  • 評価

    単行本は満点 配送はポストに入るサイズは ポスト投函にして欲しい。

  • 真新しい

    新品同様です。非常によかった。

  • 海辺の町浦粕、日本の原風景

    「季節のない街」の次に読んだが、こちらが原点と感じた。より自然でリアリティーがある。 どちらも日常に起こる信じられないような出来事とそれを受け入れざる負えない一種の諦め…これが、貧しかった頃の日本の原風景かもしれない。 現在の日本と比べ、なりふり構わず一日一日を精一杯生きる、人間もこの地球で生きる生物の一つだと再認識させられた傑作だ。

  • 孫の初めての山本周五郎

    泣きながらよんでいました

  • GOOD

    期待通りでした。

関連する文学賞