作品情報
櫂 を手がかりに、作品の来歴をたどる。
Amazon JP, NDL OPAC, 出版社公式の順で照合し、新潮社の紙書籍として確認した。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 1996-10-30
- ページ数
- 544ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-13
- 9784101293080
- ISBN-10
- 4101293082
- 価格
- 1045 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
渡世人あがりの剛直義侠の男・岩伍に嫁いだ喜和の、愛憎と忍従と秘めた情念。 戦前高知の色街を背景に自らの生家を描く自伝的長編。 『春燈』『朱夏』『仁淀川』へと続く、宮尾文学の精髄。 高知の下町に生れ育った喜和は、十五の歳に渡世人・岩伍に嫁いだ。芸妓紹介業を営み始めた夫は、商売にうちこみ家を顧みない。胸を病む長男と放縦な次男を抱え必死に生きる喜和。やがて岩伍が娘義太夫に生ませた綾子に深い愛をそそぐのだが……。 大正から昭和戦前の高知を舞台に、強さと弱さを併せもつ女の哀切な半生を鮮烈に描き切る。作者自らの生家をモデルに、太宰治賞を受賞した名作。解説・加賀乙彦。 【映画化】 1985年公開。監督:五社英雄。 出演:緒方拳、十朱幸代、石原真理子、草笛光子、名取裕子、森山大蔵 - 島田正吾ほか 本文より 女子(おなご)は年頃になれば、誰に教えられたわけでもないのに、生れた家が己の死場所ではないことが、ひとりでに判って来るように喜和には思える。他家から入って来た里江がこの家に馴染み切ってゆくのと入替りに、この家の娘は此処から出てゆくのが、それもなるべく早く出るのが親孝行なのだと躰からして弁(わきま)えが出来上って来るように喜和には感じられる。 それだけに、岩伍との約束が出来た当座は心が浮き立つように嬉しくて、喜和は思うことをよく何でも口にした。……(本書40ページ) 本書「解説」より 人物がそれぞれ独特で面白い。とくに喜和という女性が、女の弱さと強さと、嫉妬と愛と、喜びと悲しみをそなえて、忘れられぬ造形となっている。夫の岩伍は、短気な乱暴者で博打にふけり家をかえりみない極道者だが、どこか憎めないこっけい味のある男である。綾子の先生たちや友人たちも、それぞれに陰影深く描けていて、作品の奥行きを増す役目を十全にはたしている。長編小説を読む喜びを、この作品は存分にあたえてくれる。 ――加賀乙彦(作家) 宮尾登美子 (1926-2014) 高知市生れ。17歳で結婚、夫と共に満州へ渡り、敗戦。九死に一生の辛苦を経て1946(昭和21)年帰郷。県社会福祉協議会に勤めながら執筆した1962年の「連」で女流新人賞。上京後、九年余を費し1972年に上梓した「櫂」が太宰治賞、1978年の『一絃の琴』により直木賞受賞。2009(平成21)年文化功労者となる。他の作品に『序の舞』(吉川英治文学賞)『春燈』『朱夏』『寒椿』『宮尾本平家物語』『錦』など。
レビュー
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大衆文学の名作!
まさに「女の一生」です。それを高知という地方の四季の風物と大正から昭和という時代の匂いの中に描いています。話にはぐいぐい引き込まれる面白さがあり、登場人物たちの描写は緻密で生き生きとしています。文章は源氏物語を思わせるあでやかさで、着物や料理、草木に至るまでその細やかな描写は読む者をすっかり小説の世界の住人にしてしまいます。まさに大衆文学の名作です!
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美しい情景と心理の描写
私は最近の若い人がエモいとかいう言葉を使うのが気に入りません。ジェネレーションギャップはいつの時代もありますが、きちんとした敬語も小学校の科目のうちに入れたらいいと思います。英語やプログラミングもいいですがきちんとした書物を読んでいただきたいと思います。これは非常にきれいな日本語で書かれています。ただ少し女性が耐え忍びすぎかなと思ったので星4つにしました。
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面白い
主人公の人生にハラハラしながら一気に読みました。
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旅人
図書館で探しても、なかなか見つからなかったので、助かりました。
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きれいな状態
母が読みたいとの事で、探していました。本屋さんには在庫も無かったので、アマゾンで直ぐに見つかって良かったです。 注文してから直ぐに送って頂き、母に喜んでもらえました。 中古との事でしたが、とてもきれいな状態で、梱包もしっかりしていました。
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期待外れでした
注文時には16日~17日着と表示されていたが、17日の夜に20日到着に変更と連絡が入った にもかかわらず本日18日に本が到着し、綺麗な本と書いてあったが表紙が破れていて、様々な点で期待外れでした
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宮尾登美子の生涯の一部を母親の目から描く
母喜和の生涯を、母の視点から娘が描いた小説・・・・・である。昔映画をちらりとみて、印象が強く忘れずにいたが、この作品が 原作であるとは、知らず、読んでいくうちに気付いた。映画とは、細かい点が異なっており、 映画より、この作品の方があらゆる点で強烈であった。映画では、女義太夫が手放した娘会いたさに大悟の家にふらりと 何度もやってくる場面があった。心を痛くしながらその風景を思い出すこともあったが、そのようなくだりが原作にはないことを知り、 色恋だとかそういうことより、生活にまつわる経済的な辛苦が主題になっているのだと、気づいた。喜和の夫には 同情すべきところが多く、喜和の視点で書かれながらも、喜和が愚かしく思えるのは、筆者の力であろうと思った。 女流作家の中では、読むべき部類だろうと思う。色恋を情事として描かず生活苦の一部として描ける作家は他に、鷺澤萠などぐらいではなかろうかと 思うのだが、どういう因縁があられるのか自衛隊ばかりを主題に描く湊かなえであるとか、日本語がガタガタの吉本ばなななどや、情事ばかりを丹念に描く唯川恵や山田詠美などが有名になって、話題になっているのは、本当に不当である。
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特になし
特になし
関連する文学賞
- 太宰治賞 第9回(1973年) ・受賞