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ぬるい毒

野間文芸新人賞

ぬるい毒

本谷有希子

『ぬるい毒』は、本谷有希子による長編小説です。受賞対象として記録される作品で、題名が示すイメージと作者の関心を手がかりに、人物や土地、記憶、感情の動きを描きます。

心理支配執着

作品情報

『ぬるい毒』は、本谷有希子の表現を受賞作として伝える長編小説です。

『ぬるい毒』は、本谷有希子による長編小説です。受賞対象として記録される作品で、題名が示すイメージと作者の関心を手がかりに、人物や土地、記憶、感情の動きを描きます。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2011-06-01
ページ数
133ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784103017745
ISBN-10
4103017740
価格
1200 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第33回(2011年) 野間文芸新人賞受賞

レビュー

  • 嫌なやつしか出てこない

    自分がちょうど23歳のタイミングで読んでみた。 嫌なやつしか出てこない。 向井を福山潤で脳内再生したらなぜかしっくりきた。

  • 女子におすすめ

    自意識の虜になった人の描写が上手い。

  • 誰でも輝く、魔法の4年間。

    「桐島、部活やめるってよ」が高校のスクールカーストを描いた作品としたら、これはその先、高校でカースト下位だった女子、熊田が高校卒業後に(たぶん)もっとも輝いた4年間を描いている。 東京と田舎、男と女、有名大学と地元の短大、マスコミと運送会社…高校を 卒業したあとは、本当の格差が待っていた! 垢抜けなかった高校時代を払拭するように振る舞う熊田だが、同級生奥出の友人、向伊により、自分自身を、彼氏を、両親を、徹底的に貶められる。東京に出てきた熊田は「トラック運転手たちにたくした細菌」を頼りに向伊たちのぬるさを糾弾しようとするが、呑み込まれる。その後熊田が東京で何をしていたかは明かされていない。というかこの小説、大事なところはほとんど描かれていないのだ。あれ?大事なところってなんだろう? 熊田がどんな風に原と付き合ったか? 向伊との情事? 東京で何をしたか? そうじゃない。それは別の小説に任せればいい。熊田の怒り、悲しみに胸を震わせながら、自分の中にもいる向伊、奥出、野村の姿に汗をかく。ああ、こういうのって純文学だよね、と思う。社会の格差に怒るもよし、人間とはこういうものだ! と膝を打つもよし、自意識過剰な熊田をあざ笑うもよし。格差なんてなくなっちゃえ! と思うなら、長尾謙一郎「クリームソーダシティ」に描かれているように、マルクスの導きで楽園に行く物語を読むもよし、情事ではなく、その前の前の前の段階の心のディティールに興味をもったら、保坂和志「カンバセーションピース」のように、事件以前の事件、事件後の事件、すなわち日常の奥深さに目を瞠るもよし。個人的な最近の読書と絡めて語ったが、たぶん、誰でもそんなことができるし、そういうことをさせたくなる本だ。あ、これって熊田の細菌にやられてるってこと?

  • まるで韓国ドラマのよう

    女性に対する容姿のことを、かなり露骨に書いていて、今ならば(これは令和7年7月に書いています)かなり問題となる内容です。向伊という人間の言動からは、読んでいてフジテレビを窮地に陥れたN氏のことが思い浮かびました。ですから、普通に考えると、向伊という人間は小説のような虚構の世界にしか存在しないと割り切れますが、実際に向伊のような人間が現実世界にも居るのではと、妙にリアリティーを感じてしまいました。

  • 23歳かわいいオンナであるが、幼い。セックスができても大人になれない。ようするにぬるい。

    芸能人のようにかわいいと言われている熊田から うつる 心象風景みたいな物語。 高校時代は あまり目立たなかったようだ。 でてくる登場人物が 熊田から見ているのであるが、距離感が あまりない ようで、 人物としても浮かび上がらない。 それに対して 熊田のこころの中で起こる様々な言葉や感情が 吐き出される。それが じつに つまらない。 向伊というオトコが それが 熊田好みのオトコみたいで 現れて、物語は 進行するが、 その物語は つねに 熊田の願望が 反映している。 とにかく、向伊は、持てるオトコのようで、 好きな女の子と同棲しているが オヤジがヤクザで別れられないらしい。 それでも、熊田は 向伊との関係を深めていき、家にも つれて、一緒に風呂に入ったりする。 つきあっている彼女も 5人いるそうだ。どこが 魅力的なのか 皆目見当もつかないが 熊田はそれでいいようだ。 熊田は 自分のまわりの奴らを ぬるいと言っているが 実は、一番ぬるいのが 熊田 ということだ。 結局 23歳までの 幼い感情であるが、どうも、中学生ぐらいしか感情は育っていないようだ。 簡単に言えば セックスはできても、大人になれない。 とにかく、熊田と言う主人公は ぶつくさいいながら 向伊の言いなりになっていく、決断力のないオンナなんですね。 いまどきの オンナの生態学 としての素材かな。 読みにくい文体が 成功しているとも言えそう。

  • 自家中毒という名の自意識肥大

    20歳前後には、ある種の人は、自意識過剰になりやすい。内に自己愛を秘めたまま、周囲に対しては憎悪を懐かずにいられなくなり、矛盾の塊と化す。神経をとがらせ、死に限りなく近づく。社会と自分との関係を掴もうともがき始めた時期だったと、後で分かる。 自意識を肥大させた人間の生み出す幻想の世界がここにある。作者の体験を基にしているにちがいない。「ぬるい毒」とは自分の内部に巣くう世界に対する違和感から来る自家中毒の謂ではないのか。だから、5年たつと何事もなかったかのように消えて行く。一過性の「はしか」のように。稀に、これにより命を落とす人もあるが、ほとんどの人はそんな病気に罹ったことさえ忘れてしまう。 残念ながら、毒が「ぬるい」だけに、結末もぬるい。

  • めんどくさい話

    支配される女は、支配されるていで、斜めから支配する男を観察するというめんどくさい話。 一年毎に連絡をしてくる男の奇妙なアプローチによって、愛というにはほど遠い歪んだ感情で言うがままになる主人公。主人公の態度と内面の乖離のあらわし方が絶妙すぎて、思わず著者の人物像と重ね合わせてしまう。 男に対して絶対的な嘘を求める主人公の心の動きは、タイトルの”ぬるい”を意味しているのだろうか。 酷い言葉が発せられたはずのシーンはストレートに書き表されていないのだが、味があるというよりストレスがたまってしまったよ。

  • で…?

    芥川賞候補作であったらしい。 長嶋 有『祝福』でもレビューしたが、芥川賞作品はどうしても楽しめない。 『祝福』は、ありきたり(でもちょっと変な)日常を描いていて、物語の“意味”はわかるのだが 作者の“意図”が分からない。 本作品は“意味”はわかるし、“意図”もうっすらとわかるのだが、“で…?”って感じ。 心根のいやらしい“ぬるい毒”をじわじわと放つ男とその“毒”にからめとられる馬鹿な女の恋愛小説? なのでしょう。 でも、“で…?”って感じ。 芥川賞で言えば、吉田修一“さよなら渓谷”は、同じく不可解な恋愛を描いていますが、不条理ながらも 抉り取られる様なせつない人間の“業”の様なものが感じられ☆☆☆☆☆なのですが…

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