日本の文学賞

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夕陽の河岸

川端康成文学賞

夕陽の河岸

安岡章太郎

安岡章太郎が、伯父の死と墓地をめぐる記憶を通じて、家族史と老いの感覚を静かに掘り下げる短篇。過去を語り直す筆致に、時間の隔たりと情の濃淡がにじむ。

短篇小説家族史記憶老い第三の新人

作品情報

墓地をめぐる記憶が、家族の時間を静かに呼び戻す。

第18回川端康成文学賞受賞作。短篇集『夕陽の河岸』に収められ、安岡章太郎らしい抑制された回想と生活感の中で、死者との距離を描く。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
1991-08-01
ページ数
205ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784103219057
ISBN-10
410321905X
価格
7 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

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レビュー

  • 懐かしい風景、あたたかい心情の伝わってくる佳作集

    昭和の終わりから平成の初めにかけて書かれた小品10篇。著者六十代後半から七十代の作品。戦後、土葬が禁止されてからも旧来の風習にこだわって土葬された伯父の思い出「伯父の墓地」、父と母の結婚までのいきさつを日記や親戚の言葉をつなぎ合わせて再現した「春のホタル」、陸軍幼年学校に進むも十代半ばで病死した幼なじみについて綴った「夕陽の河岸」など、亡くなった人たちに想いをはせる作品が多い。歳をとればとるほど昔の思い出が鮮やかに蘇ってくる。小学生の頃、学校に行くのがいやで、墓地で弁当食って帰ってきたという自称落ちこぼれの著者の語る思い出はどこかあたたかみかある。昔もそういう不登校の子どもはけっこういたらしい。他に犬好きの著者らしい「虫の声」、「犬」など。個人的には「春のホタル」が印象深かった。

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