日本の文学賞

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ふがいない僕は空を見た

山本周五郎賞

ふがいない僕は空を見た

窪美澄

性、家族、孤独を抱えた若者たちの姿を複数の視点で描く連作小説。痛みを避けずに見つめながら、生き延びるための小さなつながりを浮かび上がらせる。

青春家族孤独

作品情報

窪 美澄の『ふがいない僕は空を見た』は、受賞記録に残る作品として作品単位で整理した。

『ふがいない僕は空を見た』について、NDL Search の書籍レコードで ISBN とページ数を確認した。採用した識別子は単行本・文庫など書籍形態のレコードに限定し、雑誌号や記事、音源などの識別子は使用していない。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2010-07-01
ページ数
232ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784103259213
ISBN-10
4103259213
価格
900 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第24回(2011年) 山本周五郎賞受賞 第8回(2009年) R-18文学賞受賞

レビュー

  • 十年経っても思い出す場面

    2014年にAmazonで買って2025年の今も折に触れて思い出すのが、ばあちゃんを探しに行く描写なので、今更ながらにレビューを書く義務を感じた。 あのとてつもなく不穏でスリリングで学びもある場面がクライマックスだと思い込んでいたけれど、「ふがいない僕は空を見た」でネット検索すると大半の読者が性描写にばかり言及している。そんなに性描写が多い小説だったなんてすっかり忘れていた(今もすぐには思い出せない)。「セイタカアワダチソウの空」で検索すると自分と似た感想も見受けられたが。 ちなみに、短編集という位置づけになっているのも今知った。実際には視点を変えた章で1冊が繋がっているのだと感じる(初めの章が短編受賞作ではあったわけだが)。たぶん、性描写よりも、その性描写に至らざるを得ない過程や心理が丁寧に描かれているから、夢中で読み進められたのだと思う。その「過程や心理」は、当時、五十歳を過ぎていた私に大いにあった。 今ならSNSで即行糾弾されがちな登場人物たちの微に入り細をうがつ背景描写がたまらなく切なくて、愛おしくて、こういうもののために小説ってあるよね、と思う。何よりも、最も切ないあの登場人物に社会面で出会っていたら、私は目を背けていただろう。 読んだ当時の私はあまり積極的に本を買っていなかったので、なぜ本書を選んだのか覚えていないが、新聞にでも紹介されていたのだろうか。単純に題名に惹かれたのかもしれない。確かに当時の私は「ふがいな」かったし、そう感じる時には「空を見」ればいいのだと気づいたのもあの頃だったはずだ。そして、空が見えない場所が苦手だと気づいた時期でもあり、それは空が見えない場所に頻繁に出向くようになってしまっていたからかもしれない。 このデビュー作のあと、この女性作家が大活躍していたのも今になって知る。文庫は私の本棚の隅に「GO」「こころ」「源氏物語」と並んでいて、確かにその近くには「O嬢の物語」もある。

  • いい

    えげつないエロさあり、面白かった。

  • 心は晴れたのかなぁ

    私の世代では突拍子もない出来事が起きるミクマリですが、ラストの母親目線になり落ち着いて読むことが出来ました。 それぞれの世代、環境でのやるせなさ感を読み解いていく感じなのかなぁ。 私的にはラストの二編がオンバーラップするわけではないのに共感を持ちました。 面白かったです。

  • なぜだか共感できる「ふがいなさ」。女性ならではの表現に違和感はすこしあります。

    山本周五郎受賞作でもある高校生と主婦の交わりを中心とした作品 作者の窪 美澄さんってwikiで確認したところ、フリーランスの編集ライター なんだそうです。新人の作品はスムーズ感が少ないものが多い中 なんだか手管なラノベ作家のように引っかかり無く読み進めることができました。 この単行本は5つの作品から成り立っています。 1.ミクマリ..高校生の主人公(男の子)にコスプレをしながら不倫する 主婦あんず。男の子に女子高生の彼女が出来、あんずと別れるも 再びあんずと会ってしまう話 R−18文学賞だそうです。 2.世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸..この不倫主婦あんずのお話になります。 実はあんずは高校時代酷い「いじめ」にあって楽に入れる 大学に入り、大学時代言い寄る男性の友人に体を許して いたことが原因で不妊になったこと。そして不妊治療の 厳しさなどの背景が交えた作品になっています。 3.2035年のオーガズム..2が主婦あんずのお話とすると、これは もう一人の女性、女子高生の七菜中心のお話。彼女には 優秀な成績の兄がいて、お約束の様に大学に入ってカルト教団に はまり、ぼろぼろになって「引きこもり」。 七菜の彼氏、つまり主人公も、主婦あんずとの写真や動画を ばら撒かれて、登校拒否になって「引きこもり」。そんな中、 大雨が来て、引きこもりと言っていられない事態になった 話です。 4.セイタカアワダチソウの空..主人公の友人と、七菜の友人二人を中心 とした話です。二人とも貧民街のような公団に住み、コンビニで バイトする仲間でもあります。特にセイタカアワダチソウとの あだ名を持つ、主人公の友人は、父親は自殺し、母親は男が出来て 次第に家に帰ってこなくなり、認知症が進みつつある祖母を 食べさせてゆく、まさに「底辺」のような話です。 5.花粉・受粉..主人公の母親、助産婦を中心としたお話で、〆にも なっている作品です。彼女のなかなか大変な半生を通じて 息子(主人公)の事件がそんなに大きなことではないこと そして、最後に主人公の感情がふきだします。 全体の構成としては、ミクマリでおきた大きな事件に対して、主人公の周辺の 登場人物を通じて展開してゆく手法で短編連作のように軽く読めてしまう 構成になっています。 確かにR−18文学賞を受賞しているように、 エッチな表現はあるものの、女性ならではの書き方なのであまり 卑猥さなどをほとんど感じず読み進めることが出来る作品でした。 ちょっと違うかなと思うのは、どうしても女性作家、男子高校生である 主人公の行動が、なんだかこんな行動は男だとしないんじゃないというのが 多い気がします。 ちょっとエッチな表現があるものの、女性らしい作風なのでそんなに どぎつさも無いし、なにより書きなれた文書はこの作品の中に引きずり 込まれる力があります。なんだかこの「ふがいなさ」は自分の中にも ある世界で、共感を覚える作品に感じました。読後感も良いこの作品 本屋大賞であることがよくわかる作品でした。お勧めです。

  • セックスの生々しすぎる描写、ドン引き

    窪さんの本、2冊目。いままで何百冊も読んできた本の中で、異常! 文学作品って、もっと高尚なものじゃないの。レビューしてるほかの人も、低レベルの人間だと思われたくないためか、言葉を選んでる。エロ本以上に、どぎつい表現。 この本が、本屋大賞2位なのは、おそらく、男だと知り得ない女の情念を、リアルに描いてる点だろう。私の母親世代の女は、食っていけないから、結婚して実家から出て行ってもらった。まわりは貧乏人だらけだから、なんの悦びもない生活を続けるしかない。男の側からすれば、俺の稼ぎで食わしてもらってるんだから感謝しろ。 この本でも、義母がそんなことを言ってる。 いまの恵まれた生活が当たり前の世の中では、とおらない。妻が、母親が、女子高生が、好きな男とのセックスライフを求めてる。う~ん・・・・。 「サラバ」でも、「ノルウェーの森」でも、若い男女のセックスは描かれてたと思うが、もっとサラッと流してた。男と浮気を繰り返す母娘の話でも、こんなエグイ表現はしてない。 いいにつけ、悪いにつけ、衝撃てきな本。

  • 語順につっかかるところがいくつかあったが、

    そんなの気にならなくなるぐらい魅力的なお話だった。 友達のおすすめなので読んでみた。 期待以上だった。

  • 個人差はあるみたいです。

    期待していた内容とは、違いました。

  • 性的なこと

    性的なことがキーワードになってるように勝手に感じた。 主婦との倒錯的な時間。 兄の宗教と自分の逃げ 性的な嗜好。そして出産。でもきっと前に進める。

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