日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
しろがねの葉

直木三十五賞

しろがねの葉

千早茜

銀山をめぐる過酷な生活のなかで、少女が生き抜く力を獲得していく歴史小説。

歴史小説銀山生き延びる力

作品情報

銀の葉は、暗闇のなかでひそかに光る。

新潮社刊「しろがねの葉」として確認した。千早茜の直木賞受賞作。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2022-09-29
ページ数
320ページ
言語
日本語
サイズ
19.1 x 13.2 x 2.5 cm
ISBN-13
9784103341949
ISBN-10
4103341947
価格
1870 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

第168回直木賞受賞作! 男たちは命を賭して穴を穿つ。 山に、私の躰の中に―― 戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。 天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。 しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。 生きることの官能を描き切った新境地にして渾身の大河長篇!

レビュー

  • どんなことがあっても!

    どんなことがあろうとも命ある限り生き抜き、そして還る。 私たちはなぜ生き続けるのか。ヒトだけが持つ問いだろう。ヨキはウメにその答えを見い出そうとした。さまざまな近しい人の死を経てなお生きること、見届けること。正しさや正義ではなく、与えられた生を存分に生きる。ウメという一人の女性を通してそう感じた。 作者の幅の広さを感じる作品。直木賞も納得。

  • 女性向けの恋愛小説として優秀

    銀山や歴史よりも、ラブストーリーを読みたい人、特に女性にお勧めしたい。登場する男たちが内面も含めて魅力的に描かれ、主人公ウメとの関係性という点でも、読者の萌えどころがしっかりと押さえられていて、疑似恋愛方面の満足度が高い。 恋愛面以外でも、圧倒的なリアリティによる読み応えが抜群。作品世界に没入させる確かな情景描写と、人物に対する作者自身の深い理解により、読後もしばらく現実世界に戻るのが難しいほど、どっぷりと浸らせてくれる。 その分、驚きや意外性はあまりないかもしれない。 ****** 以下、若干のネタバレを含みます ****** 男たちに穿たれ続けて光を放ち、いずれは幕を閉じる銀山。そこに女の一生を重ね見るという発想自体は、さほど斬新とは思わないが、その説得力の素晴らしさに引き込まれた。終盤の境地に至るだけの経験を主人公がちゃんと経ていて、その過程がとてもエンターテイニングであり、これぞ長編小説の醍醐味だと思う。 本作を決して軽薄に消費したつもりはないが、正直、年上庇護者からライバル的幼なじみ、年下弟キャラまでを網羅しつつ、彼らがことごとく銀の毒で弱っていくのを見送らざるを得ない女、というシチュエーションは、非常に美味だった。これは、刺さる女性読者、多いはず。 文章も展開も私好みで大満足だったものの、いくつか矛盾に見える個所が気になってしまったのと、ある事実の匂わせ方について賛同しかねたことにより、☆4つ。面白かったです。

  • 女性がいきるということ

    第168回直木賞受賞作品(2022年下期)。 転がるように物語が進んでいくのだけれど、それは主人公ウメが幼児から大人になっていくスピードと比例し、解像度が高いものから人生の経験を経て視座がちょっと高くなるところまで精緻に文章化されているような気がする(特にラストシーンまで読むとそう感じる)。 ひとりの女性の一生である。自分のいる現代においてはジェンダー問題、女性活躍など言われているのだけど、どうしても過去にこういう時代があったということは見つめるべきだろう。こういうことに、女性のしなやかさだとか勝手にラベルをつけたくない。いろんなことを受け入れて生きていたということをそのまま受け取ることとしたい。 ところどころ「異端の者」というニュアンスを含んだ登場人物が出てくる。とかく歴史的な文献ではその奥にある非差別者の感情についてはなかなか推し量ることが難しい。ジェンダー問題、差別問題を語るときに、こういう小説から感覚を知るのはどうだろうかとふと思った。 すごく重たいストーリーなのに、ぐいぐい読まされる力を持った小説。登場人物の生きていく力強さが読み手を引っ張る。読んでよかった。

  • 江戸時代が始まった頃の石見銀山を舞台にした物語

    石見銀山の山師に育てられたウメの物語です。とても読み応えのあるストーリー展開

  • 細かい描写は 女性作者らしいが、少し焦点がぼやけている。

    最後まで読んだが、途中で興味?関心?が薄れた。

  • きれいな状態で良かった。

    石見銀山に行き、ガイドに間歩の見学に行ったときに小説の話を聞き購入しました。読んでいると見学した時の映像が蘇り当時の生活が良く分かった。購入してよかった。

  • 克服できない病と愛

    当時の採掘と人々の関わりとそれによる病魔とそこで働く人達の労苦がうかがえた。

  • 号泣

    恋愛小説としてもとても心に残る作品でした😭 1番印象に残ったのがウメが「喜兵衛の子じゃ。喜兵衛の子じゃ」と泣くシーンがとても切ない😭喜兵衛が亡くなった後でわかる衝撃の事実も涙涙でした。隼人のウメへの想いも泣けます。龍と結ばれたのは腑に落ちないですけどw 個人的にはヨキが大好きになりました。ウメって素直でまっすぐな所が男達からも愛されるんだなぁと思った♡余韻がすごくて頭から離れない😭😭

関連する文学賞