風の生涯 上
『風の生涯』は、辻井喬が歴史と人物の内面を重ねながら、一人の生の軌跡を大きな時代の流れの中に描く長編です。政治、文化、個人の志が交錯し、風に押されるように変転する人生が静かな重みをもって語られます。
作品情報
時代の風に吹かれながら、一人の生は志と喪失を抱えて進んでいく。
一人の人生を通して、近現代の社会と精神の動きを見つめる作品です。辻井喬の詩人的な感覚と社会への視線が合わさり、個人史と時代史が響き合う長編として読めます。
レビュー要約
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大きな時代背景と人物の精神史を重ねる読み応えが評価される。一方で、落ち着いた文体と重厚な構成のため、じっくり向き合う読書を求める作品と見られる。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 2000-10-01
- ページ数
- 382ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784103407096
- ISBN-10
- 4103407093
- 価格
- 287 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
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レビュー
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校閲が足りない
辻井喬こと堤清二はずいぶん文学賞をとっているが、それは文学が優れていたからではなく、文化にお金を出した貢献を評価されてのことである。本書は水野成夫をモデルにした伝記小説だが、戦前は共産党員でアナトール・フランスの訳者だった水野の訳した『神々は渇く』という、フランス革命を描いた小説について、フランス革命がうみだしたパリコミューンと二度も書いていて、どうやらロベスピエールの恐怖政治をパリコミューンというんだと思っているらしい。文庫版では直っているのかもしれない。あと関東大震災のあと殺された大杉栄を「社会主義者」と書いているが大杉は無政府主義者だ(あとのほうではアナーキストと書いている)校閲が足りなかったようだ。
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モデルは他にいるが要するに自分のこと
なんか妙に読みづらいとこがあるのは連載小説だったせいなのかな 自伝的な作品なんだろうが大企業の経営者かつ元共産党員っても珍しいな あ、ナベツネうわなに(ry よく考えれば共産党は経営者になるための第一歩(ry
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新刊本?
とても綺麗でびっくりしました。図書館で借りて期限内に読み切れなかったので購入しました。良ければ(下)も解体と思います。ありがとうございました。
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堤清二のなかば私小説的作品
辻井喬はご存知のとおり元セゾングループ総裁堤清二、そのひとである。この小説は、青年期に文学とマルクス主義に傾倒し、その後一大コンツェルンを築き上げた矢野重也という主人公の物語でありつつ、同時に東大在学中に共産党に入党し、以後文学者と経営者という二足のわらじを履き続けた著者のなかば私小説でもある。 時間軸がころころと変わる展開は決して読みやすい文章とは言い難いのだが、青臭いまでの正義感を抱えながらビジネスの世界を生き抜いた人間の心情を描く小説は稀有かもしれない。このアンビバレンスを、まさに心の動きそのままに文章にできている作家は辻井喬以外には見たことがない。