海の回廊
『海の回廊』は、梅原 稜子の受賞作として注目された作品。題名が示す中心的なイメージを軸に、人物や出来事の変化を追う。
作品情報
『海の回廊』は、受賞時の時代感覚と作者の関心が交わる作品。
『海の回廊』は、梅原 稜子の作品として文学賞で評価された。受賞対象となった魅力は、題材そのものだけでなく、人物や場面を通して読者に余韻を残す構成にある。
レビュー要約
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題材の切り取り方と語り口に関心が集まる作品。読者には、人物の置かれた状況や作品が描く時代性を読み解く面白さがある。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 1996-02-01
- ページ数
- 288ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784103526025
- ISBN-10
- 4103526025
- 価格
- 3300 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
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レビュー
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昔はこういうものが
世間的にはまったく知られていない作家だが、四回芥川賞候補になり、平林たい子賞と、これで藝術選奨をとっている。複数の男女の恋愛を描いた書き下ろしの長篇らしいが、中心となる男の旧姓が隠されていることがトリックになっていて、それは別に面白くはない。こういうのが新潮社から出て藝術選奨をとるということが昔はあったんだなあ、と感慨に耽る。もっとも高井有一でもこの程度の小説だと思ったことはあるが。
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意外に伏線が張り巡らされた小説
愛媛県に生まれた姉妹の恋愛やかなり複雑な家族との関係を、妹の視点から描いた小説で、途中までは、なんだか行き当たりばったりなストーリーだなと思いながら読んでいたのであった。ところが最終章、残りあと30ページぐらいになってから意外な展開になり、それまでに出てきた無駄とも思えた部分が意味を持っていたことが明らかになってくるのだ。まさかこんなミステリ的なひねりを持った小説だとは全く予想していなかったので、それだけ驚かされた。ただしそこだけ姉妹の友人の一人称形式で書かれた序章は、結局語り手(作者自身と考えられるが)の役割がごくわずかであるし時系列的にも中途半端で、そのような書き出し方にする意味がないと思った。またラストシーンで出てくる船の小説構成上の意味がわからない。 それにしてもこの作家の文章は、難解なわけでもないのになぜか個人的には読みにくいと感じる。