作品情報
抹消された国の理想郷に、いまも消えていない闇がある。
疫病禍のあとに再建された国家イグノラビムスを舞台に、抹消された歴史と新たな奇病の関係を追う大長編。世界の秩序や家族のあり方まで射程に入れた、スケールの大きな物語。
レビュー要約
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細部の会話や短い断章の切れ味が強く、世界設定の大きさだけでなく、登場人物どうしのやりとりが物語の推進力になっている。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 2022-08-31
- ページ数
- 416ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.4 x 2.4 x 19.1 cm
- ISBN-13
- 9784103538226
- ISBN-10
- 4103538228
- 価格
- 2000 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
小島秀夫氏、貴志祐介氏、東山彰良氏、大森望氏激賞! 混沌の世に捧ぐ、破格のエンタテインメント巨編、誕生。 疫病禍を経験した未来。WEO(世界生存機関)に所属するアルフォンソは、20年前に歴史の一切が〈抹消〉された、かつての独裁国家〈イグノラビムス〉へと派遣される。 いまや多数の欧米企業が参入し、「再生のテーマパーク」とも揶揄される彼の国で、児童200名以上が原因不明の発作に見舞われる奇病を発症、その現地調査を命じられたのだった。 サウダージという言葉に背を向け続けてきた者として、民族のアイデンティティが消去された〈イグノラビムス〉に居心地の良さを覚えはじめるアルフォンソ。しかし、時を同じくして、非常事態が発生。〈抹消〉の元凶となった生物兵器が何者かによって強奪されたのだ。 そして、「悲劇」の再来を恐れたWEO事務総長から、密命を言い渡される……。国家機関単位の任務を、たった数人で遂行することになったアルフォンソたちが辿り着く、衝撃の真実とは、一体。 生命倫理の根幹と善悪の境界を問う、近未来諜報小説の新たな地平。
レビュー
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百のレビューは一読に如かず
●歴史の一切を抹消されアイデンティティを失った国。生きることを拒否しているかのような子供たち。 奇病の原因調査とテロ撲滅作戦を大きな二つの柱とし、反出生主義やアイデンティティ、主人公の同性 愛など重層的な構造を構築している作品です。それぞれがバラバラに分解することなく主人公の独白を 交え、絶妙に融合して行きます。 己の人生を線(コード)と輪(ループ)で創る「あやとり」になぞらえ、色々な形を提示しています。 示唆に富む哲学的なフレーズが多く、読む者にとって胸に刺さる部分は異なるだろうけれど、その棘は いつまでも胸の奥に刺さっています。 私の語彙力ではこれ以上の言語化は不可能なので、ぜひご一読を!
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「『虐殺器官』や『都市と都市』の衝撃が再び」&『このミステリーがすごい!2023年版』【国内編】受賞作
小島秀夫氏の帯文に間違いなし。 硬派なハードSFとロマンティシズムのカクテルのような小説。 特に優れているのは会話劇のスリル。一言一言が一触即発の雰囲気を纏い、抜群に面白い。 歴史に残る真っ当なSF大作。
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力作です、ちょっともたれますけど・・・
時はごく近未来。過去の悪徳の結果、国ごと過去が抹消されてしまった地域。 「以前」についての出来事を話すことすら禁じられる一方で、全く新しい国が、その焦土の上に誕生した。 その全く新しい世界で、子供だけが罹患する謎の病気が発生。 その調査に赴いた国連調査機関の男、アルフォンソ。自らの出自から色々な問題を抱えているアロフォンソには、病気の対処以外の密命も課されていた。 果たしてアロフォンソは、病気の原因を突き止め、特命を解決できるのか、というストーリー。 広い意味ではSF小説っぽいが、時代設定はかなり近い未来。 アクション要素もあるものの、その中身は、生と死や、親子、人間の業などを深く描いたドラマに近いです。 非常に重いテーマでありつつ、かなりの長編であるため、読むことで若干疲労してしまうかもしれませんが、良質な小説であることは間違いないです。 重いテーマなので、たまにはジョークや軽妙な遣り取りがあると、息抜きになるのですが、一貫して真面目な主人公と周り人間たちの影響で、ちょっと息苦しさを感じました。 病気や世界の悲惨な歴史についての描写の引用は学ぶことも多く、よく勉強して書かれたのだな、と素直に感心しました。
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良い
この作者はやはり面白い
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後世に残る名作
令和の時代に、この作品に巡り逢えて嬉しい。 コロナ禍でカミュのペストを読んだ時の衝撃を思う。 100年後の日本。 「未来を予測できていた」作品として、世に広まるのだろうか。 生きづらい私の味方をしてくれる、やさしい一冊です。
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力作ではあるが、2軸構成にしたことが裏目にでている気がした
過去を抹消された国家に起こる「子供たちの奇病」と「テロ」の2軸構成とした力作。舞台装置である世界観や病気の部分の説明にも力が入っており、重厚な設定となっているが、この2軸があまり交わってこないため、それぞれの話が並行的に進んでいるだけの印象が最後まで続いた。この内容であれば、どちらかの軸に完全に振り切った構成にしてしまった方がテンポ感もあがり、作者が伝えたいテーマも見えやすかった気がする。「包装紙は豪華だが、中身の2品の組み合わせが今一つの贈り物」といった印象だった。
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まっすぐで優しい物語
作者の年齢を持ち出すのはフェアではないのかもしれないけれど、とても20代の方が書いたとは思えない内容です。 組織にいることの息苦しさ、恋人、家族、職場などの様々な種類の人と人との信頼関係、カウンセリング、架空の儀式の描写、寄り添い重なり合う会話劇。生きること、生きていることへの想いや願いがこれでもかというくらい伝わってきて、心が震えると共に考えさせられます。 諜報物としてのアクションが少し弱い気もするけれど、全体としてそんなことは気にならないくらい物語の展開が気持ち良い。 このような時代だからこそ共感したい。ありきたりだけれど、生きようという気持ちにさせてくれます。是非多くの方に読んでもらいたい。 ありがとう。一人でもスタンディングオベーションします👏
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期待はずれ
ただ冗長なだけで,長編にあるべきストーリーの深みや展開の複雑さに欠ける。
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