日本の文学賞

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漂流物

平林たい子文学賞

漂流物

車谷長吉

『漂流物』は、車谷長吉による作品で、平林たい子文学賞の対象となった。 <p>新潮社,1996,4-10-388402-9<p><ul><li>タイトル:漂流物</li><li>タイトル(読み):ヒョウリュウブツ</li><li>責任表示:車谷長吉 著</li><li>NDC(9):913.6</li></ul

作品平林たい子文学賞同時代文学

作品情報

漂流物という題名から、作品の中心にある情景や問いが立ち上がる。

『漂流物』は、車谷長吉による作品で、平林たい子文学賞の対象となった。 <p>新潮社,1996,4-10-388402-9<p><ul><li>タイトル:漂流物</li><li>タイトル(読み):ヒョウリュウブツ</li><li>責任表示:車谷長吉 著</li><li>NDC(9):913.6</li></ul

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
1996-12-01
ページ数
206ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784103884026
ISBN-10
4103884029
価格
1760 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

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レビュー

  • 中毒性あり

    何でしょう、読み終わった後のこの感じ・・。最近の中では最もキテいる感じ。 七編の短編。前半に収められた「蟲の息」や「物騒」なども幻想小説的で良い。が、相手の語りから「私」とは何かの問いを投影する私小説「抜髪」と「漂流物」にやはりグッとくる。 悲しいの。粋やの。 語りの切れ目切れ目に連発する煮方の青川さんの口癖。もちろんクールという意味で「粋」と言っているのではない。そして「私」の心の中の屈託をテンポ良く、しかし破壊的に鷲掴みにする母親の言葉。 あんたはお祝いの会して欲しい人や。 中毒になる。

  • 「負」の快楽

    この『漂流物』は、「私小説家」を自任している車谷長吉の数ある秀作のうちのひとつである。車谷氏の作品のピカイチは、世間的には『赤目四十八瀧心中未遂』なのであろうが、あれはすこし冗長であり、私は本作こそがベスト・オブ・車谷であると思いたい。 表題作は、社会から逸脱した者たちのグロテスクな「生」を、不吉なほどに美しく残酷な筆致で紡ぎだした、車谷氏の「負」のダンディズムを感じることができる大傑作である。また関西言葉(播州の土着の言葉?)の持つ独特のリズムが文体に心地のよい緊張感を漲らせている。 作品の持てる「気色悪さ」や「後味の悪さ」がかえって「気持ちいい」不思議な作品である。 本作は「芥川龍之介賞」の候補に残ったものの、「子ども殺しにリアリティーがない」(大江健三郎と丸谷才一)という理由で、残念ながら、受賞を逃したらしい。私は「子ども殺し」の部分にこそなんとも言いがたい「負」の美学というか「悪」の魅力を感じたのだがな…。 一部で「スタイリスト」(河野多恵子)とか「田舎者根性丸だしの文学至上主義者」(福田和也)などと囁かれているが、私が車谷氏に魅せられたのは彼のそんな「かっこええしい」のところなのだがな…。

  • 母の言葉はまさに金言

    母を通じて語られる言葉はおそらく車谷長吉が死ぬように生きていた時代に培ったものなのかもしれない。 自分のまわりにはこういう事を語ってくれるような人はいないので非常にありがたく拝読している。

  • 日本の小説家の一時代

    かつて日本の小説家とは、ここで彼自身が告白して見せているような職業だったのかもしれない。 作者自身と一緒に、作者の業(ごう)と向き合う作業に参画すれば、いずれ自身と向き合う、よすがとなるだろう。

  • 人間を知る?

    本書を読んで、人間の本質を知ることができるであろう。レールの上を走る人生、そこからはみ出す人生など人様々です。ここでは、レールの上をはみ出している人を扱っている。どの登場人物も『人間そのもの』と感じる。人間を知るには、やはり「私小説」が人間の深部を表しているので興味深い。どの短編も興味深く読んだ。「人生が終わった人が、人生をはじめた」ということばが興味深かった。人生は死まで終わりはないのである。

  • 不思議な空間

    私小説であり、幻想的なメルヘンでもあり、読み進むうちにふと気づくと完全に「車谷」ワールドに引きずり込まれている自分に唖然とする一冊です。現実の社会から剥離して漂う作者の諦観とエゴが独特の世界を作り上げています。 会社になじむ事が出来ず、ドロップアウトして流れ着いた堺の料理屋で出会った「青山さん」の特異な独白をめぐって浮き上がる「私」のデラシネを描く表題作。 少年時代に、宝物のように思っていた、「世界爬虫類図鑑」をめぐって、過去と現実を行き来する自分をクールに描く、太宰治を連想させる「めっきり」。等 作者の持つ幻想性とニヒリストとしての矜持が味わえる一冊です。 「つげ義春」系が好きの方には「星5つ」かも・・

  • 車谷の世界

    好き嫌いがはっきり分かれる作家でしょう。本作も人間の弱いところ、だらしない部分に響いてきてしまう。自分自身を見つめ直す際の試験紙のような役割を果たす書であろう。私は逃げも隠れもしない。車谷によって提示される、自分自身を見つめなおさせる著作を読み続けてやる。決して大ベストセラーなんかにはならない作家であるが、興味を持たれたあなた、自分自身と「対決」してみては。

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