作品情報
地獄は一定すみかぞかしという題名から、作品の中心にある情景や問いが立ち上がる。
『地獄は一定すみかぞかし』は、石和鷹による作品で、伊藤整文学賞の対象となった。 <p>新潮社,1997,4-10-415901-8<p><ul><li>タイトル:地獄は一定すみかぞかし : 小説暁烏敏</li><li>タイトル(読み):ジゴク ワ イチジョウ スミカ ゾカシ</li><li>責任表示:石和鷹 著</li
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 1997-01-01
- ページ数
- 348ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784104159017
- ISBN-10
- 4104159018
- 価格
- 2390 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
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レビュー
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著者が人生をかけて残した絶筆には相応の価値があった
たしかに、超一流の小説家のような、知らず知らずのうちにその世界に埋没してしまうような、明文ではない。 それでも、これほど長い作品全体を貫く「書くことへの執念」がみなぎっており、最後まで読み進めずに居れない何かが、この作品には宿っていると私は思う。 病を得て余命いくばくもない中で「落ちるところまで落ちた」著者の見る世界と、暁烏敏が織りなした世界が、分かちがたくリンクしている。 読み始めは、「これは単なる著者の私小説で、『小説・暁烏敏』ではないのでは」と思ったが、いつの間にか、暁烏の生きた時代とその思想、それに巻き込まれた人々の想いを、筆者と一緒に考えていく道のりが始まる。 読み終えると、まさに筆者と共に一つの長い旅を終えたような不思議な感覚があり、この小説を絶筆として世を去ったはずの筆者が、すぐ隣にいるような思いがする。 著者の死後にこの作品が伊藤整文学賞を受賞したのは、この稀有な作品を世に残した著者への正当な評価だと思う。 願わくば、著者が元気な間にこの評価を得られれば幸福だっただろうけれど、死を前にしてしか生まれ得なかった作品であることも確かで、人生の不条理を想わざるを得ない。 いずれにしても、浄土真宗、親鸞、歎異抄、暁烏敏といったところに関心を寄せた人たちに、長く読み継がれる価値のある本だと思う。 読み進めるコツとして、引用されている資料の一言一句は、まずは軽く読み流しつつ進むのが良いだろう。 一度全体を味わってから、関心のある資料をもう一度読めば十分。全部読んでいると気疲れして、全体像を見失うかも。
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下手すぎ
題名から分かるように暁烏敏の伝記小説だが、現代の若い男女が暁烏について調べるという体裁をとっている。むやみと読みづらくかつ、小説が下手。これだったら、自費出版で歴史小説を書いている人のほうがうまいと思うくらい。普通に歴史小説の形で書けば良かったのである。これが伊藤整文学賞を受賞したというのも、石和が元『すばる』編集長で、選考委員たる作家たちの恩返しであるとぞ知るべかりける。
関連する文学賞
- 伊藤整文学賞 第8回(1997年) ・受賞