日本の文学賞

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君たちに明日はない

山本周五郎賞

君たちに明日はない

垣根涼介

リストラ請負会社に勤める面接官を主人公に、働くことの痛みと再出発を描く連作小説。職場を去る人々との対話を通して、現代の雇用と人生の選択を軽やかさと苦味を交えて描きます。

仕事リストラ再出発現代社会

作品情報

君たちに明日はないは、垣根涼介の作品世界を端的に伝える一作です。

リストラ請負会社に勤める面接官を主人公に、働くことの痛みと再出発を描く連作小説。職場を去る人々との対話を通して、現代の雇用と人生の選択を軽やかさと苦味を交えて描きます。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2005-04-01
ページ数
317ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784104750016
ISBN-10
4104750018
価格
1650 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

リストラを専門に請け負う会社に勤めている真介の仕事は、クビ切りの面接官。昨日はメーカー、今日は銀行、女の子に泣かれ、中年男には殴られる。はっきり言ってエグイ仕事だ。それでもやりがいはあるし、心も身体も相性バッチリの恋人もいる。そして明日は……? 笑って唸って泣かされる、恋と仕事の傑作エンタテインメント!

レビュー

  • 他人の明日にまで想いを馳せることができるか

    敬愛する山本周五郎先生の賞を獲った垣根涼介作品ということで、読んでみた。人物造形も心理描写も文章構成力も他の作家さん達と遜色はなく、飽きずに最後まで読み切れた。リストラを請け負う会社の主人公・村上真介と8歳も年上の芹沢陽子を軸とした連作短編集。最後のF ile5の「去り行く者」のラストが特に良かった。この場面が無かったら、お決まりの、一話完結の連続テレビドラマ仕立ての、リストラ関連のサラリーマン物語に堕していただろう。「君たちに明日はない」というちょっと冷淡なタイトルの後に、副題〜リストラされた人達の明日に想いを馳せることができるか〜という温かい言葉が隠されているような気がしてならない。

  • 1話読切だからちょうどいい

    真介の態度、スタイルは伊坂幸太郎でもちょくちょく見かけるタイプの設定。最近は感情熱血の暑苦しい主人公ではなく一歩引いたスタンスの人が主流なのだろうか。 リストラを受ける人間が、激昂したり、泣いたり、悩んだりと感情が大きく揺れるのだからその対比として、冷静な真介のスタイルは必要なのだろう。そう考えるとやはり主人公はリストラを受ける人たちだと思う。 陽子との恋愛話は設定として必要性を感じない。これが無くても小説としては成り立つ。ただ冷静な真介のプライベートがどうであるのかを表現することで彼の厚みをつけたいのだろうけど。

  • 内容の割にあまりにも性描写が…

    経営者の私には、心に響く話がたくさんあり、とても勉強になったし、さくさく読み進められて楽しい作品でした。 が、内容の割に性描写があまりにも緻密でグロテスク。 そこにきて、主人公の真介と陽子が会うたびにセックスするものだから、途中からかなり食傷気味になりました。 なので星3つとさせていただきます。

  • 読み始めと印象が変わる

    いろいろな職種のリストラをする主人公。 表面しかしらなかった会社の仕事内容の実状を知るのが面白いし、何よりチャラ男かと思っていた主人公が読み進めるほどにいい奴に変わっていく。

  • 視点が面白い。

    面白いし主人公の考え方や仕事に対する厳しさと甘さがうまい具合にミックスしてる。 が、最初の面接の彼女を自分の女にするとか、後々社長も渋い顔をしていたがあたしも同意見だ。 しかもリストラの話に的を絞ってくれたらいいのに、時折入り込んでくる彼女とのセックス描写が多すぎ濃すぎる。 官能小説かよ!と突っ込んだ。 話としてはオムニバス仕立てでありながら過去の面接者のエピソードを持ち出す場面なども面白い。 多種多様な面接者にも驚かされ笑わされるが、毎回大団円とはいかないところがこの話のリアルさでありシビアな部分だと思う。 理不尽とも言える場面も多々あるのにもかかわらず面白いと思い、続きを買おうと思うのはひとえに主人公の一見ちゃらんぽらんに見える明るさなのかもしれない。

  • 人生を考える本

    主人公の仕事観やキャラクターもさることながら、リストラを言い渡される登場人物に引き込まれました。思わずシリーズを全て読破しました。自分に当てはまる登場人物がいたので、色々考えさせられる本でした。 このシリーズを読んで転職を決めました。

  • 簡単に解雇出来ないから生まれた作品ですね。

    自分が会社に必要無いと言われたら、 どんな反応かな?いろいろ考えながら読むと 面白かったです。

  • ターゲットは誰だったのか

    発注者や業務に対して苛立ちや苦しみを感じていた主人公は 読み進めていく内に居なくなり、リストラ対象者の内 "その他大勢"はスケジュールのひとつに埋没していく。 突出している特殊な人にのみ焦点を合っていく展開と並行して、 主人公もプライベートの楽しみに焦点が移っていく。 リストラ請負業者という素晴らしい設定で、 さまざまな職種の職業観を描く人間ドラマに。 しかし、主人公の帰結するのは己が欲望へ。 その不条理さまでも描きたかったのかは疑問。 良い意味でも悪い意味でも特殊な人はごく僅か。 しかも、なぜかリストラ対象者には入りにくい。 むしろ普通の人たちがリストラされている不条理。 同じ不条理なら、そんな人たちなりの事情を リストラ請負業者という立場からスポットを当てることで 描いて欲しかったと思います。

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