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砂漠の修道院 (新潮選書)

日本エッセイスト・クラブ賞

砂漠の修道院 (新潮選書)

山形孝夫

『砂漠の修道院』は山形孝夫による、事実や資料を手がかりに、対象の輪郭を丹念に追う作品です。受賞作として、題名が示す主題を軸に、読後に残る余韻を重んじた一作として位置づけられます。

記録人物像時代社会

作品情報

『砂漠の修道院』は、短い題名の奥に人物、時代、土地の気配を重ねる作品です。

新潮社刊行の『砂漠の修道院』に収められた作品です。『砂漠の修道院』は山形孝夫による、事実や資料を手がかりに、対象の輪郭を丹念に追う作品です。受賞作として、題名が示す主題を軸に、読後に残る余韻を重んじた一作として位置づけられます。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
1987-10-01
ページ数
260ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784106003363
ISBN-10
4106003368
価格
144 JPY
カテゴリ
本/人文・思想/宗教/キリスト教・ユダヤ教/キリスト教一般

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レビュー

  • 生きている人間がいる

    これまで読んだキリスト教の本は教義の話やら歴史などが 延々と書かれているだけだったり、キリスト教徒であることや その文化圏に属していることが前提として書かれていて まったく取りつく島がなかった。だがこの本は修道院で 生きている人の生活や背景が淡々と書かれていてかなりわかりやすかった。 この本に出てくる修道士たちは想像していたのと違って ”真面目”に修行?したいからではなく世の中とまったくそりが 合わなかったり、なんだかわからないものに突き動かされて 修道院に来ている。日曜日には教会に、という人たちではない。 そういう意味では一般的?なクリスチャンの話ではない。 むしろそういう日常のしがらみをすべて放り投げて逃げてきている。 だが自分にはこの人たちの生き方のほうが心に響いた。 ある種の熱病(狂気?)を真剣に受け止めて生きている。 非常に真摯な生き方だと思った。 これが初期のキリスト教徒なのだろうか? 損得や合理性とは無縁の生き方。

  • 第一章の砂漠の修道院滞在記が圧巻でした

    大きく三章に分かれていて、第二章は砂漠の修道院を生み出す背景となったエジプトの歴史について、第三章はコプト教の起源としてキリスト教およびイスラム教の歴史について述べられています。 エジプトの砂漠のただ中にキリスト教の修道院があるというのが驚きでしたが、中東世界にはかなりの数の(地域によってはイスラム教徒よりも多い!)キリスト教徒が存在するということを浅学にして知りませんでした。 ただ砂の波しか見えない風景の中での厳しい修道士たちの暮らしぶりと彼らが何故そのような生き方を選んだのかの聞き取り調査の記録に、距離だけではない、日常の生活から遥かかけ離れた「遠い異国」を感じました。

  • 良書見っけ

    第一部については、 冒険者が砂漠の中で謎の修道院を発見。 門を叩き、中に通されると、そこには黒衣の修道僧たちがいるのであった、 といった感じで、異世界冒険譚のような雰囲気があり、わくわくします。

  • 隠者の生活。

    俗世間から隔絶された砂漠のなかにあるコプト教の修道院。なぜに彼らはそうするのか、を著者はその内で生活し、そして考察してゆきます。実際に見聞する生活の記述は詩的ですらあり、不思議な味わいがありますが、私が興味を惹かれるのは、なぜ著者がこうまでして惹きつけられるのか、という点で。その気持は分からなくもなく、厭離穢土と言ってしまえばいささか大仰に響きますが、気味としては少なからずあるのでしょう。厭世観というか。いま現在も、砂漠の修道院はあるのか、あるとして描かれた時代からかわらずにあるものなのか。失礼ながらキリスト教は教義に対する論争の煩雑さこそあれ、大味なものとしか私には思えませんが、描かれたコプト教は精妙な、小さな声を聴くような体験でした。だいぶ偏った思想であるように思われはしましたが、そういうものをあればこそ、俗悪なものもあって均等になる、というような。不思議な、静かな読後感ののこるお作でした。

  • 今も残るコプト教の修道院を尋ねた記録

    エジプトのナイル川西岸の砂漠に、今も残るコプト教の修道院を尋ねた記録が、中心的な内容。 そこで出会った修道士たちが、なぜ、俗世間を捨てて、修道士になったのか、何人かの例を紹介している。 後半では、どうして修道院が、ナイル川西岸にあるのかを、イエスとマリアのエジプトへの避難の話と絡め、分析している。 なによりも、コプト教という宗教が、いまも多くの人の心を掴んでいることに、驚かされた。

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