作品情報
歌う潜水艦とピアピア動画は、SFを軸に作品世界を立ち上げる。
ネット文化と宇宙開発の想像力を軽やかに接続するピアピア動画シリーズの一篇。テクノロジーへの信頼と遊び心が物語を駆動する。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2012-02-23
- ページ数
- 311ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.7 x 1.2 x 15.7 cm
- ISBN-13
- 9784150310585
- ISBN-10
- 4150310580
- 価格
- 682 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
日本の次期月探査計画に関わっていた大学院生・蓮見省一の夢は、彗星が月面に衝突した瞬間に潰え、恋人の奈美までが彼のもとを去った。 省一はただ、奈美への愛をボーカロイドの小隅レイに歌わせ、ピアピア動画にアップロードするしかなかった。 しかし、月からの放出物が地球に双極ジェットを形成することが判明、ピアピア技術部による“宇宙男プロジェクト”が開始される・・・・・・ ネットと宇宙開発の未来を描く4篇収録の連作集
野尻 抱介 1961年三重県生まれ。計測制御・CADプログラマー、ゲームデザイナーを経て、1992年、ゲーム「クレギオン」の設定をもとにした『ヴェイスの盲点』(ハヤカワ文庫JA)で作家デビュー。 以後、“クレギオン”“ロケットガール”の両シリーズで人気を博す。 2002年に上梓した『太陽の簒奪者』(ハヤカワ文庫JA)は新時代の宇宙SFとして絶賛を浴び、短篇版に続いて星雲賞を受賞、「ベストSF2002」国内篇第1位を獲得した。 他の作品に、『沈黙のフライバイ』(ハヤカワ文庫JA)『ピニェルの振り子』『ふわふわの泉』など。
レビュー
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いいテンションで読める一冊
タイトルから察するとおり、ニコニコ動画を点としてつながるストーリー。 個人的にSFが好きなジャンルというのもあるけど、いいテンションで読んでいける一冊。 みんなのコメントが世界を救う。
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宇宙開発とボカロの融合
野尻抱介『南極点のピアピア動画』 宇宙開発の夢とボーカロイドが脚光を浴びるネットのピアピア動画(!)を掛け合わせたロマンあふるるSF連作4作品。 2008年発表「南極点のピアピア動画」からかなりの時が経ったが、いささかも古びない・・・どころか、昨今のテクノロジーの進化に伴い現実が追い付きそうではある。宇宙開発に民間が続々参入し、オールドメディアをネットが駆逐しそうな勢いなのだから。 ■南極点のピアピア動画 月探索計画がアクシデントで頓挫し、おまけに失恋までした大学院生の男子が、ピアピア技術部の仲間たちの”宇宙男プロジェクト”によって、宇宙へ飛び立つ物語。自己増殖型の組み立て工場など、今では実現しそうなアイディアが満載である。あぁ、ラブストーリーだったのね。 ■コンビニエンスなピアピア動画 軌道エレベータ上にコンビニエンスストア ハミマ(!)を作るプロジェクト。またしてもピアピア技術部が大活躍である。宇宙クモなる蜘蛛を使ったデブリ除去のアイディアが秀逸。技術者たちのチャットが微笑ましい。 ■歌う潜水艦とピアピア動画 ボーカロイド小隅レイを搭載した潜水艦が鯨とコミュニケーションを交わす実験プロジェクト。関係者のオタク心を刺激して、とんとん拍子に話しは進む。実験は大成功!そして・・・ 壮大である。 ■星間文明とピアピア動画 異星のテクノロジーで作られ実体をもつ自己増殖型ボーカロイドが、コンビニで大活躍!ハミマ宇宙店のその後とリンクし、さらに物語は広がり続ける。・・・動画配信のピアンゴって! そして、文庫の解説はドワンゴの川上氏ときた!
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バーコードにシール貼ってもらった。コンビニで‥‥
こんなトコに"JA"?¿ 仕事先で昼飯どきに寄ったコンビニで手に取った。 カバーイラストに似通ったカラーの"お買い上げテープ"を貼ってくださいって言ったら店舗スタッフさん、ビックリして"イイんですか?"ってカエシてきたのが今でも思い出される。
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先生の趣味全開です
なんといいますか、尻P (野尻抱介さんのニコニコ動画・技術部での呼び名) がプロの技で妄想を文章化してみた+SF! という感じでした。 心躍る冒険的なSFとはやや違うかもしれませんが、妙なリアルさで面白かったです。 後半はさすがにびっくりした部分もありますが、一つ一つのシーンが今まで尻Pがしてきた事、これらはほとんど動画で残っていますが それを引き継いでおり、思わずニヤッとしてしまうこと間違いないでしょう。 逆にニコニコ動画や初音ミクなどをまったく知らない人にとっては多少下調べが必要かもしれません。大きな問題では無いと思いますが。 気になるのはこれらの要素が嫌いな人がうっかり買わないかという事ですが、表紙で逃げてくれると思いますので多分大丈夫でしょう。
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野尻先生:尻Pの胸熱、リスペクトが読者も熱くする
科学や技術に携わることの醍醐味の一つが、有名無名の先人たちの成果を利用し、 発展させる時、先人に思いを致し、リスペクトすることにあると思っています。 本作に溢れる作者のリスペクト魂にレビュアーも胸熱です。 二つだけ挙げます。 ・物語進行の鍵となるボーカロイド:「小隅レイ」の名は、日本初のSF同人誌 「宇宙塵」の編集長であった柴野拓美氏の翻訳者・創作者としてのペンネーム 「小隅黎」にあやかっていると思われること。 ・物語終盤で、「小隅レイ」の外観をパクった「あーや」さんが、不格好で塗料が はがれかけ切削油の染みた「ロボット・小隅レイ」の顔にそっと触れるところ ・・・(こう書いていても思い出して、涙が出て困る) 面白いのはもちろんとして、倫理的に正しい、良い、そして熱い小説として、 これからの人に読んでほしいものです。
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駆け足感が強い
内容はいずれも良いのだが、いかんせん駆け足感が強く、読んでいてせわしない気分にさせられる。 特に表題作は抜群の素材であり、せめて倍くらいの分量でじっくりと読んでみたかった。 チームの各人にほとんど固有名すら与えられていないのは、なんとも残念。
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コンビニ関係者は読むべし
文庫購入後、多分10年くらいにして読了。著者の作品が非常に好ましくすぐに読み切るのが惜しくて、その内、他のものに目移りして忘れてふと読み出したら一気に。 非常に感動した。連作短編とは!後半、自衛隊まで巻き込んで。コンビニという現代日本のほとんど構成要素とでも言うべきを横軸にだした後半の展開は異様に現実味がある。 寡作なのがホントに惜しいがそれ故に中身が濃いとも。 異文明との接触、交流は他の星系に限らずこのようになカタチであってほしいと切に思う。 あ、作中のコンビニグループのハミマはファミマを連想する名前だがコンビニ関係者からもなんらかコメントがないのでしょうか?
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読後の爽快感
南極、コンビニ、潜水艦ときて、最後の星間文明で話が繋がり一気に畳み掛ける感じが最高に気持ちがいい。 久々に胸踊る夢のある話だった。
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