日本の文学賞

← 大学読書人大賞に戻る

大学読書人大賞 だいがくどくしょじんたいしょう

第6回(2013年)

文芸

受賞者

6名
野尻抱介 のじり ほうすけ 大賞

動画共有文化と音声合成、宇宙開発を結びつけた連作 SF 集。ネット上の参加と創作の熱が、月や南極点へ向かう明るい未来像へ広がっていく。

ネット文化と宇宙への夢が、清く正しい未来へつながる。

311ページ
SF宇宙開発ネット文化
伊藤計劃×円城塔 いとう けいかく × えんじょう とう 2位

死者を蘇生し労働力として用いる技術が普及した十九世紀末を舞台に、ジョン・ワトソンが屍者と意識の謎を追う。冒険小説の姿を取りながら、身体、魂、帝国をめぐる思索へ進む。

死者が動く世界で、人間の魂と帝国の論理が問われる。

459ページ
SF屍者技術意識
皆川博子 みながわ ひろこ 2位

戦時中のミッションスクールで、少女たちが書き継いだ小説と現実の事件が絡み合う幻想的なミステリー。美しいノートに秘められた物語が、死の謎を浮かび上がらせる。

少女たちの回し書きが、現実の死とひそかに結びつく。

352ページ
幻想ミステリー少女物語内物語
神林長平 かんばやし ちょうへい 4位

神林長平の短編集。表題作を含む作品群を通じて、機械、ネットワーク、自我、集合的な意識の境界を鋭く探る。

個の意識が、機械とネットワークの時代に揺らぎはじめる。

256ページ
SF集合的無意識ネットワーク
高橋源一郎 たかはし げんいちろう 5位

幼い少年と、ものを書く父を中心に、物語の中の場所、災厄後の世界、虚無と戦う勇気を描く連作集。プーさんやクリストファー・ロビンへの記憶を通じて、物語の力を問い直す。

最後に残ったきみとぼくが、物語の楽しさで虚無に向き合う。

220ページ
物語父と子震災後
貴志祐介 きし ゆうすけ 6位

将棋の駒に変えられた青年が、軍艦島を思わせる異界で赤と青の軍勢の戦いに巻き込まれる長編。ゲーム的なルールとサバイバルの緊張を重ね、人間の欲望や勝負への執着を描く。

異界の戦場で、勝負の論理と人間の闇がむき出しになる。

496ページ
ゲーム小説サバイバル将棋異界