日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
新しい世界を生きるための14のSF (ハヤカワ文庫JA)

創元SF短編賞

新しい世界を生きるための14のSF (ハヤカワ文庫JA)

夜来風音

元禄期、徳川光圀の命を受けた学者たちが、和歌を扱う人力コンピューターの構想に取り組む。関孝和や安井算哲らを配した改変歴史の舞台で、計算と古典、政治的な思惑が交差するSF。

改変歴史和歌人力コンピューター江戸時代

作品情報

元禄の学者たちが、和歌を計算するための人力コンピューターを作り出そうとする。

第11回創元SF短編賞選考委員奨励賞受賞作。徳川光圀のもとに集った学者たちが、和歌を計算する仕組みを編み出そうとする改変歴史SFである。江戸の学問と技術を想像力豊かに組み替え、古典と計算の関係を描く。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2022-06-22
ページ数
816ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 3.1 x 15.7 cm
ISBN-13
9784150315191
ISBN-10
4150315191
価格
1496 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

衝突事故直前の車載AIが最後の審判を繰り広げる八島游舷「Final Anchors」、恋人の死体を盗んだ女が超常の存在へ愛を問う斜線堂有紀「回樹」、大正時代の屋敷で少女二人の運命を怪死事件が結ぶ芦沢央「九月某日の誓い」、徳川光圀の命を受けた学者たちが和歌コンピュータを発明する夜来風音「大江戸しんぐらりてい」など、新世代作家たちによる書籍化前の傑作14篇。伴名練によるSF入門14本を併録の超大型アンソロジー

1988年生まれ。京都大学文学部卒。2010年、大学在学中に応募した「遠呪」で第17回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。同年、受賞作の改題・改稿版に書き下ろしの近未来SF中篇「chocolate blood, biscuit hearts.」を併録した『少女禁区』(角川ホラー文庫)で作家デビュー。近年は中短篇SFを中心に発表。2019年に短篇集『なめらかな世界と、その敵』(早川書房刊)を発表し、ベストSF2019投票で国内篇の第1位を獲得した。

レビュー

  • 今後、SF作品を読んでいく羅針盤的一冊になりました。

    本書の「序」で、編者が記しているように、《ここ五年間に発表されたSF短篇の中から、作家・伴名練の考える傑作を選りすぐった一冊》。若手の作家の作品が多くとられている印象があります。 それと、本アンソロジーならではのポイントとして挙げておきたいのが、 ★SFの各ジャンルごとに一点、作品が選ばれていることと、 ★そのジャンルを代表する作品を紹介した編者によるコラム(各掲載作品の後に四頁分、掲載されています)が付されていること、 この二点です。後者の紹介コラムは実に有りがたいもので、これからそのジャンルの作品を読んでいくにあたって大いに参考となる水先案内文です。 収録14作品の中でひとつだけ、読むのをあきらめた短篇があります。三番目に収められた「点対」。作品のスタイル上やむを得ないのですが、文字が小さく、一行おきに読んでいくのがしんどくて、早々と断念しました。 そのほかの13の短篇は、すべて読みました。 ひとつ作品を読み終えるごとに、その作品が魅力的だと思えたかどうか、面白かったかどうかを念頭において、10点満点で点数をつけてみました。 結果、10点満点の作品と2点の作品が、それぞれ二つあるといったことを始め、見事にばらけました。とても面白く、印象に残る短篇を複数、読むことが出来たのと同程度に、私には面白味の感じられなかった短篇が幾つかありました。 収録作品と【作品のジャンル】、初出年は、次のとおり。 🚀 八島游舷(やしま ゆうげん)「Final Anchors 」【 A I 】── 2018年 🚀 斜線堂有紀(しゃせんどう ゆうき)「回樹」【愛】── 2020年 🚀 murashit 「点対」【実験小説】── 2020年 🚀 宮西建礼(みやにし けんれい)「もしもぼくらが生まれていたら」【宇宙】── 2019年 🚀 高橋文樹(たかはし ふみき)「あなたの空が見たくて」【異星生物】── 2019年 🚀 蜂本みさ(はちもと みさ)「冬眠世代」【動物】── 2020年 🚀 芦沢 央(あしざわ よう)「九月某日の誓(ちか)い」【超能力】── 2020年 🚀 夜来風音(やらい かざね)「大江戸しんぐらりてい」【改変歴史】── 2020年 🚀 黒石迩守(くろいし にかみ)「くすんだ言語」【言語】── 2017年 🚀 天沢時生(あまさわ ときお)「ショッピング・エクスプロージョン」【環境激変】── 2021年 🚀 佐伯真洋(さえき まひろ)「青い瞳がきこえるうちは」【 VR / AR 】── 2020年 🚀 麦原 遼(むぎはら はるか)「それはいきなり繋(つな)がった」【ポストコロナ】── 2021年 🚀 坂永雄一(さかなが ゆういち)「無脊椎(むせきつい)動物の想像力と創造性について」【バイオテクノロジー】── 2021年 🚀 琴柱 遥(ことじ はるか)「夜警(やけい)」【想像力】── 2019年 この中で、10点満点の作品は、次の二つ。 🌹 芦沢 央「九月某日の誓い」 🌹 坂永雄一「無脊椎動物の想像力と創造性について」 9点の作品が、一つ。 🐧 天沢時生「ショッピング・エクスプロージョン」 8点の作品が、一つ。 🔭 宮西建礼「もしもぼくらが生まれていたら」 7点の作品が、二つ。 🌳 斜線堂有紀「回樹」 🌳 琴柱 遥「夜警」 6点の作品が、一つ。 🚘 八島游舷「Final Anchors」

  • 普段読まない作家の作品が多数あった。

    14編のうち 八島游舷「Final Anchors」 宮西建礼「もしもぼくらが生まれていたら」 蜂本みさ「冬眠世代」 芦沢央「九月某日の誓い」 夜来風音「大江戸しんぐらりてい」 黒石迩守「くすんだ言語」 天沢時生「ショッピング・エクスプロージョン」 佐伯真洋「青い瞳が聞こえるうちは」 麦原遼「それはいきなり繋がった」 坂永雄一「無脊椎動物の想像力と創造性について」 琴柱遥「夜警」 が気に入った。

  • 本嫌いでもすらすら読める

    最近三体を読んでSF小説に興味を持ったおじさんです。本を読むのはあまり好きではありませんでしたが、この本は短編集なので時間が空いたときサクッと読めます。しかもどの作品も引き込まれてしまう魅力があり、暇潰しのはずが、この本読むために時間を作ってしまうほどでした。自分は「大江戸しんぐらりてい」が特に好きな作品でした。また、このような本を出してもらいたいです。

  • 各作品のあとに解説があるのが良い

    内容もよかったけど、各作品で取り扱っているテーマについて、解説で年代を追いながら様々な作品を紹介してくれるのがよかった。若い世代向けのSF入門にも良さそうだなと思いました。

  • 非常に新鮮な読書体験になりました

    SFは普段全く読みませんが、何かいつもと違う物、新しい物に触れたくて手にしました。 結果、非常に新鮮な読書体験になりました。 SFと言うと、『未来の、未知の科学技術の世界』をイメージしていましたが、それは全く覆されました。 未来に限らず、過去を描いた作品も複数あり、(とても面白かったです。) 改めてSFの創作の自由度に、 14作の各人の個性に、解放感すら感じました。 まるで自己表現の見本市の様だと。 勿論、若手の作品ばかりなので、ベテランの隙の無い傑作選とは質が異なりますが、別の魅力を感じる、熱量の高い野心作や良作揃いでした。 好みの作品も、そうでない作品も有りましたが、結果的に、そのバラエティーも楽しめました。

  • 内容は良いのだけれど(内容だけなら★四)。電子書籍としてはゴミ

    電子書籍版を購入したのだけれど、収録されている「点対」だけ、紙の書籍をスキャンしただけのものでした。そのためフォントサイズを変更することもできません。画面に入りきらないのでスクロールしなければ読めません。「金返せ」って感じ。

  • ありがとう

    SFも読みたいけど何があるかわからんって私にピッタリ。 宇宙関係なくてもSFなのか!と当たり前に気付かされた。 入門書におススメかも

関連する文学賞