作品情報
野鳥を追う男たちの夢と傷を、静かな幻想性で描いた連作集。
『ダック・コール』は、1991年に早川書房から刊行された稲見一良の作品集で、山本周五郎賞を受賞した。国立国会図書館の要約では、野鳥に魅せられた男たちの夢と幻想を描く多彩な連作集とされる。自然への憧れと人間の孤独が交差する、稲見文学の代表的な一冊である。
レビュー要約
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野鳥への憧れを通じて、男たちの夢や喪失感を描く連作として読まれている。現実のアウトドア描写と幻想味が混じり、稲見作品らしい渋い余韻が残る。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 1991-02-01
- ページ数
- 286ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784152034649
- ISBN-10
- 4152034645
- 価格
- 1495 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
第4回(1991年) 山本周五郎賞受賞
レビュー
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これは素晴らしい。
今年読んだ中ではかなり上位の短編集です。ハードボイルドで男性が喜ぶような要素がてんこ盛りです。他の本も読みたくなりましたが、9冊でお亡くなりになったのでなんとも残念です。どこか哀愁があってワクワクするような読書体験をお望みなら是非。
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大人のメルヘンを探す人へ
"画が上手というのではなかった。むしろ稚拙といえた。そして正確でもなかった。図鑑的な見方をすれば、形や色に写実が徹底しないところがあった。だがそんなことは問題ではなかった。これを描いた者の、鳥たちへの深くあたたかな愛情があった。"1991年発刊の本書はハードボイルドから幻想まで美しい6つの連作集。 個人的には本書が優れた物語性を有する小説・文芸書に贈られる文学賞【山本周五郎賞受賞作】という前情報だけで手にとってみました。(本との出会いは偶然さもたまに楽しい) さて、そんな本書はブラッドペリの『刺青の男』にヒントを得て、冒頭で川辺や浜辺で拾った石に鳥のイメージを描く男に出会った若者が【石の鳥に魅了されて次々と見る6つの夢ー6つの物語】として読者の前に展開していくのですが。 映画撮影から密猟、脱獄囚のマンハント、漁師の漂流から観覧車からの脱走まで。それぞれの物語同士が直接的に関係しあう事はなくも、大人の男性になっても【どこかで持ち続けている自然と共にある原風景】少年心を想起させてくれて懐かしかった。 また余談的だが、いつか。いや近い目標としてキャンピングカーもとい【ブックバスの様な移動本屋で旅に出たい】そんな事も考えていることから、密猟をテーマに中年男とパチンコ名人の少年、そして施設の老婦人との交流を描く『密猟志願』は(中年男に)ドンピシャに感情移入させられて特に気に入りました。 男性的な大人のメルヘンを探す人へ。また自然や鳥をテーマにした作品好きな誰かにもオススメ。
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まあまあかな・・・
ある方に紹介されての購入。 飛行機搭乗中の読書タイムには、良かったですね。
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懐かしく読ませていただきました。
稲見一良さんのファンです。 この本だけなかったので買って満足です。
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素敵な異世界
私はハードボイルドにも猟にも銃にもカメラにもアウトドアにも全く興味はありません。 なのにこの本の作品達には本当に面白かった。 出だしの小さなプロローグから 「コーヒー美味しそう」と思い 一作目のカメラマンの話からぐいぐい引き込まれ、 「ホィッパーウィル」は読み終えるのが惜しくなるくらいワクワクして読みました… とにかく男達がかっこよすぎるよう。 小説世界に充分浸れました。満足。 小説の中では私も一流キャンパーだし 射撃の名人になれました。楽しかったー。
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発想が面白い
ラジコンボートでカモの追い出しをするところがあるが、今はラジコンボートで撃ち落したカモの回収が出来るようになった。発想が面白い。2読目
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充実の読書体験ができました
第4回山本周五郎賞に輝く本書は、 惜しまれつつ1994年に逝去した著者の 数少ない作品の中でも、特に名品の誉れ高い作品です。 【プロローグ】 会社を辞め、気ままな一人旅をする「ぼく」は、 拾った石に鳥を描くことを趣味としている 不思議な男と出会います。 その夜、「ぼく」は6つの夢を見ることに…。 その6つの夢が、6つの短編として、 本書に収められているのですが、 すべてに「鳥」が関わってきます。 そして、鳥をテーマに描かれるのは、誇り高き男の生き様。 探偵も殺人事件も出てきませんが、 これは紛れもなきハードボイルド小説です。 静かだけれど、緻密で美しい文章に思わず引き込まれてしまう、 貴重な読書体験保証付きの名品がここにあります。 以下、6つの短編の短文での紹介です。 【第1話 望遠】 映画のラスト・シーンである夜明けの風景の撮影を任された若者。 1年に一度しか撮れないその瞬間を迎えた時、 目の前に幻の鳥が飛翔する…。 【第2話 パッセンジャー】 アパラチア山脈を挟んだ隣村に近づいたサム。 猟銃を手にした彼の上空に、 空を覆い尽くさんばかりのハトの大群が現れ…。 【第3話 密猟志願】 癌で早期退職した男は、狩りの上手な少年と出会うが…。 中年男と少年の交流と冒険。 【第4話 ホイッパーウィル】 脱獄犯を保安官とともに追いかけることとなったケン。 脱獄犯の一人が追い詰められる中、 思いがけない行動を起こす。 【第5話 波の枕】 漁船の事故で海に投げ出された源三青年は、 ある偶然で命を長らえることに…。 【第6話 デコイとブンタ】 密漁者に捨てられたデコイを拾った、 少年ブンタの小さな冒険物語。 本書に対して既に掲載されているレビューは、すべて★5つ。 こんな作品も珍しいです。 素晴らしい作品を残してくれた作者に敬意を表して、 私も★5つを付けることとします。
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自分の精神形成に最も影響を与えた一冊。
今まで小説・漫画・音楽・映画など偉大なる様々な人々の作品を味わってきましたが、その中で現在暫定ベスト1に輝くのがこの作品です。 自分は今も 1話『望遠』 2話『パッセンジャー』 は佳作と思いますが傑作とは言いません。初読時は何だか冷めた視線だなあ、と思いました。 それを差し引いても、なおこれがベスト1と言い切るのは 3話『密漁志願』 4話『ホイッパー・ウィル』 5話『波の枕』 6話『デコイとブンタ』 この四短編作品が兎にも角にも大傑作揃いだからです。 短編でここまでわくわくさせて、短編でここまでどきどきさせて、短編でここまで笑顔にさせて、短編でここまで勇気を貰えた作品は今までありませんでした。 初読時は冗談抜きで興奮して寝られませんでした。 自分はこの作品から自然の厳しさ・人の優しさ・勇気など大事な事、そう、人間と自然の賛歌を教えて頂いたと思っています。 また、作者の暖かだけでなく厳しい視線から1・2話目も必要であったことが年を取ってくるとわかるのです。 下手な哲学やら何とかの教えとか粗製濫造されている本を読むくらいならこの本を読む方が100倍良いと思います。 自分の精神形成に最も影響を与えた一冊としてお勧め致します。
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- 山本周五郎賞 第4回(1991年) ・受賞