日本の文学賞

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山本周五郎賞 やまもとしゅうごろうしょう

第4回(1991年)

大衆文学時代小説

受賞者

5名
稲見一良 いなみ いちろう 受賞

『ダック・コール』は、野鳥に魅せられた男たちの夢と幻想を描く稲見一良の連作集である。狩猟、自然、孤独、男たちの誇りが、乾いた抒情とともに結びつく。

野鳥を追う男たちの夢と傷を、静かな幻想性で描いた連作集。

286ページ
連作短編集野鳥狩猟自然孤独
小池真理子 こいけ まりこ 候補

『無伴奏』は、1960年代末の仙台を舞台に、学園紛争の熱気のなかで出会った若者たちの恋と秘密を描く長編小説である。危うい四角関係と死の気配が、二十年後の記憶として甦る。

反戦と青春の熱のなかで芽生えた恋が、甘美で危険な記憶として甦る。

296ページ
恋愛小説1960年代学園紛争記憶死の予感
宮城谷昌光 みやぎだに まさみつ 候補

『天空の舟』は、古代中国の殷王朝成立期を背景に、伊尹の生涯を描く宮城谷昌光の歴史小説である。大洪水に襲われながら生き延びた孤児が、知と志をもって時代を動かす人物へ成長していく。

奇跡的に生き延びた孤児が、古代中国の歴史を動かす人物へと歩む。

700ページ
歴史小説古代中国伊尹成長王朝交替
安部龍太郎 あべ りゅうたろう 候補

『血の日本史』は、反乱、暗殺、謀略、敗北の場面から日本史をたどる安部龍太郎の歴史短編集である。長屋王、平将門、千利休、田沼意次、坂本龍馬、西郷隆盛ら、歴史の頂点と転落を生きた人物を描く。

栄光と敗北の血脈から、日本史を短編群として読み直す。

484ページ
歴史小説日本史敗者権力短編集
中島らも なかじま らも 候補

『今夜、すべてのバーで』は、酒を断てない主人公・小島容の入院生活を通して、依存、生と死、友情、ユーモアを描く中島らもの長編小説である。実体験を踏まえた切実さと、独特の軽みが同居する。

酒を断てない人生の切実さを、笑いと死の気配のあいだで描く。

368ページ
アルコール依存入院生活生と死ユーモア友情