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鴉龍天晴(がりょうてんせい) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

ハヤカワSFコンテスト

鴉龍天晴(がりょうてんせい) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

神々廻楽市

関ヶ原以後に東西で分断された日ノ本を舞台に、京で暮らす医学生・竹中光太郎と、帝国側の武官・真田幸成の運命が交錯する。科学と妖術がぶつかる幕末スチームパンクの大河活劇。

幕末スチームパンク妖術科学分断国家歴史SF

作品情報

科学と妖術が衝突する、分断国家の幕末スチームパンク。

第2回ハヤカワSFコンテスト受賞作。関ヶ原の役を契機に東西に分断された日ノ本では、西に神豊諸侯連合、東に帝国議会政府が並び立つ。京で学ぶ竹中光太郎と、飛騨へ左遷された帝国陸軍武官・真田幸成が、それぞれの立場から東西合戦へ巻き込まれていく。幕末の空気に科学技術と妖術を重ねた、異色の歴史SF。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2014-12-18
ページ数
349ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784152095084
ISBN-10
4152095083
価格
2680 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/SF・ホラー・ファンタジー

関ヶ原の役を契機に東西に分断された日ノ本。 神豊諸侯連合が治める西では陰陽道が発達して妖(あやかし)が跋扈(ばっこ)し、 帝国議会政府が治める東では封神兵器・鬼巧(きこう)が開発されていた。 西の独立自治区・京で暮らす医学生・竹中光太郎(たけなかこうたろう)は、 貧しいながらも学問に打ち込む日々に幸せを感じていた。 一方、東の帝国陸軍武官・真田幸成(さなだゆきなり)は不祥事を起こし飛騨に左遷されていたが、 公武合体を目論む帝国政府元老・井伊直弼(いいなおすけ)の密命を帯びていた。 だが井伊は勅許を得ぬまま米国と通商条約を締結、 その独断に抗議するため加賀前田家が軍を起こす。 そして、この蜂起に端を発する東西合戦で、 光太郎と幸成は望まぬまま相まみえることに―― 幕末を舞台に科学と妖術が衝突する、大河スチームパンク。

神々廻楽市(ししば・らいち) 1983年、島根県出雲市生まれ。大学では量子物理学を専攻。 東京やロンドンでシェイクスピアや歌舞伎など舞台演劇の演出を学び、 会社勤めのかたわら小説家を志す。 第2回ハヤカワSFコンテスト最終候補作となった本作でデビューをはたした。

レビュー

  • 楽しく読んだのだがまとまりは悪い

    関ヶ原の戦いで小早川秀秋が日和見を決め込み、結果として徳川の支配する東国と豊臣の支配する西国に別れたまま200年の太平の世が過ぎた後、ペリー来航から日米修好通商条約あたりまでの「幕末」を描いている。 東国は三種の神器に由来する技術を受け継いだ鬼巧というメカがいて、西国は古来の妖怪たちが味方する、という異世界的な設定と、幕末の史実通りの人と史実にはいない人間とが虚実ないまぜで跳梁する歴史ファンタジーというかスチームパンクというか、といった風情。 良い点をまず挙げると、キャラの描き方は魅力的なところ。ちょっとラノベっぽい感じでもあるが、読んでいるあいだは楽しいし魅力的だ。いろんな(裏)設定も見え隠れするし、それぞれにキャラが立っている。設定も派手で大盤振る舞いだ。 悪い点は、良い点と表裏一体ではあるけれど、キャラクターも設定も詰め込みすぎてしまったところ。いろんなキャラクターのそれぞれの立場が次第に明らかになってくる中盤以降、さてこれをどうまとめるのかな、と思っていたら今ひとつまとまらずに終わってしまった感がある。 よく「アイデアを詰め込みすぎて話としては破綻している」っていうのはSFに対しては褒め言葉になっている(と思う)し、個人的にもそういうのは好きなんだけど、残念ながら本作はそういうのとは少し違う。単に個別の要素がいまひとつうまく昇華されていないように思われる。もう一歩といった感がある。 そしてもう一つ、この架空の歴史においてこの物語が描いている事件とはなんだったのか?というところにもいささか疑問がある。日米和親条約が結ばれてから日米修好通商条約と将軍跡継ぎ問題のタイミングを描いているのだが、なぜこのタイミングのこのエピソードを描いたのか? いわゆる「歴史が動いた」タイミングはほかにもありそうな気がするのだが……まあそれは難癖みたいなものだけれど、キャラ設定や物語と歴史的な設定がもうすこし有機的に結びついていたら印象が少し変わっていたのかもしれない。 そういうわけで、面白いんだがもうひとつまとまりが悪いのが惜しい。ただ同作者の次回作が気になるほどには楽しんで読んだ。

  • 文章はうまいが構成はいまいち

    文章力では抜群にうまいです。 きっと何度もくり返し推敲されたのでしょう。 しかし、肝心の物語となると、ちょっと及第点はつけがたいです。 まあ、いろいろ面白いところはあるんですが、まず、機功の東国と鬼神の西国の戦いという説明はあまり信用してはいけません。 そんなに物語に合致した話ではありません。普通に、十万人くらいの兵士を両国が集めて戦っています。 普通の戦争です。 主人公を中心に描くというより、いくつかの場面の断章が合わさってできた物語というべきでしょう。 九尾の狐がこの物語でもでてきますが、いったい元ネタは何なんでしょうか?

  • 残念な点が多い

    今は使われないような古い単語を駆使した文体は、名文とは思いませんが、現代風の書き方で単語だけ置き換えれば十分と思っている作家さんがちらほらいる中で、講談調にちかい古風な雰囲気を感じさせる、良い意味で個性を見せてくれたと思います。また、怪しいながらも紹介されている科学理論もSFらしくて、好ポイントだと思います。 一方、マイナス要素も多くあるように思いました。 - せっかく、妖と鬼巧と東西の文化が分かれた世界なのに、ほとんど同じような扱い - また、妖が妖怪を使役させる力なのか、妖の力を自分のものとして使うのかの設定にぶれがある - 同様に鬼巧についても、ロボットのような物理的な力を使うものか、魔力のような力を引き出すための道具なのかの設定にぶれがある - いろいろと考えたと思しき、世界設定がそこかしこで破綻している ー ラブコメ的な展開からバトルものへの切り替わりが唐突で、別々の物語に思える 面白いエンターテイメント作品を作るのは、本当に難しいのだろうな、という思いました。

  • 和風スチームパンクと思いきやラノベですね

    陰陽道や妖かしがお家芸の西国と、先進技術や鬼功がメインの東国のガチンコ対戦と思いきや。。。 まさかの、妖かし・鬼功のハイブリットというチート設定の刀剣持った主役二人のド付き合いが話のクライマックスになっています。 折角の東西国毎の個別設定が無用な長物と化してます。設定が練られているだけに残念です。 本当に主人公二人にチート設定は必要だったんでしょうか。大河スチームパンク感が台無しです。 ライトノベルとして読むのであれば、まぁ面白いのではないでしょうか。

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