マイ・ゴーストリー・フレンド
売れない役者の佐枝子はホラー映画脚本家の紹介で、都内の団地で頻発する怪奇現象を調査するドキュメンタリー映像のレポーターを務めることになる。団地内で住民の奇行や行方不明者が相次ぎ、「10年前に老婆が殺されて以来、呪われている」と噂の部屋では謎の走り書きと黒いウロコを発見する。調査を深めるにつれ、ギリシャ神話の因縁、戦前の軍部の計画、秘密結社の暗躍が浮かびあがり、やがて超物理的な宇宙論へと物語は展開していく。第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作のホラーSF大作。
作品情報
団地ホラー×ギリシャ神話×SF大作。ギリシャ神話の世界が現実を侵食する。
第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。売れない役者の佐枝子を主人公に、都内の団地で巻き起こる怪奇現象とギリシャ神話が交錯するホラーSF大作。2025年2月19日、早川書房より単行本刊行。
レビュー要約
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文章の読みやすさや映像的な描写を称える声が多く、ギリシャ神話と団地という斬新な組み合わせが評価される。一方で終盤の展開に戸惑う読者もいる。
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批評家・牧眞司は「エンターテインメントの出来映えとしては、大賞受賞作にいささかも引けを取るところはない」と高く評価し、現代日本の日常に異形の存在が侵入するSFホラーとして過去の怪奇作品や特撮映画への言及も楽しめると指摘している。評価傾向は高い評価。
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ホラー・ミステリー・SFが融合した複雑な構成と文章力の高さが評価される一方、主人公の魅力不足や終盤の急激なスケールアップに戸惑う声も見られ、賛否が分かれる作品。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2025-02-19
- ページ数
- 384ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.1 x 2.1 x 18.8 cm
- ISBN-13
- 9784152104052
- ISBN-10
- 4152104058
- 価格
- 2100 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作 団地ホラー×ギリシャ神話×SF大作 「最近、少しずつ人が、消えているのです……」 団地で頻発する怪異を撮影する下流役者・佐枝子の前に、異界の扉から恐るべき物語が溢れ出す。 売れない役者の佐枝子は、ホラー映画脚本家の紹介で、都内の団地で頻発する怪奇現象を調査するドキュメンタリー映像のレポーターを務めることになった。さっそく当該の団地で寝泊まりした朝、窓から外を望むと、隣接する公園で四つん這いの大男を棒で打つ女と、双眼鏡でこちらを窺う怪しいファミレスのウェイトレスを目撃する。不気味に思いながらも周囲の人々に話を聞くと、団地のあちこちで大蛇が這いずったような跡が見つかり、管理人や住民の奇行が目立ち、行方不明者も出ているらしい。さらに、10年前に老婆が何者かに殺されて以来、呪われていると噂の部屋に赴くと、『666』から始まる走り書きと浴室にびっしりと生えた黒い大きなウロコが……第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞に輝いた、ギリシャ神話の世界が現実を侵食する団地ホラーSF大作。
1971年大阪生まれ。2024年、第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作『マイ・ゴーストリー・フレンド』(本書)でデビュー。
レビュー
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団地から始まる壮大な伝奇ロマン、ホラー&ホラ話
団地ホラー×ギリシャ神話×SFというキャッチに惹かれ読み始めたものの1/3ぐらいでストーリーが散漫な気がして中断。再開したらぐんぐん面白くなりもう一度最初から読み直して「この色んな要素のごった煮は逆に凄い!」と興奮して一気に読了しました。ギリシャ神話を借りたコズミックホラーでシスターフッドの物語で推理要素も謎の組織もトレジャーハンティングも怪談もあって全部まとまってるという奇跡(笑) はじめ主人公の行動原理が理解できなくて「なぜそこでそうする?」と違和感ばかりだったけど春日と息が合って来てからはそのガサツさも好ましく感じるようになり最後はうるっと…。「○○だろ」「○○かよ」の男言葉も令和っぽくて新鮮。 デビュー作でこんなにアイディアてんこ盛りの作品出してしまって大丈夫でしょうか?クトゥルー神話みたいに派生した物語をどんどん出して下さってもいいくらい私的には大大満足の壮大な物語でした。細部を膨らませてアニメ化して欲しいな!
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宇宙的ホラーSF
●団地で起きた首なし事件から端を発し、ギリシャ神話の神々の物語へと。なぜ今、古代ギリシャが この日本で?途中から加わる相棒の正体は?など多くの謎が提示される。作家はどのようなロジック で我々を納得させてくれるのだろうと興味津々。 大半はホラー小説でありハヤカワSFコンテストのSF味はどこに行ったの?とも思ったけれど、ちゃ んと説明はしてくれている。しかし難解でややこしい。理解したふりして読めば結構SFっぽい。要は 面白ければそれでOK! ラストシーンは個人的には嫌いじゃない。まるであのアニメのようなラストショットで。
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早稲田の団地にギリシャ神話の怪異が降臨! 物語への愛とリスペクトに溢れた大作
団地ホラー×ギリシャ神話のSFって、一体どんな展開!? と、気になって読み始めました。そのギャップの大きな設定だけで、間違いなく、難易度が高く創造的な山にチャレンジしたことがわかります。これぞ、新人賞ならではの真骨頂と言えるでしょう。 選評にもある通り、「現実的な導入部から、すっと異世界の存在が身近になる書き方がいい」(神林さん)し、「とにかく読ませる作品」(菅さん)でグイグイ引き込まれていきました。 作者に誘われて一緒に不思議な旅をした身としては、想像以上に高く険しく恐ろしく連なる山々だったなと。都心の団地(しかも近所に住んでいた早稲田!)に、ギリシャ神話の神々が降臨するさまは未知との遭遇すぎてゾクゾクしましたが、特に加速するクライマックス以降は作者渾身?の神話ペダントリーに圧倒されました。 冒頭、おや?と引っかかる表現があり、思わずネット検索しましたが、世界的SF名作の名台詞で、「なるほど」となりましたが、そういった過去作へのリスペクトに溢れたネタが随所に顔を覗かせました。きっと、自分が知らないところでもっとたくさんあったんだと思います。映画、SF、ホラー、ミステリが大好きな作者なのでしょう。それが行間に溢れています。「どんだけ映画好き?」とニヤニヤしながら読み進めてほどなく、「そうか、この作者は映画化を想定しているのだろうな」と気づきました。個人的には、ドラマではなく、映画にこだわってほしい(でも2時間は無理か。予算の大きなネトフリならむしろ、いいかも)。世界中の神話エンタメファンにどう受け止められるか、気になります。 注文をつけさせてもらうならば、キャラをもう少し書き分けられるようになってほしいのと、選評で神林さんも指摘していましたが、ラストはカタルシス視点で、もう少し別の着地方法があったのではないかなと。しかし、それを差し引いても、新人デビュー作で、ここまで鮮やかな登頂はなかなかないだろうと感じました。作者がクライマーズ・ハイの状態で、膨大なインプットから自身のオリジナルでユニークなアウトプットへと転換できる喜びを感じながら頂上へ、頂上へと突き進む姿が目に浮かび、なんだか心地よく、グッとくるものがありました。 なお、SFよりはホラーとミステリーの要素をより強く感じました。その点、書評家の大森望さんが、「ホラー系またはミステリ系の賞に出していたら余裕で大賞とれたのでは」と、Xで投稿されていましたが、自分も全く同意見で、まさに大森さんが選考委員の「このミス」大賞に応募していたら大賞最有力だったのではないでしょうか。 しかし、名誉とか、賞金とかそういうのはどうでもよくて、大好きな作品へのありったけの愛とリスペクトを込めて、複合的なテーマや設定、モチーフなど出し惜しみなく、アイディアを全て投入して描き切り、これまで最も影響を受けた作品が多い早川書房さんのコンテストに応募したのではないかと(全て私の勝手な想像ですが)!そんなスタンスにも好感が持てました。次はどんな山に登り、どんな世界を見せてくれるのか、楽しみです!
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ノスタルジックな団地で繰り広げられるワクワクするような冒険譚!
ホラー、神話、オカルト、SF、様々なモチーフをごった煮しながらも、とどのつまり面白ければよかろうなのだ!と言わんばかりの痛快なエンタメ小説。 数多くの文学や映画を引用し、詳細な設定を垣間見せつつも理屈っぽくなく、考えるよりも先に駆け出す主人公たちに引き込まれ、一気に読んでしまう。 心霊ドキュメンタリーから始まる恐怖と共に日常がゴシックに崩れていく中で、個性的なキャラや奇想天外なガジェットやらが次々と登場し、アクションそしてアドベンチャー、しまいには女バディものになるという怒涛の展開はまるでB級感あふれるジャンル映画。 団地の地下のあの扉の向こう側を覗いてみたくはないかい?
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深い映画愛と母校への愛着が滲み出た作品
単なるSFホラー小説にとどまらず、著者の深い映画愛と、母校への愛着が滲み出た作品であると感じた。 物語の軸には、団地に巣食う怪異やギリシャ神話を彷彿とさせる異形の存在たちが登場するが、その描写はどこか映像的で、読んでいるだけでまるで一本の映画を観ているような感覚になる。とりわけ、老婆が斬首された部屋の描写や、大蛇が這った後の不気味な痕跡など、視覚効果を意識したかのような演出は、著者が映像世界に深く親しんできたことを強く印象づける。映画へのリスペクトが随所に感じられ、それがこの作品の魅力のひとつとなっている。 また、舞台となる団地が、どこか昭和的で懐かしい空気を漂わせており、そこにかつて著者が過ごした場所や記憶が重なっているのではないかと思わされた。母校へのオマージュとしてこの作品が生まれたのではないかとも考えられる。 カリベユウキはこの作品を通して、「人間の記憶とは何か」「目に見えないものにどう向き合うか」といった哲学的な問いを提示している。だがそれと同時に、自身が愛してやまない映画と、青春を過ごした場所への限りない敬意を物語の根底にしっかりと据えている。 『マイ・ゴーストリー・フレンド』は、ただのエンターテインメントではなく、作家の個人的な情熱と愛情が詰まった、美しくも不気味な“私的映画”のような一冊だった。
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コントです
ライトノベルと思って読むならOKですが、セリフで登場人物の魅力があるかどうか決まると思っている僕には、そのセリフがあまりにいい加減で失望。下手なコントのボケ・ツッコミをホラーシーンで描かれてもなあ。キャラが立たない物語には興味が湧かず、速攻終了しました。
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団地ホラー
なんといっても団地のロケ設定が素晴らしい 小説と映画への深い愛情とユーモアに心躍る
関連する文学賞
- ハヤカワSFコンテスト 第12回(2024年) ・優秀賞