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摂氏千度、五万気圧

ハヤカワSFコンテスト

摂氏千度、五万気圧

関元聡

深刻な高温化により人類がほぼ絶滅した数百年後の地球を舞台にした、灼熱地球のポスト・アポカリプスSF。異星人「救済者」が設置した密閉ドーム「コクーン」で生き延びる技術者エリー、高温環境に適応進化した女系民族〈結晶の民〉の娘アサヒ、一族を失い人類殲滅を決意するユズリ――過酷な環境を生き抜く者たちの罪と復讐の物語。

気候変動ポスト・アポカリプス適応進化復讐異星人SF

作品情報

灼熱地球のポスト・アポカリプスSF

第13回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作、著者の初長編にして初単著。地球温暖化が深刻化した近未来、宇宙から飛来した謎の存在「救済者」は世界各地に密閉ドーム「コクーン」を設置して姿を消した。数百年後、コクーンの半数と連絡が途絶え、調査隊が派遣される。ドーム内で暮らす技術者エリー、外界の高温に適応した女系民族〈結晶の民〉の娘アサヒ、そして一族を失い旧人類の滅亡を決意するユズリ。三者それぞれの視点が交差する中、過酷な環境を生き抜く者たちの罪と復讐の物語が展開する。タイトルは〈結晶の民〉が体内でダイヤモンドを生成するために必要な地球深部の条件に由来する。装画・富安健一郎。

レビュー要約

  • 評論家・森下一仁氏は「奇抜なアイデアをふんだんに盛り込み」「驚きの設定」と評価し、「インパクトの強い光景が心を捉える」作品として位置付けている。気候変動への不安を反映した、高い評価を受けた作品。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2025-12-03
ページ数
320ページ
言語
日本語
サイズ
13.2 x 1.8 x 18.8 cm
ISBN-13
9784152104830
ISBN-10
415210483X
価格
2530 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

深刻な高温化で人類がほぼ死に絶えて数百年――異星人が設置した密閉ドームで少数の生存者たちと暮らすエリー、高温の外界に適応した女系民族〈結晶の民〉の娘アサヒ、一族を失い人類の殲滅を決意するユズリ……過酷な環境を生き抜く者たちの罪と復讐の物語!

レビュー

  • 戦禍への怒りと生命への信頼がこめられた力作長編SF

    タイトルからも伝わる、力強くSFらしいSF長編。 人類も地球も変わってしまった未来。『地球の長い午後』を連想する表紙と惹句で読み始めたが、これは復讐の物語だった。 作者が現代社会への怒りと戦争への嫌悪、人間への絶望をSF小説としてぶつけたような力作。 戦禍は人間を狂わせるだけではなく地球そのものも変質させる。それは架空ではなく現実だと知っているのに、私は目を背けてだらしなく生きている。それをつきつけられたようでもあるが、後半の展開には大きく深く息をついた。 みごとなSFならではの強烈な気付け薬だ。

  • カラフルな世界のファンタジー

    ●長径9.5Km短径3.9Km高さ800mのドーム状カプセル/コクーン(閉鎖都市)。真っ赤な植物相に 囲まれたたずむ姿は巨大な繭の様。映画「アバター」を想起する色彩豊かな自然描写が印象的です。 「結晶の民」や動植物の奇異な生態系の説明は、SFというよりファンタジー。特にダイヤモンドや単 為生殖については納得できません。魔法の世界です。また、タイトルと内容のミスマッチが気になり ます。 物語は全編を通してソフトで緩やかな展開。3つのパートが交互に繰り返され終盤一つに収束した 時、彼女たちはそれぞれ自分自身に折り合いをつけたのでしょう。切なくもホッと安堵したエンドロ ールでした。

  • 地球温暖化の果ての果て

    平均気温が50℃以上の灼熱地獄となった地球。コクーンの中でしか生存できない人類と環境に適応した「結晶の民」の相剋を描いたSF作品。 人類には果たして、地球という奇跡の惑星で種を存続する価値があるのか?結末で突きつけられる問いの重さに心震えた。

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