作品情報
村田喜代子の『白い山』は、受賞歴とともに読み継がれる小説集。
村田喜代子の作品集。日常の空間に奇妙な感触を忍ばせる短編群の中に表題作を収める。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 1990-06-01
- ページ数
- 213ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163118505
- ISBN-10
- 4163118500
- 価格
- 1849 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: 白い山 : 村田 喜代子: 本
レビュー
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Library Books
村田喜代子「白い山」を読了。短編集です。山とケーブルカーと団地が共通の印象に残る短編集です。想像の世界というか印象的なシーンがたくさん出てきます。そのシーンを繋ぎ合わせると、現実的なのですが、どこかちょっとずれている、幻想的な世界が出てきます。それを柔らかい筆で描いているのです。現実の世界と幻想の世界。その差はほんのちょっとのズレなのです。
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山とは高いところである
収録7編のうち表題作では、もちろんタイトルどおりいくつかの山、あるいは丘が出てくる。しかしその他にも山や高い建物が出てくる作品が多い。 最初の『鋼索鉄道』とはケーブルカーのことであるが、この作品だけはかなり昔の出来事を語っている。たぶん作者自身、高校生だった頃の思い出が元になっているのだろう。最後近く、「私」と一緒に山に登る(ケーブルカーを使わずに)男の子のセリフがなかなかよかった。 ごく短い『空中区』、さらにその次の『昼の夢』では、10階ぐらいのマンションの最上階が主舞台である。さらに『寒い日』、『百のトイレ』と日常を一人称で描いた作品が続いた後、『山頂公園』はまたケーブルカーが通っている山が舞台。この作品だけ三人称形式で書かれている。 最後の表題作は、挿話の寄せ集めといった感じの作品だ。石灰岩の白っぽい山や白い霧の中の阿蘇より、登場する様々なおばあさん(「私」の祖母を含む)たちが印象的だった。
関連する文学賞
- 女流文学賞 第29回(1990年) ・受賞