作品情報
風に舞う一枚のシートが、働くことと愛することの重さを映す。
『風に舞いあがるビニールシート』は、表題作を含む短編集です。難民支援の現場で働く女性の愛と転身を描く表題作を中心に、仕事、家族、善意の重さを多面的に描きます。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2006-05-31
- ページ数
- 313ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163249209
- ISBN-10
- 4163249206
- 価格
- 1540 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
国連で難民事業に携わる里佳は上司で、元夫のエドがアフガンで死んだという知らせに立ち直れない。市井で懸命に生きる人を描く6篇
レビュー
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good
good
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ストーリーの面白さが秀逸
6つの作品すべてが面白かった、直木賞作品云々より読み手と していかに楽しめるかを考えると本書は質の高い作品だと思う、 個人的にはサラリーマンの悲哀と友情を描いた「ジュネレーシ ョンX」が特に面白かった。
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「守護神」がよかった!
ものすごくいい本で、感動もしたし、深く考えさられもしたんだけど、あまりにもダサくて萎えてしまう部分がある それは国連職員の言語 欧米人だって普通の人間で、「作ったりはしないさ」みたいな気取った表現はありえない そもそも日本人でこんな日本語で話すやついる? いたとしたら相当イタいやつじゃない? 欧米人ならこういう気取った話し方をするんだろうという前提がもうイタすぎる という一点だけ萎えるんだけど、それ以外はとても素晴らしい本です 僕は50%オフで買ったけど、そうじゃなくても買ってよかったと思うだろう 特に好きなのはレポートの代筆を頼む青年が出てくる「守護神」で、中盤の主人公の立場の転換がすごく鮮やかだった 短編なのにどんでん返しみたいな あともう一つは「ジェネレーションX」で、無駄に大人にならなくてよかったと肯定してもらったような気がした(^^) いわゆるバディもので、かつロードムービー(映画じゃないけど)という僕の大好きな要素がそろってる 一つだけ愚痴ったけど、そこも僕みたいに海外の長い人間じゃなければまったく気にならないと思うので、ぜひ皆さんにもおすすめしたいと思います
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理想主義の私にとって現実多めだった
AIにオススメ聞いて、買ってみた。理想主義な私にはあまりにも現実でうぅってなった。笑 人間の絶妙に嫌な部分が描かれてて、そうなんだよね、現実はこういう言い方してくる人いるんだよね、でも悪い部分だけじゃないんだよね、みたいな。特に最初のやつ、自分は相手にこうあって欲しいっていうのがあって、でも自分の理想通りにはいかなくて、、あまりに現実すぎて現実逃避を求める自分にはしんどかった。犬のやつは若干ご都合主義でよかった。現実もこのくらい都合よかったらいいのに。フリーター大学生のやつは、最初イラッとしたけど、実際の彼がだんだん見えてきて、頑張れよ、みたいな気持ちになってよかった。(思うつぼ)誰しもそれぞれ事情があって頑張って生きてるんだなって思った。あの人は𓏸𓏸そう、みたいなの安易に言うべきじゃないよなって思った。
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女性の感性にあふれる名作
とてもよく出来た小説だと感じた。 文章は精緻だし、比喩も作者の素晴らしい感性を感じさせる。 そして、国連難民高等弁務官という設定と風に舞いあがるビニールシートというタイトルは、読者に大きな期待を抱かせる。 ただ、残念なのは、主人公の夫であった、エドが情熱を注ぐ、世界の難民を救うという仕事の内容があまり描かれていない。 何故愛し合っていた二人が離婚をしなければならなかったのか、妻より仕事を難民救護という仕事にのめりこむエドの背景 などが見えてこない。 エドが死ぬシーン、現地の女性が打たれるのをかばって死んでいくというのはちょっと安っぽい感じがした。 そして、最後に主人公が、あんなに嫌がっていた海外の現場、アフガニスタン駐在を希望するところも 無理やりという感じがする。 タイトルや設定の割に、日本の家庭内で起きている男女のすれ違いとあまり変わらないという印象が残った。
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カバーが二重?
「世の中は金」じゃない!個人の価値観。 自己犠牲してでも、自分の欲求のまま生きる主人公達の6作。 最後の章はタイトルのまま「風に舞い上がるビニールシート」は難民を支援する国連機関に就く夫婦愛です。知っていて知らなかった夫の生い立ちには、納得です。
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頭に電撃が走る感覚さえ覚えた
年間30〜50冊ほど、小説に限らず多様な本を手に取るようにしているが、読んでいて「これだ」と思える小説に出会えることは1年に1回もない。そんな中でもこの小説は自分に「これだ」と思わせ、心を震わせる不思議な力を持つ小説だと感じた。森絵都さんの描く自然と感情移入させるような登場人物たちと自分の置かれている環境がそう感じさせたのだと思う。 全てのストーリーに、各々の登場人物の強い想いが描かれていて非常に読後感の良い作品ばかりであったが、全てにおいて感想を書き始めると一つの短編小説ほどの分量になりかねないため、1番感情移入しながら読んだ、タイトルも冠している「風に舞いあがるビニールシート」についてのみ感想を書きたい。 まず私は国際協力という分野の扉をたたき、入り口に立った人間である。まだまだひよっこで、エドと比較するには畏れ多くもあるが、それでも彼に感情移入せずにはいられなかった。自分もまた世界に散在する「風に舞いあがるビニールシート」を憂い、彼らのために何か行動を取る責任を負うと考える1人であるからだ。彼らが世界から忘れられないように、少なくとも自分は難解で重苦しい現実を見て見ぬふりしないようにと国際協力の門戸を開いた。エドとは経験も能力も違えど、自身も支援活動に全身全霊でコミットしている。そんな中でやはりプライベートとのバランスを取ることは非常に難しく感じている。里佳が望むような自分の目の前にある大切な人と築く幸せを「必要ない」とは割り切れないが、本質のところで他人を切り離しているようなきらいがある。しかし読み進めていくにあたって、エドは里佳のことを他人ではなく、人間の肌のぬくもりを持ったかけがえのない人と捉えているような描写が増えたように感じた。彼は結果的にはアフガニスタンにて「風に舞いあがるビニールシート」を守るために自身の命を落とすことになったが、きっと人の肌のぬくもりを知った彼は不幸せではなかったのだと思う。そして彼の想いはきちんと里佳の心の中で生きていることに対して、自分ごとのように強い喜びを覚えた。
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期待
内容はさわやかかつ丁寧な描写がきにいってます 他の作品も機会があれば読んでみたくなりました
関連する文学賞
- 直木三十五賞 第135回(2006年) ・受賞