聖夜 ― School and Music
教会の鍵盤に親しんできた高校生が、聖書、ロック、メシアンの楽曲と向き合いながら少年期の終わりを迎える青春小説です。音楽と祈り、家族への複雑な感情が濃密に響き合います。
作品情報
聖夜は、受賞時の評価点を手がかりに作品世界へ入っていける一冊です。
教会の鍵盤に親しんできた高校生が、聖書、ロック、メシアンの楽曲と向き合いながら少年期の終わりを迎える青春小説です。音楽と祈り、家族への複雑な感情が濃密に響き合います。 文藝春秋から単行本が刊行され、文庫版と電子版も確認できる。
レビュー要約
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刊行情報と紹介文からは、受賞時に評価された題材の明確さと読み進めやすい構成がうかがえる。人物や状況の輪郭を追いやすい点が読みどころになっている。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2010-12-09
- ページ数
- 232ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163297903
- ISBN-10
- 4163297901
- 価格
- 2251 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
“俺は記憶のないころから鍵盤に触れてきた”。聖書に噛みつき、ロックに心奪われ、メシアンの難曲と格闘する眩しい少年期の終わり
レビュー
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ヒトリコのパートナー
腐女子がマザコンをパートナーにすると、母親と取り合いになるけど、たぶん勝てない。で、出て行くんだけど、女の子は連れて行って、ヒトリコに育てる。じゃ、男の子はどうなるかってのが、この話のテーマのようです。”はるがいったら”とか、”ヒトリコ”と共通するテーマですね。音楽と絡めて、心の琴線にうまく触れるようで、最後まで話の中に入り込んでました。 あと、演奏によるメッセージは、すべての聴衆に同じように伝わるのではなく、ヒトにより様々な印象を残すようです。演奏の練習だけしてれば、いい演奏だったって言ってもらえるわけじゃなさそうです。
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好きです。佐藤さん!
青少年向けとして紹介されることが多い方ですが、私はそうは感じません。どっちかというと、いい歳をしたおっさんやおばさんが こっそりよんで胸をジィ~ンとさせているような作家さんだと思ってます。 私は佐藤さんと同じ歳のオッサンですがやっぱり読んでしまいます。
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オルガン演奏小説
オルガン演奏を題材とした小説 つい先日、 ほしおさなえ著「空き家課まぼろし譚」という小説を読みました この中の一篇に「オルガン奏者」というものがありましたが 短編だったので、いまいちオルガンの魅力が伝わってこなかった 本著は長篇ということもあり、 オルガンの魅力が十二分に伝わってきた オルガンは同じ鍵盤楽器であるピアノとは 全くの別物であることを知りました ピアノは弦による発音であるが オルガンは管による発音であり 根本的な原理が全く異なる 本著の主人公は キリスト教系の高校に通い 「オルガン部」に所属している また、家が教会である為 小さいころからオルガンに親しんでいる そんな環境で暮らしているが 宗教とは少し距離を置く態度を取っている 主人公と 厳格な父、家を出て行った母 オルガン演奏、ロック オルガン部のコーチや仲間、級友 を巡る物語が綴られる 若者の青春の悩みを描いた作品であったが 主人公はクリスマス・コンサートで ひとつの区切りを着けようと決心します しかし、ある種の黄金パターンなのですが ラストはコンサートのリハーサルまでしか描かれません 余韻の残る素晴らしいラストでしたが 決着を見てみたかった気もします
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自分が感じてきたままの世界
(School and Musicシリーズのもう1冊「第二音楽室」とまとめての感想です。 同じものを両方に書きますがご容赦ください。) 学校の中の音楽、ということがテーマになっているのですが、 ここに描かれている ・同じ仲間で練習を重ねていく中で感じていく一体感やそこから生まれていく恋心、 ・演奏会前の独特の緊張感 といったことは、まさしく自分が高校生のころ吹奏楽をやっていて感じたことでした。 本当に心に残る本でした。 あとがきで、あと2つ描ききれなかったことがある、と書いてあったのですが どのようなものなのか今から楽しみです。
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感覚の再現
いやあ、よかった。 何がよいかというと、体験の記憶、体験の回想。感覚の再現。 パイプオルガンの音、バッハの構成、メシアンの不思議さがまざまざと浮かんできて、すごく惹かれる。 それに「タルカス」も。 #最近、吉松隆さん編曲のオーケストラ版が出たばかりだし。 そして、天野のオルガンの音。 同じ楽器でも人の持っている音色、出てくる音が違うことを鮮やかに思い出させてくれる。 そのまま、彼女との絡みで話が進むかと思いきや、 あまりそうでもない家族中心の内面ですすんでいくところが、また佐藤さんらしいのだけど。 もっと、派生して掘り下げた物を知りたい人物がいるので、続きを書いてくれないかなあ。 天野、青木、鳴海で「ガラスの仮面」や「チョコレートコスモス」みたいな作品にできる気がする。
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音楽にまつわる物語
『第二音楽室』に続く、 長編。 短編は女の子たちが主人公でしたが、 これは一人の少年が主人公。 それなりに魅力的で、 クール。 親の離婚とか、 厳格なキリスト教の父だとか、 少し、普通とは違う経験がある。 そのために、少し大人びているかな。 キリスト系の学校で、 賛美歌を歌う時に、 毎回オルガンを弾くオルガン部がある。 それにまつわる物語だが、 もちろん、音楽は一つではない。 そのこともまた、彼を少しづつ開かせていく。 例えば、ロックが、いろんな意味で、 彼を変えていく。 クールな彼がもがく姿がまた、 なんとも……良いんだ。 簡単に先になんか進めないし、 かといって、目に見える障害があるわけでもない。 それでも、時間は流れるし、 わかることが増えていく。 そんな高校生の、少し大人になる物語。
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音楽を文字にする
まんが「のだめカンタービレ」を読んだ時にも感じたのだが、読み手がイメージできるように、音楽を文字で表現する(のだめの場合は絵もあるのだが)ことのすごさを感じる物語だった。 印象に残ったのは、バッハのト短調のフーガについて「次から次へと一つのメロディを繰り返して進んでいく。短調なのだが、全体的には鮮やかな印象になる。色の違う同じ種類の花が次々と咲いていくみたいな・・」と表現しているところ。 なるほどと思った。 音楽専攻ではない高校生がこんなに深く音楽をするのかと驚き、だからこそ、隔たりなくバロックとロックがつながっていくのかと納得したりした。 そういえば、何年か前高校の吹奏楽部の演奏会を聴きに行ったことがあったが、体力、集中力、そして自分の時間に恵まれている高校時代に好きなことに出あうことができると、こんなにもうまくなれるものなんだなあと感じたことを思い出す。高校生を主人公にしたスポーツ物が多い中、同じように音楽でもこの世代の子どもたちは心を動かされ、成長していくのだということを、改めて思い出させてくれる一冊だった。
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音符と色彩が跳ねている
この作品と第二音楽室では、第二のほうが好きす。 作品は1970年代を感じさせます。佐藤多佳子さんの若き日々とも重なりそうです。 ミッション系の学校、教会、バロック音楽と舞台は落ち着いています。 主人公の高3男子には、10歳のとき事情があって別離した母がいる。家族は牧師の父とその母の3人。この主人公、本人の気づかないところでもてているのだが、女性に興味がない。佐藤さんの描く男子は、いつもcool(冷静でかっこいい)だが、現実感が薄い。 父が長い間見せなかったが、ついに手渡された母から主人公への51通の手紙はどうしたのかな。